・バリを取って仕上げる
Fender Player Duo-Sonicは弾きやすく音も含めて素晴らしいギターですが、メキシコ製な事もあり細かい部分のバリなどが目に付きます。特にナットの角の仕上げが粗く演奏中に気になるので修正する事にしました。ナットをスムーズにしたらFender系ギターではまずやるお決まりの改造やバランスドテンション弦への交換も行います。
・Fender Duo-Sonic
使用するギターはFender Player Duo-Sonic(フェンダープレイヤーデュオソニック)で、2020年のメキシコ製でカラーはTidepoolです。前後のシングルコイルピックアップにボリュームとトーンを1つずつとシンプルな仕様で音も素晴らしく、しかもショートスケールのため弾きやすい素晴らしいギターです
・ナットの仕上げが雑
とても弾きやすく音も好みで気に入っているのですが、完璧ではなく最も残念なのがナットの角の仕上げが雑でネックを握り込んだ時などにナットの尖った部分がとても気になる事です。他の部分ではピックガードの取り付けネジを強く締めすぎてピックガードが歪んでいる箇所がある事です。この後にサドルのネジの1つにも不良を発見して交換をしています。
・弦をはずす
弦も同時に交換する事にしたのでまずは弦を外します。ナットの角を削るためには弦を外さずにも出来なくはないですが、ヤスリをかけるのでヘッド側だけでも弦ははずした方が楽になります。古い弦は切らずにそのまま外して新しい弦が不良品ではなく演奏してみて問題ないとわかるまでは保管しておきます。
ストリングワインダーとストリングカッター(張る時に)を使います
・ストリングガイドを取り外す
同時にカモメ型からよりチューニングが安定する樽型のストリングガイド(ストリングリテーナー)に交換するためはずしてしまいます。ナットを削るだけの場合はストリングガイドは外さなくてよいです。
・ナットをマスキングする
ナットのバリ取りをするにはヤスリや紙やすりなどでナットを削るので、ネックの木材や塗装を削ってしまわないようにマスキングテープで養生をします。マスキングテープは100円ショップでも手に入ります。養生テープはまず平気だろうと思っている範囲より広めに厚めに貼りましょう。
・ナットを水研ぎする
金属製のヤスリや粗めの紙やすりで一気に削ってしまってもよいのですが、ナットを削りすぎると交換になってしまうので最初から細かい目で水研ぎをしてしまいます。ギターを弾く時はフレット側の角が気になりますが、ヘッド側もバリがあるので前後の両サイドの4箇所を磨いていきます。水研ぎなので磨く時間は少しかかりますが、削り過ぎる事もまずなくなり安全ですし、このあとに仕上げが必要なくなります。ネックの木材部分が平気か確認しながら何度か磨いてバリが気にならなくなればマスキングテープを剥がして完成です。
・ボディを磨く
ギターの弦交換やメンテナンスの時は細かいところまで磨きやすくなるのでボディ全体にワックスがけをしてピカピカに仕上げていきます。ラッカー塗装ではないのでメンテは気軽でボディと指板もメイプルなのでクリーニングにはタートルワックスを使用します。ネック裏はサテン仕上げなのでギブソンギターポリッシュを使用してよりサラサラツルツルに仕上げます。
・ナットにグリスを塗る
弦を外したら毎回やった方がよいのがナットグリスを塗る事です。専用のナットグリスでもよいですが、ミニ四駆用や安価なシリコングリスなどで全く問題なく専用とうたってる商品も中身は一緒です。黒いモリブデングリスを使用していますが、モリブデングリスの良さは塗った部分がわかりやすく乾燥もしづらい事です。シリコングリスの中には乾きやすく粉っぽいのがポロポロと溢れるものもあるので気をつけましょう。
・バランスドテンション弦
Duo-Sonicは出荷時にFender純正弦010-046のゲージが張られていますが、これを009のより細い弦に交換してよりテンションを下げて弾きやすくします。しかもダダリオのバランスドテンションは009-040と3〜6弦が従来の009-042のゲージより細くより押弦もベンド(チョーキング)もしやすくなります。
・古い弦の処理
取り外したり切り取った古い弦は新しい弦のパッケージに入れてしまうと管理も廃棄する場合も楽になります。パッケージに日付を記入しておくと弦の使用期間もわかるようになります。捨てる場合は自治体のルールを確認して袋のまま出すと安全です。
・弦を張る
Fender Player Duo-Sonicはロッキングチューナーではないので通常通りに弦を張っていきます。弦の張り方は何種類もありますが、ポストに2〜3巻して上下で弦の先端を挟む形で巻いていきます。このDuo-Sonicの後に発売されたFender Player Plusシリーズのテレキャスターやストラトキャスターなどは最初からロッキングチューナーになっています。
*この後にFender純正のロッキングチューナーに交換しました(加工無しでポン付け可能です)
・ストリングガイド
Fender やSquier系のギターやベースを手に入れたまず交換するのがストリングガイドです。Fender の上級モデル以外にはカモメ型のストリングガイドが取り付けられているので、これを樽型(筒型)やローラーストリングガイドに交換してチューニングの安定を向上させます。手持ちにGotohのストリングガイド(クローム)とMontreuxのローラーストリングガイドがあり、よりDuo-Sonicに似合いそうなGotohのストリングガイドを使用する事にしました。ストリングガイドを取り付けてチューニングをして問題なさそうであればヘッド側の弦の余りをストリングカッターで切り取って全て完成です。
ゴトーのストリングガイドとモントルーのローラーストリングガイド
・ナットを仕上げて
ナットの角を磨いてスムーズにしたのもあり演奏中にナットに手が触れても全く気にならなくなりました。弦はゲージを下げるだけでなくダダリオのバランスドテンション弦でより弾きやすく押弦もベンドもとても楽になり、ストリングガイドも交換したおかげでチューニングもしやすくなりました。ナットに関してはメーカー出荷時のナットの溝(弦が当たる部分)は少し高めに設定されているので、ストアやリペアマンにナット自体の交換をしてもらうのもありでしょう。メキシコ製フェンダーギターに限らず気になる細かい箇所は修正して自分に合うより弾きやすいギターを目指していきましょう。