【カメラ修理】カメラをメンテナンスするならこれだけ工具を揃えておけば安心です

最初から読む場合はこちらです

– 清掃に使用する液体類

カメラの修理などの事を調べると無水エタノールやベンジンと言うのがよく出てくると思います。これは基本でもあり幅広く使えますし、時にはこの液体でパーツを清掃するだけで直ってしまうカメラもあるので用意しておきましょう。

・無水エタノール

エタノールとはなんだろうと思う方もいると思いますが、除菌ティッシュや手の除菌スプレーなどにも入っている成分で除菌やクリーニングなどに使用出来ます。無水エタノールはボディからパーツ洗浄まで幅広く使えますし、接着剤やカメラボディに貼られているレザーをはがすのにも使用出来るので1つは用意しておくとよいでしょう。使う時は100円ショップにあるコスメ用の注射器に入れて少量ずつ出して使いましょう。無水エタノールは蒸発はするのですが、注射器に入れておいても蒸発して無くならないので大きめの注射器を使用しても問題ありません。注射器に入れる時は元の液体の純度が落ちないように、小さい容器に移してから注射器に入れるとよいでしょう。ちなみにエタノールは加水分解でベトベトした部分を清掃するのにも向いているので、プラスチックボディのカメラなどの加水分解をどうにかしたい方は一度除菌ティッシュ(毛羽立たず拭きやすいです)に無水エタノールを含ませて拭くのを試してみて下さい。


無水エタノール


コスメ用注射器に入れて使います

・ベンジン

ベンジンは油分を落とすのでオイルやグリスが付いた金属パーツの洗浄に使用出来ます。車やバイクのメンテナンスに使用するスプレーのパーツクリーナーと同等の効果がありますが、他の潤滑成分などが入っていたりするとカメラ内部にはよくないので、パーツクリーナーなどは分解して個別にパーツを洗浄する以外に使用するのはやめておきましょう。スプレーなどは飛び散るのでレンズシャッターカメラのシャッターなどにかかると大事になってしまいます。ベンジンはすぐ蒸発してしまうので使う分の少量だけを細いスポイトに入れて使用すると便利で無駄もありません。


ベンジンは薬局などで手に入ります


スポイトに入れたベンジン

– 注油とグリスアップ

古いカメラですと注油やグリスアップの必要が出てきます。注油用にはミシン油などが良いと言われますが、心配であればカメラ専用の物を選ぶのがよいと思います。グリスはシリコングリスやリチウムグリスなど各種ありますが、シリコン系は乾くとカスが出やすいので、モリブデングリスを使用しています。モリブデングリスの色は黒く見栄えはしませんが、どこにどれだけのグリスを使用したかがすぐ確認出来て清掃もしやすく機械系のメンテナスにはとても使いやすいです。

– レンズ清掃

レンズをクリーニングするにはレンズを傷つけないためにも専用の物を使用しましょう。フジフィルムのレンズクリーニングペーパーは薄いあぶらとり紙の様な素材で毛羽立たず非常に使いやすいです。同じフジフィルムのレンズクリーニングリキッドもカビから汚れまでよく落ち常用しています。HCL(堀内カラー)のレンズクリーニングペーパーはフジフィルムのより厚みがあり綿のように水分を吸い込みやすい素材なので、レズのクリーニング用ではなくパーツの乾拭きや油分の吸い取りに使うと便利です。


フジフィルムのレンズクリーニングペーパーとリキッド


HCLのレンズクリーニングペーパー

– あったら便利

基本的な部分の修理やメンテナスで絶対に必要なわけではありませんが、カメラの修理分解にあったら便利、もしくは場合によって必要になってくる道具があります。特にテスターは電池容量のチェックや配線の通電確認に使えるので1台あると便利ですし、場合によっては配線が切れてしまう事があるので半田ごてセットは1つあると便利です。ただ、先に全てを用意しておく必要はなく、その工具などが必要な状態になってから用意すればよいと思います。

・レンズサッカー

奥まったレンズを傷と指紋を付けずに安全に取り出すための特殊工具です。スポイトを使用してレンズを吸い付けて使用します。取り付ける時もレンズを丁寧に入れる事が出来るのでレンズやレンズ固定式のカメラの分解をする場合にはあると便利です。


UNのレンズサッカー

・テスター

機械式カメラだとしても露出計に電池が使用されていたり、配線が張り巡らされているカメラが多いです。テスターがあると通電しているかの確認が簡単に出来るので便利です。ほとんどのテスターに電池チェッカーがついているので、使用している電池の容量が足りているかカメラに入れる前に確認すれば電池切れで動かないと言うトラブルを避ける事が出来ます。これもカメラの修理用であれば高級な物を用意する必要はありません。ほとんどの格安のテスターに通電と電池チェックの機能はついているので、カメラ修理やメンテナスには十分使えます。

テスターを使用して修理した記事はこちらです


テスター

・ワイヤーストリッパー

配線が切れたり入れ替える時に1番必要になる工具がワイヤーストリッパーです。細い配線のゴム部分をカッターで剥ぐのは効率も悪く、コニカ C35の様な配線類が短いカメラだと失敗が許されないので、配線の半田づけなどが必要になったらワイヤーストリッパーを用意しておきましょう。これも最高級品は必要なくベッセルのワイヤーストリッパーが非常に使いやすく常用しています。普通のカメラに使用されているの配線や普段他の事に使うのであれば、ベッセルの赤い方を1つ用意すれば十分です。カメラや他の特別に細い配線専用にするのであれば黄色い方を選ぶとよいでしょう。


ベッセルのワイヤーストリッパー

・半田ごて

これが無いとさすがに基盤などからはずれてしまった配線を取り付ける事が出来ません。最近は100円ショップでも半田ごてを売っていたりしますが、それほど高価な物でもないですし電気を使う商品はきちんとしたメーカーの物を揃える事をおすすめします。


ペン型の半田ごて

– 乾燥剤

なんで乾燥剤がと思う方もいると思いますが、修理が長引いているカメラを防湿庫に毎回出し入れをしたくないですし、湿度の高い部屋などに分解したカメラを放置したくもありません。カメラやレンズをカビさせたりしないためにも修理中のカメラにはクロスをかけたり袋に入れたりした中に乾燥剤を入れて保管します。

乾燥剤を使用した防湿ボックスの記事はこちらです


乾燥剤

– まとめ

失敗なく何かを覚える事は出来ないですし、カメラのメンテナンスや修理をしている間にパーツを傷つけたり壊してしまう事は絶対に起こります。もし初めてカメラ修理に挑戦する場合は壊してもいいやくらいの感覚で始めて慣れてきたら精度を上げていけば良いと思います。仮にパーツに傷がついてしまっても自分で直したカメラで撮影するとまた別格なので、この機会にカメラのメンテナンスや修理に挑戦してみてはどうでしょうか。









コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です