【カメラ修理】カメラをメンテナンスするならこれだけ工具を揃えておけば安心です

– カメラを修理する

ジャンクカメラやレンズに興味はあるけど自分では直せないしとか、簡単な事だけでもいいので自分で修理やメンテナンスが出来ればいいのにと思った事がある方も多いと思います。カメラの修理やメンテナンスは車やバイクなどと違いそれほど道具や工具のコストもかからずかなりの範囲の事が出来ます。ここでは100円ショップで手に入る商品も含めて書いていきます。

– 必要な工具

ここでは比較的簡単に手に入る国産の1960年代後半から1970年代中頃までのボディが金属で作られてるカメラを基本として話をすすめます。それ以降ですと基盤化されていて手を入れにくいので初めてのメンテナンスからは候補からはずします。まずカメラの分解に絶対に必要なのはプラスドライバーです。これが無いと1番簡単にはずせるトップカバーも底カバーもはずせません。とてつもなく古いクラシックカメラや東ドイツ時代のカメラを除けばマイナスのネジで組み立てられてられてる事もありません。もう1つはレンズやシャッターのチャージレバーを取り付けるのに使用されている特殊形状のパーツをはずすカニ目レンチで、この2つがあればもう基本的な事は全て行えます。


レンズなどをはずすために必要なカニ目レンチ

フィルムカメラの修理やメンテに必要な工具や液体と電池類などをまとめました

– ドライバー

カメラ修理で必要なドライバーはプラスドライバーが基本です。100円ショップで売っている精密ドライバーでもカメラの分解自体は出来ますが、カメラ分解専用に1本ドライバーを揃えると非常に効率があがります。もしネジの頭を潰して(ナメて)しまうとその後が大変なので、カメラのメンテナンスをする時は1本ドライバーを揃えましょう。これは海外製の高価な物は必要なく、ベッセルのプラスドライバーなど国内メーカーの物は車やバイク用と同様に国産製品のネジの頭にフィットするように作られているので、安価でありながら非常に使いやすく出来ています。私はベッセルのメガドラ細軸ドライバーNo.910 (+0x75)を使用していて他のドライバーが必要ないくらいに気に入っています。


ベッセルのドライバーNo.910(+0x75)

– カニ目レンチ

底蓋などはプラスドライバーだけではずせたりしますが、このカニ目レンチが無いとレンズ名が書いてあるパネルなどがはずせません。カニ目レンチがあれば前側のレンズ(前玉)の清掃など少し込み入った事が出来るようになり、カメラ修理の幅が一気に広がりますので1つは用意しておきましょう。このカニ目レンチも高価な物である必要はありません。ネット通販などである安価なカニ目レンチでもほとんどの修理に使う事が可能です。カニ目レンチは特殊工具で小径の物はディバイダー(両方の先端が針になっているコンパス)で対応出来ますが、レンズ沈胴にあるカニ目リングなどは他の道具では対応出来ないで、カニ目レンチを1つは用意しておきましょう。


手前が尖った針のようになっています


逆側はマイナスドライバーの形状です

カメラのメンテで最初に揃えるべきはHAKUBAハイパワーブロアーです

– カニ目レンチがあると

ミノルタ ハイマチックEなどはレンズ沈胴内のパーツがよく脱落して操作が出来なくなりますが、このカニ目レンチがあれば簡単に修理をする事が出来ます。ほとんどのカメラの前面レンズをはずすためにはまず最初にこのカニ目リングをはずす必要があります。使う時はリングやレンズ自体に傷をつけないように気をつけましょう。

ミノルタ ハイマチックEのISO/ASAリングの修理の記事はこちらです


カニ目レンチがあれば簡単に分解出来ます

– どのカメラを選ぶ

お気に入りのカメラが不調なので直したい方と、これから修理方法を覚えるためにジャンクカメラを探している方がいるでしょう。そこで初めてのカメラ修理でドイツ製の高価なカメラを選ぶ方は少ないと思います。最終目的がそうであってもまずはもう既に捨て値になっている日本メーカーの一眼レフやレンジファインダーカメラを選びましょう。もし壊しても痛くくらいのものから始める方が痛手(心もお財布にも)が少ないです。

・一眼レフ

機械式と言われるミノルタSR-T101やペンタックスSPなどが、シャッターさえ切れれば撮影は確実に出来るので最初に選ぶにはよいでしょう。玉数も多いのでもしパーツを壊してしまってももう1台を簡単に安価で揃える事が出来ます。シャッターが各速度で切れる事を店頭などで確認したジャンクであれば露出計が動かなくても、ファインダーの清掃とモルト(遮光材)の貼り替えだけで撮影も出来るカメラが1台出来上がります。

コニカ C35のメンテナンスの記事はこちらです

・レンジファインダーカメラ

コンパクトでレンズ固定式のミノルタハイマチックEやコニカC35などがよいでしょう。これらのレンジファインダーカメラは機械式ではなく電子式シャッターと露出計が搭載されていますが、メンテナンス性もよく比較的直しやすいです。もし最初の1台であればミノルタハイマチックEの方がボディが大きく中のワイヤが長い分メンテナンスがしやすいです。

ミノルタハイマチックEのメンテナンスの記事はこちらです

– 100均商品で揃える

最近は100円ショップの品揃えも凄くかなりの物が揃います。カメラ修理に使える商品も多く必要な物があったら100均へ行くとよいと思います。

100円ショップの商品を使ってのモルト交換をした記事はこちらです

・アルミトレイ

分解した小さいネジなどのパーツの紛失を防ぐためにアルミのトレイを用意しましょう。はずしたパーツは順番に並べ、修理が長引いてもその後に組み立て直すのが楽になります。


アルミトレイ各種

・スポイトと注射器

カメラのパーツ清掃で無水エタノールやベンジンを使用する事が多いです。液体を瓶ごと使うのはさすがに不便過ぎるので、スポイトや注射器(先端が尖ってないコスメ用)にクリーニング用の液体を少量ずつ入れて使用します。


パーツ清掃に使うコスメ用のスポイトと注射器

・ロータリーカッター

国内メーカーのカメラのメンテナンスで必ず必要になるのが、モルトの交換です。専用のモルトは若干高価ですが、フエルトなどで代替えが効きそれを切り取るのにロータリーカッターは便利です。

C35フラッシュマチックのモルト交換の記事はこちらです


モルトを切るためのロータリーカッター

・接着剤

古いカメラのメンテナンスや修理で困るのはパーツの破損などより、接着剤の劣化によるどこから落ちて来たかわからないパーツの脱落です。1970年代前後の国内メーカーのカメラには小型化するために接着剤で貼られているパーツがかなりあります。40年以上経つとさすがに接着剤が完全に劣化しているので、貼り直す事が増えてきます。Gクリヤーは接着力が強すぎず接着した後に剥がす事も可能なので使い勝手がよいです。


接着剤はこれだけでまかなえるGクリヤー

・モルトの代替品

フエルトがモルトの代替品として使用出来ます。最近のモルトは素材がよくなっていますが、フエルトは安くボディも傷めないので使い勝手もよいです。100円ではありませんが、ベルベットの様なハイミロンと言うクラシックカメラ修理の専門店でも使われている素材も毛羽立たず切りやすく非常にモルトの代替品として使いやすいです。


ベルベットの様な素材のハイミロン

次のページでは清掃に使える液体類やあれば便利な工具についてです(次のページはこちらです)








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