・チューニングを安定させる
ロックペグ搭載のギターを使用したら弦交換の楽さから元には戻れなくなります。Duo-Sonicの弦交換が面倒になってきたのもありFenderが上位機種に取り付けている純正ロックペグに取り替える事にしたので取り付け方法などをまとめました。
・Fenderロッキングチューナー
今回使用するのはFenderロッキングチューナー(ロックペグ)です。フェンダーUSA純正品でFender USAのギターなどに最初から搭載されていたりする上記機種用のペグです。Fenderは細かいノブなどのアフターパーツを多く出していてロッキングチューナーも手に入れやすいパーツの1つです。
・ガタガタ音がする
パッケージの中が最初からガタガタと何かが当たるような音がしています。不良品かと思って開けてみると厚紙の台紙にペグを取り付けた時に抜かれた型が全てパッケージの中に入ったままでした。商品に問題はなさそうではあるもののアメリカンさを感じる雑さです。
・ロッキングチューナーを見てみる
ロックさせるダイヤル部分にFマークが入る6連チューナーです。右利き左利き用があるので必ず向きが正しいかを確認しましょう。6弦用なのでペグとスリーブが各6ずつのセットになります。
Fマークが決まっています(厚紙の欠片は除いて綺麗にしました)
・ポストの高さ違い
6連ペグなので全て同じパーツかと思わせておいて、ポストの長さ違いで3つずつセットになっています。フェンダー系ギターは6つのペグが列んでいるので、遠くになる1〜3弦用がよりテンションがかかかる低いポスト、手前の4〜6弦用が長いポストになっています。ぱっと見同じ形状に見えるてしまうので、取り付ける際に取り付け位置を間違えないようにしましょう。
・工具を用意する
元に付いているチューナーは六角のナットで取り付けてあるのでボックスレンチなどが必要です。ギター関連は取り付けトルクもそれほど強くないので手持ちにボックスレンチなどがなければモンキーレンチでも取り外す事は出来ます。ペグの動作を確認するのに今まで張ってある弦をそのまま再利用しますが、ロッキングチューナーは弦の巻数が少なく弦の先端が余るのでストリングカッターを使用します。
・Fender Duo-Sonic
使用するギターはFender Player Duo-Sonic(フェンダープレイヤーデュオソニック)です。メキシコ製で作りも音もよく気に入ってはいるのですがPlayerシリーズは通常の6連ペグなのが残念です。この後に出たPlayer Plusシリーズのテレキャスターやストラトキャスターなどには最初からFender製のロッキングチューナーが搭載されています。
・Elixir Optiweb
弦はこれまでElixir Optiweb 009-042と出荷時よりゲージを下げた細いコーティング弦を使用してよりテンションがゆるく弾きやすい設定にしています。張り替えてそれほど経っていない事もありロッキングチューナーと共に弦は交換せずそのまま使用します。
【レビュー】Fender Duo-Sonicの弦も結局はElixir Optiwebに戻りゲージも細くして一気に弾きやすくしました
・ペグを見てみる
ペグはヘッドの表側から六角ナットで止まっていて、ヘッド裏には小さな木ネジが見当たらないのでネック側に穴を開けてペグを固定しているのタイプだと言うのがわかります。先に言ってしまうとヘッドにスリーブが打ち込まれていないので交換はとても楽になっていて、工場での工数とコスト削減のための設計がされています。
・ペグを取り外す
まずはロッキングチューナーが取り付けられるか確認するために6弦のペグだけ取り外します。ヘッド裏を見るとペグの取り付け穴の横に小さな2つの穴が開けられているのがわかります。FenderやSquier製のギターはこの穴にペグの突起を固定して取り付けてあります。弦は再利用するので全てをはずしたり切ったりせずヘッド側だけはずします。
・ペグを比べてみる
ロッキングチューナーとペグを比べてみると同じメーカー製だけに似たような形状です。取り付け側には同じく2つの突起がありどちらのペグも同じ形状な事がわかります。
