・ジャンクカメラを整備する
本体は綺麗なもののジャンクカメラとしてワンコインで手に入れたミノルタXE-1が機関完調とは言え、より長く使えるように劣化した細かい部分などを整備清掃する事にしました。
ページ1：ミラーボックスの清掃（このページ）
ページ2：ISOダイヤル基盤の分解
ページ3：シャッターレバー周りの分解
ページ4：モルト交換と底カバー分解
ページ5：プリズム清掃と露出調整
・minolta XE-1
ミノルタXE-1はミノルタXEの欧州版で本体がシルバーとレアな一眼レフフィルムカメラです。電子シャッターカメラで絞り優先AEが使用出来て機能も優れ、特に巻き上げのスムーズさなどから質感の高さと共に高級感がある素晴らしいカメラです。ジャンクカメラで手に入れたものの電池を入れると各部完調でしたが、長く放置されてマウント側などに汚れ等あるのでモルトの交換などと共に整備する事にしました。
程度のよいミノルタXE-1シルバー
【カメラ修理】ミノルタXEを接点クリーニングで安定化させてプリズムを修正して更にモルトを張り替えました【ジャンクカメラ】
・ミラーボックスの劣化
機関完調とは言えボディキャップもなくジャンクカメラとして放置されていたせいか残念ながらミラーボックスの特に横の部分が両方とも白浮きしていました。
ミラー横がかなり白くなっています
・まずはブロワー
カメラの整備をするにはトラブルを減らすためにゴミやチリをまずブロワーで飛ばします。ミラーボックスを綺麗にするためにはレンズマウント側を下にしてゴミを出して、ブロワーでチリなどを飛ばします。細かいチリが奥に入ってトラブルの元になるので、ブロワーの基本的な使い方は吹くのではなく吸い込むのに使用します。
ハクバハイパワーブロワーでゴミを飛ばします
・無水エタノールで清掃する
パーツやボディ等の清掃には無水エタノールを使用します。パーツクリーナーはオイルや潤滑剤が入っているので使わないようにしましょう。取り外したパーツのオイルを取り除くにはベンジンなども使用します。液体類を使用する際は量が多いと細かい部分に回り込んでしますので、コスメ用のインジェクター（注射器）で最小限の量で使用するようにしましょう。
無水エタノール、ベンジン、コスメ用注射器
・ミラーボックスをクリーニング
無水エタノールを綿棒の先端に付けミラーボックスのサイド部分を擦るととんでもなく汚れていました。
少し拭いただけで綿棒が真っ黒になりました
白い汚れが取れてきました
クリーニングを続けると真っ黒に戻りました
左右でかなりの本数の綿棒を使いました
ミラーボックスの清掃が完了しました
・ミラーをクリーニング
一眼レフと名付けられているだけにリフレックスミラーの状態が重要になってきます。ミラー自体はそれほど劣化していませんでしたが、この機会に綺麗にしてしまいます。光学系のガラスやミラーのクリーニングにはフジフィルムのレンズクリーニングペーパーとレンズクリーニングリキッドを使用します。フジフィルムのレンズクリーニングリキッドはレンズの汚れだけでなく多くのカビも取れるのでジャンクレンズの整備にも最適です。ミラーは蒸着されているため強く磨くと剥がれてしまうので、竹串、爪楊枝や綿棒にレンズペーパーをまきつけて軽く磨き、強い汚れがある場合だけリキッド系を使うようにします。
フジフィルムんのレンズクリーニングペーパーとリキッド
ミラーを綺麗にしました
・電池ボックスを清掃
電池蓋を開けて電池の接点を清掃します。元々動いているカメラですが無水エタノールで拭くとかなり汚れていました。ラジコンやミニ四駆が好きな方はナノカーボンなどを接点などに塗るのもよいでしょう。たまに大手カメラストアでデジタルカメラの本体やレンズの接点クリーニングサービスなどありますが、無水エタノールで拭いてナノカーボンを塗ってるだけで自分でも簡単に出来ます。
電池ボックスを清掃しました
・電池ボックスのトラブル
ボタン電池を使用するフィルムカメラの電源が入らないトラブルの多くはボタン電池の液漏れからくる電池ボックス内の腐食です。SR44などになってから電池のクオリティがあがり液漏れはかなり減りましたが、MR-9（H-D）やHM-N（NR52）電池使用のカメラではよく液漏れがあります。これはきちんとしたアダプターではなくアルミホイルを巻いて通電させたりするのが原因の事も多いです。アルミホイルは電気を通すために作られてないのでガスや熱が出たるのでカメラには絶対に使用しないようにしましょう。
