・自動絞りでマクロ撮影をする
これまで使用していたミノルタ純正のエクステンションチューブでは自動絞り非対応で実絞りでマクロ撮影をしていました。そこで同じミノルタのAE撮影時の自動絞りに対応しているMCオートエクステンションチューブに入れ替える事にしました。
・ミノルタMCオートエクステンションチューブ
MCオートエクステンションチューブはSRマウント(MCマウント、MDマウント)のレンズでマクロ撮影をするための延長チューブです。古いタイプのマクロリングとは違い開放測光を使用して自動絞りのAE撮影に対応しています。今回手に入れたのは28mmの延長リングで、他には14mmと21mmのサイズもあり長さに関係なく複数重ねる事が可能です。
・自動絞り対応
MCオートエクステンションチューブの最大の特徴はSRマウントでのAE撮影用の爪が付いている事です。これはカメラボディ側に付いている自動絞りの機構をそのまま延長する形になっているため、SRマウントの自動絞り対応レンズであれば開放測光で自動絞りのままマクロ撮影が可能になります。
・旧型の延長チューブとの比較
これまで使用していたミノルタのエクステンションチューブはレンズマウントを延長するだけのシンプルなマクロリングです。旧型もマクロ倍率が高く便利ではあるのですが、自動絞りに非対応で実絞りでの撮影になるためF5.6などに絞るとファインダーが暗くなってしまいます。
左はミノルタエクステンションチューブ(MCオートの長さに合わせて短くしています)
・長さ調節が可能
旧型のエクステンションチューブは単純な機構でセットになっているため、1つ持っていれば長さの組み合わせを変えて調節が可能になっています。MCオートエクステンションチューブの方も複数用意すれば重ねて自動絞りのままマクロ撮影の倍率を上げる事が可能です。
・カメラに取り付ける
修理して完動になったミノルタXE-1にMCオートエクステンションチューブを取り付けてみます。カメラがAE撮影対応以降の機種のため機能制限なくマクロ撮影をする事が出来ます。ミノルタXE-1は珍しいカメラでXEの欧州版(北米版はXE-7)になり機能はXEと全く同じですが、カラーがシルバーになっています。ジャンクカメラで手に入れて修理と整備をして機能完調になっています。
ミノルタXE-1にMCオートエクステンションチューブを取り付けました
・レンズを取り付ける
レンズはミノルタMC Rokkor – PG 50mm F1.4を取り付けてみます。一眼レフ用レンズはレンジファインダー用レンズよりは寄れるのが多いとは言えオールドレンズだけに現代のレンズ(デジタル補正しているからですが)に比べると接写が出来ません。MCオートエクステンションチューブを取り付けるとオールドレンズでもマクロレンズ化する事が出来て撮影の幅が広がります。ただ、マクロリングを使用すると無限遠でのフォーカスが合わなくなるので、マクロ撮影を開始したら風景は撮らないと割り切った方がよいでしょう。
・広角マクロを試してみる
フィルム時代は広角レンズと呼ばれた28mmのMD Rokkor 28mm F3.5を取り付けてみます。(デジタルでは動画需要から24mm以上が広角とされています)2010年頃にデジタルカメラの世界では広角マクロが流行り、それから広角レンズは寄れて当たり前となりました。デジタルカメラのレンズはデジタルでの補正が前提になっていますが、フィルムで補正なく広角マクロ撮影をしてみるのも楽しいです。
ミノルタMD Rokkor 28mm F3.5の最短は0.3mなのでかなり寄れます
・ミノルタXEに取り付ける
ミノルタXE-1の日本版がXEで同じ機能ですが、こちらにもMC Rokkor 50mm F1.4をMCオートエクステンションチューブ経由で取り付けてみました。ミノルタXEに限らずマクロリングも含めてブラックでまとめると格好がよいです。
ミノルタXEにMC Rokkor 50mm F1.4の組み合わせ
・ミノルタSR-T101に取り付ける
MCオートエクステンションチューブは自動絞りに対応しているので、機械式カメラのミノルタSR-T101にも使用する事が可能です。SR-T101はAE撮影には対応していませんが、開放測光でシャッタースピードさえ合わせてしまえば自動絞りでマクロ撮影出来てしまいます。
・実際に撮影してみて
MCオートエクステンションチューブをカメラに取り付けてマクロ撮影してみると、やはり開放測光でファインダーが明るいまま(延長チューブ分は暗くなります)撮影出来るのはとても便利です。特に古いフォーカシングスクリーンでスプリットだとF5.6以下の明るさになると黒つぶれしてしまうので、フォーカスもとても合わせやすくなります。延長チューブも長過ぎなければ手持ちでも何とか撮れるので、フィルムカメラでのマクロ撮影を試してみてはどうでしょうか。