・セルフタイマーのレバーが折れる
各部をクリーニングし修理調整し調子がよかったミノルタXEですが、なんとセルフタイマー用のレバーが根本から折れました。他のジャンクカメラからパーツを取り出す事も出来ますが、まずはパーツを修正してみる事にしました。
・minolta XE
これまで分解修理と露出調整を済ませて快適になっていたミノルタXEですが、セルフタイマーレバーに触れたら根本からボキッと折れてしまいました。特にセルフタイマーは撮影に使用しないのですが、見た目が残念になるので修正する事にしました。
【カメラ修理】ミノルタXEを接点クリーニングで安定化させてプリズムを修正して更にモルトを張り替えました【ジャンクカメラ】
・クラシックカメラの基本
ライカやローライフレックスを扱うクラシックカメラ店などではセルフタイマーは使わないようにとよく言われます。これは他の部分が完調でもセルフタイマーが途中で止まって撮影が出来なくなる(要は壊れる)事があるからです。この他にクラシックカメラの格言的には動いている部分は触らない(修理しない)と言うのがあります。
・カニ目レンチが必要
セルフタイマーレバーが取付られている部分は小さな穴が2つ開いていて取り外すにはカニ目レンチが必要になります。(細いピンセットでもいけると思います)
・養生する
取り付けネジの頭部分に工具で傷が付かないようにマスキングテープで養生してからパーツを取り外します。かなりサイズが小さいですが吸盤オープナーでも傷つけずにパーツが取り外せます。
・パーツを取り外す
カニ目レンチで取り付けネジをはずすとあっさりとレバーの根本がはずれます。パーツは無くさないようにアルミトレーなどに載せておきましょう。
・折れたパーツを接着する
セルフタイマーの折れたレバー部分を瞬間接着剤で接着しますが、確実に接着出来るようにパーツの汚れや油などを取りのぞくために脱脂をします。パーツの脱脂には無水エタノールを使用しますが、除菌ティッシュでも代用が出来ます。
・接着しても折れる場合は
先に書いておくと今回のケースでは瞬間接着剤で問題なくセルフタイマーのレバーを使用出来るようになりましたが、折れる角度などによって接着剤ではくっつかない場合があると思います。その場合は細いピンバイス(ドリル)で折れたパーツの接着面に穴を開けて太めのワイヤーや鉄の棒を差し込んで接着するとよいでしょう。
・部品取り用ジャンクカメラ
ワイヤーを使用してもレバーがバラバラになってしまう場合は別途パーツ取り用にジャンクカメラを用意して折れていないレバーと交換してしまいましょう。スペアのジャンクカメラがあるとパーツの取り付け向きや動く場合のパーツやギアの位置などがわかり修理にも役立ちます。
・ファインダーシャッターのネジカバー
セルフタイマーのレバーの接着を待つ間に取り外していたファインダーシャッターレバーの取り付けネジにカバーを取り付けます。これまでは露出調整やファインダーの清掃のためにペンタプリズムカバーをよくはずすためカバーを外しっぱなしにしていましたが、露出も安定して撮影出来るようになり頻繁にカバーを取り外さなくなったのでこの機会に塞いでしてしまいます。
・ネジカバー接着の用意をする
小さいネジカバーを指でつまむと手の脂が付いてしまうので、ここでも無水エタノールで脱脂します。指紋と指の油が付かないようにピンセットなどでネジカバーをマスキングテープの上に置いて接着剤を塗ります。パーツを摘むピンセットは手を離している状態で自動で閉まっている逆作用ピンセットが便利です。ネジカバーは次回の整備の際に取り外しする必要があるので接着の弱いGクリアで取り付けます。
マスキングテープの上にネジカバーを置いてから接着剤を塗ります
・ネジカバーを接着する
ネジカバーを指で触らないように取り付けます。Gクリアは接着力が弱いので取り付けてはみ出した部分は簡単に取れます。
・セルフタイマーレバーを取り付ける
セルフタイマーレバーを24時間以上放置して乾かしたのでカメラ本体に取り付けます。取り付けの時もネジの頭には養生をしたままにしておくと綺麗に取り付ける事が出来ます。この手の古い小さいネジは力を入れると金属疲労で折れてしまう事があるので、あまり強いトルクで閉めないようにします。特にカニ目の特殊ネジなどはまず手に貼らないのでパーツは丁寧に取り付けるようにしましょう。
・セルフタイマーレバーを修理して
強度的に瞬間接着剤での修正はどうかなと思いましたが、根本の太い部分で接着したのもあり全く強度的に問題なくセルフタイマーレバーを修正する事が出来ました。40〜50年もしくはそれ以上経っているクラシックカメラ、特にプラスチックパーツは劣化しているので無理に力を入れたりせず丁寧に使うことを心がけましょう。