【カメラ修理】ミノルタXEのAE露出調整とメーター針の調整方法をまとめました

・露出メーターの調整をする

ミノルタXEを修理清掃してプリズムも補修しましたが、自動露出が少しずれているようなので調整する事にしました。

・minolta XE

ミノルタXEは絞り優先AE撮影が出来る電子シャッターカメラです。電子シャッターだけに自動露出やシャッタースピードと共にメーターの針の調整などが出来るようになっています。

ミノルタXEの修理の記事はこちらです


修理後は快調に動いています

・プリズムカバーをはずす

ミノルタXEのトップカバーは3分割されているので、中央のペンタプリズムカバーだけをはずすだけで露出やシャッタースピードの調整が出来るようになっています。よく取り外すのでファインダーシャッターのネジを隠す蓋ははずしっぱなしにしています。


カバーを取り外すと基盤が現れます

・マイナスネジで調整する

ペンタプリズムの上には基盤があり、よく見ると7つのマイナスネジがあるのがわかります。このネジを調整する事によって各部を微調整する事が可能になっています。


マイナスネジで露出を調整します

・レンズを取り付ける

露出調整とシャッタースピード調整をするので、XE本体にレンズを取り付けます。絞り優先AEとF5.6に絞り込んだマニュアル露出の両方で調整するのがよいでしょう。


レンズを取り付けました

・整備マニュアルを読む

これが悲しい事にこのメーターや露出調整に関しては、読んだブログの全てが間違えていました。ミノルタXEには説明書とは別に車やバイク整備のような整備マニュアル(サービスマニュアル)があるので、メーターや露出調整の方法を調べてから調整します。

・露出を調整する

AE(オート)撮影時のシャッタースピードは左側上から3番目のネジを回して調整します。シャッタースピード測定器を持っている方は少ないと思うので、1秒でのタイム差と1/1000でシャッター幕が開いているかを電球などを覗いて確認する方法で大体のシャッタースピードは合わせられます。暗い時(室内など)の露出調整は左側の上から4番目(一番下)、明るい時(屋外など)の露出調整は右側の2番目(真ん中)のマイナスネジで調節します。

*実際の撮影ではカメラの全てのパーツが古くなっているので、1/1000はなるべく使用しない方が動作も安定します(追記:先幕調整方法に関する貴重な情報を寄せてくれた方がおりますので、下のコメント欄を参照してください)


回す箇所を間違えないようにしましょう

・他のネジは触らない

他の調整用のネジは特殊な機材が必要になるので適当にいじらないようにしましょう。ISO(ASA)感度などが測定上ずれていても露出調整やメーター針の調整でそのズレを吸収出来て問題なく撮影出来る範囲に収める事が出来ます。


外したを取り付けて完成です

・再調整する

実際に様々な状況で撮影をしてみると絞りの値に対してのシャッタースピードは合っているようですが、ファインダーを覗いた時のメーター内の針が少しずれているようなので再調整する事にしました。こういう場合に分割式のトップカバーは便利で気軽に調整が出来て便利です。


再度メーターを調整します

・メーター針を調整する

メーター針の位置は左側の上から2番めのネジを回して調整します。他のカメラの露出や単体露出計(もしくはアプリなど)が示す値と比べながらメーターを調整します。CdSやパーツや劣化により室内などの暗い場所での1/30以下のスローシャッターの自動露出の反応がよくない事があるので、暗部での露出はあまり気にせず屋外の1/125から1/1000までが正しく示すかを重点的に調節するとよいでしょう。


メーター針を調整しました

・撮影してみて

屋外と室内での露出調整を数回繰り返しメーターの針を合わせて撮影し現像したフィルムを見てもミノルタXEの自動露出に問題ない事を確認しました。確認の撮影をする場合は絞ったり開放にしたり、シャッタースピードも遅めと速めとバリエーションを付けて撮影するとトラブルが洗い出しやすくなります。数本フィルムで撮影してもトラブルもなく安定して撮影が出来るようになりました。


より快調になりました

・追記(2022年12月27日)

シャッタースピード1/1000だとまれに写真に黒い幕が映り込む事があり、AEでは針が振り切れない範囲でマニュアルでは1/500以上ににはせず撮影していました。この度ミノルタXEのSS1/1000を安定させる先幕の設定方法を投稿して頂いたので、下のコメント欄を参照して調整の方を試してみてください。







【カメラ修理】ミノルタXEのAE露出調整とメーター針の調整方法をまとめました」への2件のフィードバック

  1. XEの基盤の露出調整は、サービスマニュアルを参考に私も行いました。
    デジタルテスターで可能な限り行いましたが、中々の曲者で時間が掛かりました。サイトで見かける調整では、高照度と低照度の調整箇所が真逆になっていたりと、間違ったものが多かったですね。結局、露出が気に入らずその都度調整をやり直して、3年経って納得出来る露出になりました。
    さてオート1/1000秒が正常なら、マニュアルの1/1000秒も確認された方が良いかも知れません。私の個体はマニュアル1/1000秒で先幕が走り切っておらず、出来上がった写真の上部1/5が陰ってました。
    調整は、アップされておられる基盤の右側の1番下の抵抗を、時計回りに回すと早くなります。私も明かりにかざして調整しました。

    1. 貴重な情報をありがとうございます。1/1000で幕の影が入ることがあったので、記事内にも情報として追記をさせてもらいました。

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