・そのままポン付け可能
Fender PlayerのギターであればFender Locking Tunerはギター側の加工無しにそのまま取り付ける事が出来ます。他のFender製でも取り付けられると思いますが、元に取り付けられているペグが2つの突起があるタイプのみになります。
・スクワイヤーとは互換性無し
Fenderのギターに付くならSquier TeleやStratも2つの突起があるしFenderロッキングチューナーがそのまま取り付けられるのではと思われかもしれませんが、これが似た形状であるものの突起の位置が違い互換は一切ありません。
右はスクワイヤーテレキャスターのペグ(OEMでIbanezに付いていたペグ)
・計量する
ロッキングチューナーを計量してみるとポストの長短の違いがあるために0.5g前後ほど短いポストの方が軽くなっています。元に付いていたDuo-Sonicのペグはロック機構がないだけにロッキングチューナーよりは3g前後軽量になっています。
・6弦用を取り付けてみる
ギター側の加工無しでそのまま取り付けられてロックペグの機構も問題なく動作するか確認するために6弦用のロックペグ1つだけを取り付けてみました。元のペグが入っていた穴にロックペグのポストを通して押し込むと突起が木の穴にはまります。ロックペグがヘッド裏に沿って取り付けられたらネック上面から取り付け用の六角ボルトを締めて取り付け完了です。同じFender製で形状が同じペグだけに無加工でそのまま取り付けが出来ました。
・6弦を張ってみる
ロッキングチューナーは取り付けられたので実際に弦を張ってみます。ロックペグへの弦の張り方は簡単でナットから真っすぐにロックペグのポストの穴を合わせて弦を引っ張った状態で通して先端を曲げて(曲げなくてもよいです)ネック裏のダイヤルを回して弦を固定します。弦を固定したらチューニングしますが、通常の弦の巻き方とは違いポストを2〜3周して巻きつける必要はありません。もちろんより弦にテンションをかけたい方は数巻するのもありでしょう。6弦を取り付けてチューニングすると全く問題ない事がわかったので残りのロックペグを取り付ける事にします。
・残りのロックペグを取り付ける
6弦用のロッキングチューナーが問題なかったので一気に1〜5弦分も取り付けてしまいます。この時に1〜3弦の分はポストが短い方を取り付けるのを忘れないようにしましょう。Fender製のペグの交換は簡単なのであっさりと終わります。
・弦を張ってチューニングする
ペグの交換が簡単なら弦の通し方はもっと簡単です。1〜5弦までをロックしてチューニングします。ロッキングチューナーでの弦交換の良いところは真っすぐ引っ張った状態で弦をロックするので、チューニングを合わせてもポストに弦が半巻程度かそれ以下しか回す必要がなくすぐにチューニングも終わるところです。チューナー(この場合は音を合わせる機械)はTC Electronic PolyTune Clipを使用します。PolyTune Clipは反応がよく高く細かく合わせられ、6弦を同時に測定するポリフォニックチューナーにもなる優れたチューナーです。
・余った弦を切る
これまでペグのポストに数巻していた分の弦が余り使用する弦も短くてよいのがわかります。ロッキングチューナーのポストからはみ出た弦をストリングカッターで切り取って交換は終了です。弦は100均などのニッパーで切ろうとするとすぐ刃がこぼれるので専用の工具を使用しましょう。そしてストリングワインダーはもう必要なくなります。
・ロッキングチューナーにしてみて
Fender純正のロッキングチューナーをDuo-Sonicに取り付けた瞬間は少しヘッドが重くなったかなと思いましたがすぐに慣れてしまいました。ロックペグだとこれまでよりチューニングの安定度が上がりチューニングが必要になる頻度もかなり減りました。そしてなにより弦の取り外しと交換がこれ以上はないであろうと言うほどに楽に短時間で終わるようになりました。もうロッキングチューナー無しのギターは所有したくなくなるほどなので手持ちのギターのペグを一気に交換してしまうのはどうでしょうか。