【レビュー】Fender Player Duo-Sonicはこれまでで最高のギターとなりました

・ショートスケールのギター

Gibson系の無骨なギターが続いたので、気軽に弾けるギターは無いかと試奏したらFender Duo-Sonicが素晴らしくお持ちかえりとなりました。ショートケースギターの謎や詳細などを含めて説明していきます。

・Fender Duo Sonic

今回購入したのはFender Player Duo-Sonic(フェンダープレイヤーデュオソニック)の2020年製でカラーはTidepool(タイドプール)です。PlayerシリーズのOffset(オフセット)モデルでネックはメイプルでシングルコイルピックアップが2つとハードテイルとテレキャスターのようなシンプルな仕様です。


Fender Player Duo-Sonic

・メキシコ製フェンダー

Fender Playerシリーズはメキシコ製でFender USAと同じ木材とパーツを使用してメキシコで作られたギターになります。アメリカ製と同じ木材などと言われますが、全く同じ仕様のギターのUSA版があるわけではないので比較は難しいですが、メキシコ製フェンダーは全体的に作りもよく価格とクオリティのバランスが取れた良いギターです。


Made in Mexicoです

・Tidepool

カラーはタイドプールでメタリックブルー系になります。ブルーも派手なく少しグレーがかっていて、American Professionalテレキャスターなどのソニックグレーを少し青よりにしたような色です。ピックガードはホワイトに見えてクリーム系のミントグリーンになっています。


弦はボディを通す裏通し

・シングルピックアップ

はっきり言うと手に入れた最大の理由はこの前後シングルコイルピックアップの音質の良さです。特にアンプをクリーンにセットしてコードを鳴らすとテレキャスターともストラトキャスターとも違う独特のカーンと言う鐘を鳴らしたかのような綺麗な音で響きます。この音の響き(サステインの事ではなく)の良さはハードテイル仕様だからも大きいと思います。


シングルピックアップにハードテイル仕様です

・ハムバッカー仕様と比べて

Fender Player Offsetモデルにはブリッジ(リア)ピックアップがハムバッカーのHS配列のDuo-SonicやMustang(ムスタング)だとP90ピックアップを搭載したモデルがあったりと細かい仕様違いがあります。日本の楽器店の素晴らしいところは前モデル全色が置いてある事で、Duo-Sonic HS、ムスタングのシングル、P90仕様と全てを弾いてみました。これがどう比べてもシングルコイルピックアップ仕様のDuo-Sonicの音が飛び抜けて素晴らしく悩むことなくDuo-Sonicに決定しました。P90仕様は期待していたのですが、想像からはほど遠くこれならGibsonの別のギターにするかなと言った印象でした。演奏するジャンルやそもそも好みによりますが、ギターを1本だけでいろいろな音を出したいのであればHSモデルを選ぶのも良いと思います。

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・弾きやすい

ショートスケールで弾きやすいと言うと簡単ですが、スケール長自体はZo-3(所有しています)など同じままにボディが通常のギターの形状なので持ちやすさなどが全然違います。ネックは薄いのかと思わせて丸みが強く厚みがある形状でこれが本当に弾きやすく長く演奏しても疲れることがありません。気になる部分と言えば弾いていると不意にスイッチに触れて切り替わってしまうくらいで、これは慣れてしまうかスイッチの向きの変更などで対応するとよいでしょう。出荷時に張られている弦のゲージは010-046でボディからの裏通しにしてテンションをかせいでいますが、より細い009-042でも問題なく使えます。(フェンダーの弦はダダリオ製になったのでダダリオの弦だと思われます)


トラスロッドはヘッド側から調整可能です


ネックはサテン仕上げに限ります

・ロックペグではないが

チューナー(ペグ)は通常の6連タイプで残念ながらロッキングチューナーではありません。ただ、Fenderのチューナーは工場でのコスト削減のために取り付け穴などが共通化されていてFender Americann Standardなどに使用されているFender製のロッキングチューナー(ロックペグ)に加工無しで入れ替える事が出来ます。新しく発売されたFender Player Plusシリーズのテレキャスターやストラトキャスターなどは要望も多かったのかロッキングチューナーにアップグレードされています。(この後にロックペグに交換しました)

Fender製ロッキングチューナーに付け替えた記事はこちらです


スタンダードな仕様です


ポン付けでロックペグに入れ替え可能です

・良い部分だけではなく

作りもよく何も不満がないのかと言うとそうでもなく、細かい部分のパーツの取り付けなどはやはり価格相応の粗さがあります。このDuo-Sonicだとピックガード取り付けのビスが取り付けトルクを越えてネジ込み過ぎていたり、ナットのサイドの処理が雑で角が尖った状態でたまに触ると気になります。この後にブリッジのサドルの取り付けネジの1本の山が不良ったのを交換して、ナットの両サイド部分は自分で削り直しました。音質やプレイアビリティの面では全く問題なくコストパフォマンスも含めて素晴らしいギターであることは間違いないです。

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・ギグバッグ

本家Fender製ギターとは言え普及価格帯のPlayerシリーズなので、付属するのはハードケースではなくソフトケース(ギグバッグ)になっています。しょぼいなと思いがちですが、ギターの本数が増えて何が邪魔かと言えばハードケースなのでありがたいです。とは言えDuo-Sonic付属のソフトケースはお世辞にも屋外でのギターの持ち運びに適しているとは言い難いです。Fenderが純正で販売しているDuo-Sonic / Mustang専用のハードケースで揃えてしまうのも格好がいいです。ハードケース以外ではMonoのM80などのクッション性の高いしっかりしたケースやセミハードケースなどで持ち運ぶのがよいでしょう。


Fenderロゴが小さくてよいです


ストラップが長いので背負えます


説明書や工具などが入っています


ショートスケール用のケースでもテレキャスターが入ります

・実はショートではない

ショートスケールと言うとギターの全体が短いと思うかもしれませんが、実はロングスケールのテレキャスターと比べてもギターの全長はほぼ同じです。ではどこがショートなのかと言うとDuo-Sonicのブリッジとサドルは取り付け位置が前の方にありナットとサドル間が短くなっています。このテレキャスターはSquier Affinity TeleにUSA製ピックアップを直列ターボ改造して黒いパーツに入れ替えた魔改造スクワイヤーテレキャスターです。

*テレキャスターのターボ直列魔改造の記事はこちらです


全長はほぼ一緒です


サドルの位置が大きく違います

・ビンテージ仕様

Fender Player Duo-Sonicのシングルコイルピックアップはテレキャスターのように並列回路で組まれているのでセレクターで前後ミックスにしても音量は上がりません。ヴィンテージのDuo-SonicはPlayerモデルとは大きく違い直列回路なので前後ミックスの時に音圧があがります。ヴィンテージ仕様に近づけたい方はピックアップの直列接続に改造するのも面白いと思います。(Player Plus Telecasterなどはトーンポットのプッシュプルで直列と並列の切り替えが出来ます)


テレキャスターは直列ターボ改造済みです

・Duo-Sonicを弾いてみて

Fender Player Duo-Sonicは弾きやすさから音質まで何もかもが素晴らしい最高のギターです。ショートスケールなので押弦も楽で気軽に弾けて一度手にするといつまでも弾き続けたくなります。ギターは欲しいと思っているうちにすぐディスコンになっていまうので、考える前に手に入れてしまって後から考えてもよいくらいです。Duo-Sonicとほぼ同じMustangもありHSなど細かい仕様違いもあるので、出来れば試奏かYouTubeなどの比較動画をよく見てからどのギターにするか決めるとよいでしょう。







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