・ジンバルで動画撮影
カメラを持ったまま走っても揺れない動画が撮れるジンバルですが、より安定して撮影が出来るようにパワーがあるジンバルを導入しました。
・Zhiyun Weebill S
今回購入したのはZhiyun Weebill Sで、動画撮影用の3軸ジンバルです。フルサイズミラーレスにも対応したジンバルの中ではパワーがありながらコンパクトで軽量になっています。
・余裕のパワー
フルサイズミラーレスや一眼レフにも対応しているパワーのあるジンバルです。重めのレンズや長さがあって前よりのバランスでもカメラ全体を後ろに下げられるためバランスが取りやすくなっています。
・設定は慣れが必要
バランス取りと設定は何をするのか理解すれば難しくないですが、きちんと説明書を読んでから使用開始しましょう。ジンバルを持って移動後に再設定するにしても慣れれば設定はあっさりと終わります。
【レビュー】Zhiyunのジンバル用フォーカスモーターをWeebill Sに取り付けてMFレンズを手元でコントロールしながら動画撮影を出来るようにしました
・コンパクトな設計
コンパクトにした状態で各アームをロックが出来るのでバッグに入れる時に楽で安全に持ち運べます。
・専用ケース
正規店のキャンペーン中に購入したため、オプションのケースが付属していました。パッケージに入っているケースもよいですが、精密機器だけに安全な保管と持ち運ぶ事を考えると専用ケースの方が安心です。
専用だけにぴったりとハマります(電池は2セット入れる場所があります)
・バッテリーは長持ち
Weebill Sのバッテリーは18650リチウムイオンバッテリー充電池を2本使用します。実際に撮影でWeebill Sを半日使用してバッテリーの目盛りが1つ減ったのみなので通常の使用ではすぐにバッテリーが切れる事もないと思います。ジンバルは搭載した機材とのバランスが取れているとバッテリーのパワーを最小限しか使わないのでバッテリーライフが伸びるので設定はきちんとしておきましょう。
・スペアバッテリーに注意
念の為スペアバッテリー を用意する場合も18650電池は格安のがあるものの、様々なサイズと容量の違い、そして保護回路ありとなしがあるので選ぶのが大変です。Weebill Sに使用する場合の18650電池は長さ67mm以下でボタントップ(ニップルトップ)型のでないと本体電池端子部分が引っ込む形状になっているので使用が出来ません。どの18650にしたらよいか不安な場合は素直に純正バッテリーを購入しましょう。
・バッテリーケース
18650電池はパワーがあるだけにそのまま放置するのは危ないのでケースに入れて保管しましょう。ジンバル自体を長期間保管する場合は電池を外した方がよく、専用ケース(電池が2セット入ります)が無い場合はプラスチックのケースなどに入れるとよいでしょう。ちょうど中判カメラの120フィルム用ケースがあったので使ってみる事にしました。この後に18650バッテリーの専用ケースに入れ替えました。
・付属品を見てみる
各メーカーのカメラに接続出来るようにUSBのケーブルなどが付属しています。カメラによっては撮影スタートや絞りやISOの値などが手元で変更出来るようになります。
・使用状態に変形させる
Weebill Sの良さは仕舞う状態でも使用する状態のどちらでも全ての軸をロックさせる事が出来る事です。これでケースに入れるのもカメラを載せて設定するのもとても楽になります。
ローアングルの場合はハンドルを付け替えます(この後にSmallRigのハンドルにしました)
・設定用のネジ
締め付け用のボルト部分はラチェット式になっているので引っ張って回転すると締め付けが楽になります。閉めた後に間違って触っても緩まないようラチェットの向きを変えておくとより安定した撮影が出来ます。
・カメラ取り付けプレート
マンフロット互換のプレートに直接カメラを取り付ける事も出来ますが、レンズが太い場合などのために高さを調節するプレートが別途付属しています。クイックリリースではないため一度ネジ止めしてしまうとカメラを取り外すのはかなり面倒になるので、別売りのアルカスイス対応のクイックリリースなどに変更するとより使いやすくなります。
