ミノルタSR-T101をM42マウントにしてCarl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8を取り付ける【フィルムカメラ】

・M42レンズをミノルタのカメラで使う

M42マウントのCarl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8をミノルタの機械式フィルム一眼レフカメラのSR-T101で使用出来るようにするために、マウントアダプターを取り付けてミノルタのカメラをM42対応にする事にしました。

・ミノルタMD-M42マウントアダプター

今回使用するのはPixco(ハシュポ)のMDマウント(SRマウント、MCマウント)をM42のスクリューマウントに変換するマウントアダプターです。リング系のマウントアダプターはシルバーのものが多いですが、このアダプターは反射対策としてカラーはブラックになっています。


Pixco M42-MDマウントアダプター

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・マウントアダプター

PixcoのMD-M42アダプターは電子接点や自動絞りなどに対応していないのでシンプルな変換リングです。Pixcoはヘリコイド付きなど数多くのマウントアダプターを出している格安メーカーで製品の作りはそれほどでもないですが、このMD-M42アダプターはシンプルだけに全く問題なくレンズを取り付けられます。


M42スクリューマウント側


ミノルタSRマウント側

・Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8

使用するレンズはCarl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8です。東ドイツ時代のJena(イエナ)名義のレンズでマウントはM42のスクリューマウントになっています。年代によりますが、Rolleiflexに付けられてたCarl Zeissのレンズは東ドイツ製のJena Tessarの方が西ドイツ製Opton Tessarのものより写りがよく人気もありました。


Pancolar electric 1,8/50 MC Carl Zeiss Jena DDR

【レビュー】ミノルタSRマウント用のピンホールレンズ全種類を試してみました

・ミノルタSR-T101

カメラはミノルタの機械式カメラSR-T101を使用します。M42マウントアダプターを使用すると開放測光と自動絞りではなく、実絞りでマニュアルのみで撮影する事になります。絞りを絞るとファインダーが暗くなりますが、露出計も動き慣れたら快適に撮影出来るようになります。

ミノルタSR-T101の修理の記事はこちらです
ミノルタSR-T101


ミノルタSR-T101とM42レンズセットです

・マニュアルモードにする

Pancolar 50mmはリアのマウント内側にピンがあり、M42の自動絞りに対応しています。そのままレンズをマウントアダプターに取り付けてしまうとピンを押してしまうので、レンズ根本にあるスイッチをA(オート)からM(マニュアル)に切り替えます。


スイッチをマニュアルモードに切り替えました

・接点を絶縁する

Pancolar 50mmは専用カメラで使用するために3つの電子接点があります。そのまま使用が出来ない事はないのですが、接点非対応のカメラで使用する場合はピンがくぼみなどに引っかかってレンズがはずれなくなったりアダプター自体にピンの引っかき傷がつかないように絶縁テープやマスキングテープで絶縁しておいた方が安全です。


3つの電子接点があります


電子接点を絶縁しました

・マウントアダプターを取り付ける

マウントアダプターなどリング状のままバヨネットマウントに取り付けるのは大変なので、レンズ側にマウントアダプターを先に取り付けます。M42はスクリューマウントなのでマウントアダプターにはねじ込むだけで簡単に取り付ける事が出来ます。


レンズ側にマウントアダプターを取り付けました

・レンズを取り付ける

マウントアダプターを取り付けたPancolar 50mmを通常のミノルタのレンズのようにレンズマウントに取り付けます。特に特別な作法などの必要はなくマウントアダプターが薄いのもあり純正レンズのような見た目でまとまります。


ミノルタSR-T101にレンズを取り付けました


横から見ても純正レンズのようです

・肝心の写りはどうか

Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8の写りをミノルタのMC Rokkor 50mm F1.4などと比べると明らかに違うのが暗部のディテールが残ると言う事です。ミノルタのレンズでの撮影では黒つぶれする様な状況でもPancolar 50mmで撮ると暗い部分がしっかりと写っており、この傾向は同じCarl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4でも同様です。これは当時のミノルタは解像度重視で、Carl Zeissはコントラスト重視でレンズを作っていた根本的な思想の違いからきているものだと考えられます。


通常のマニュアルレンズとして使用出来ます


実絞りでの撮影になります

・ミノルタXE-1に取り付ける

同じミノルタの電子シャッターカメラのXE-1にもM42アダプター経由でPancolar 50mmを取り付けてみます。ミノルタXE-1はAEでの自動絞りの撮影が可能ですが、M42アダプターを取り付けるとSR-T101と同様にマニュアルのみでの撮影になります。ミノルタXEやXE-1のスムーズな巻き上げとシャッターの感覚でZeissのレンズが使えるのもまたよいです。


ミノルタXE-1


ミノルタXE-1をM42マウント化しました

・レンズを取り外す

M42レンズを取り外すにはスクリューマウントだけに反時計回りにレンズを回すだけで取り外す事ができます。もしM42レンズをメインに使用するのであれば、ボディキャップもM42用にしてマウントアダプターを取り付けたまま防湿庫に入れておくのもよいでしょう。マウントアダプターを取り外す時はマウントアダプターのみをはずそうとせず、M42レンズを取り付けた状態で少しきつめにレンズを取り付けてから、レンズ取り外しのボタンを押してレンズが付いた状態のままマウントアダプターごとカメラから取り外します。これはLeica MマウントにL39のアダプターを取り付けた時も同様のやり方で取り外す事が出来ます。

SONY a7Cに取り付けたMマウントアダプターからLMリングを取り外す記事はこちらです


マウントアダプターが付いたままです

・まとめ

ミノルタのフィルム一眼レフにM42レンズを使用出来るようにマウントアダプターを取り付けると、これまで慣れ親しんだカメラの操作のままCarl Zeissなど数多いM42レンズを選ぶ事が出来るようになります。Carl Zeiss Jena製のレンズは写りの傾向もミノルタ製レンズとも全く違い幅広い撮影が楽しめるようになります。

ミノルタでZeissを使えるようになりました








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