この状態で使用します(使う時は先にカメラに取り付けておきます)
・アルカスイス対応にしてみる
付属のパーツでネジで固定してしまうとカメラの取り外しづらくなるのもありアルカスイスのクイックリリースを取り付けてみました。メーカー側もユーザーがアルカスイス対応にするであろう事を想定して設計しているようです。ジンバル用の改造パーツがSmallRigなどから出ていて、DJI Ronin RSC 2などだとかなり細かくアップグレード出来るようになっています。この後により小型なUlanziのクイックリリースにして最終的にはSmallRigのジンバル向けのアルカスイスクイックリリースに入れ替えました。
クランプを取り付けました(実際に使用する際には90度回転させる事にしました)
・Zhiyun Crane M3と比べてみる
同じZhiyunのコンパクトなジンバルであるCrane M3と比べてみます。Crane M3はコンパクトながらパワフルでフルサイズミラーレスにも対応しますが、大きめで長めのレンズだとさすがに厳しくなってきます。
・カメラバッグで持ち運べる
Weebill Sは仕舞う状態にして各軸をロック出来る事です。軸をロックしているのでジンバルが動く事もなく安定して持ち運ぶ事が出来ます。ハクバのカメラ用のトートバッグに入れてみると大きさに余裕があり、カメラとレンズを入れた状態でも楽に入りました。ハクバのトートバッグはカメラバッグに見えないのにクッション性が高く普段使いも出来ておすすめです。
・SIRUIアナモルフィックレンズ
使用するのはSIRUIが販売しているインディフィルムメーカー向けのシネマレンズです。映画のような横長フォーマットで撮影が出来る本格的なアナモルフィックレンズにも関わらず通常のレンズの価格に抑えた個人映像作家をターゲットにした素晴らしいシリーズのレンズです。カメラはフジフィルムX-T30 IIで4K Log撮影もこなす普及価格帯のカメラでは考えられないほど高性能なミラーレスカメラです。
フジフィルムX-T30 IIとSIRUI Anamorphic 50mm F1.8です
・キャリブレーションする
実際に動画を撮影する状態でキャップなどははずし、可変NDフィルターを取り付けた状態でジンバルに載せて設定をします。ジンバルの3軸でバランスを取ったらスイッチをジンバルの入れて十字キーを下、右、右と押すと自動設定に入り簡単に設定が完了します。
・唯一の残念なポイント
唯一の残念な部分はレンズサポート部分が上下まっすぐにしか調整出来ない事で、しかもレンズサポートのざぐり部分の形状の設計ミスで一番上まで移動しません。カメラの三脚取り付けのネジ穴が真ん中に無い場合はレンズサポートの曲線に合わせる事は出来ず。これはWeebill-S側とX-T30 IIの両方の問題で、Zhiyunはレンズサポートを回転して調整できるようにするべきで、フジフイルムはこのジンバルが主要なツールになっている現状では三脚穴を真ん中にすべきだと言う事です。アルカスイスなどのプレートで横にスライドさせればセンターは出ますが安定度は下がります。キャノンはその辺さすが老舗でEOS RPやEOS M6などミラーレスカメラの三脚取付け部はセンターに付いています。
・実際に撮影してみて
Zhiyun Weebill SはSirui 50mm F1.8など重めで全長が長く前よりバランスになるレンズでもボディ全体を下げる事が出来るので問題なくバランスが取れてパワーにも余裕があり、安定した撮影が可能になります。ハンドルを付け替えててのローアングルも含めて非常に使いやすく、本体もコンパクトなためカメラバッグにも入ってしまいます。撮影現場でトラブルを減らすためにもジンバルは使用する機材を余裕で載せられるものを選んだ方がよいでしょう。この後にフォローフォーカスも追加して手元でフォーカスのコントロールが出来るようして、SmallRigのパーツでハンドルやクイックリリースなどをアップグレードして動画撮影を楽しんでいます。