・フィルムでマクロ撮影
フィルムカメラでマクロ撮影をするには専用のマクロレンズを使用するだけでなく、延長チューブを使用する事で撮影倍率を上げた写真が撮れるようになります。整備をして完動品となったミノルタXE-1に延長チューブを取り付けてマクロ対応にする事にしました。
・ミノルタエクステンションチューブ
ミノルタ純正のフィルム一眼レフカメラで使用するSRマウント(MC、MDマウント)用のエクステンションチューブ(延長チューブ、マクロリング)で、レンズとボディの間に取り付けて最短距離を短くするマクロ撮影用のパーツです。リングの組み合わせでレンズまでの長さを変えて最短距離を調整することが出来る便利なアクセサリーパーツです。
・レンズを延長する
デジタルカメラになりマウントアダプター経由でマニュアルフォーカスのオールドレンズを使用する以外で普通のレンズに延長チューブを使用してマクロ撮影をする事は減りました。オートフォーカス以前のフィルムカメラではマウントに電子接点もなく、延長チューブ自体も前後にマウントあるだけのシンプルな作りです。(自動露出に対応したMCオートエクステンションチューブもあります)
・露出が変わる
マクロ延長チューブは短いものはそれほどでもないですが、リングを伸ばしていくと露出係数がかなり変わってきます。単体露出計を使用している場合は説明書にある露出係数を加味してシャッタースピードなどを決める必要があります。
・測光が実絞りになる
エクステンションチューブでは絞りを動かすピンに対応していないため、絞り優先AEが使用出来なくなります。エクステンションチューブを使用して露出を決める場合は実際の絞り値に合わせての実絞り測光になるのでファイダーの画面も暗くなってしまいます。
・ミノルタXE-1に取り付ける
マクロリングを最長まで伸ばした状態でミノルタXE-1に取り付けて、レンズはMC Rokkor 50mm F1.4を取り付けました。単焦点の通常のレンズのため明るいレンズをマクロレンズとして使用出来るメリットは大きく、描写が気に入っているレンズをマクロレンズとして使用する楽しみが増えます。
ミノルタXE-1とMC Rokkor 50mm F1.4の組み合わせ
・三脚必須
ISOが12800など高感度に楽に変更出来たるデジタルカメラと違って通常のフィルムでリングが長い組み合わせでは手ブレは確実なので三脚を使用が必須になります。最新のデジタルカメラでは高性能なボディ内手ブレ補正がついているので、以前では無理だった手持ちでの高倍率マクロ撮影を試してみるのも面白いです。
・レンズを守る
高倍率のマクロ撮影ではレンズ先端が花などの撮影対象物に触ってしまうので、フードを取り付けた方が安全に撮影が出来ます。フィルム撮影で使用するスカイライトフィルターは効果が大きいので、マクロ撮影中はフィルターをつけっぱなしにするのもよいでしょう。
・最短状態で使用する
中間リングを取り外して最短状態にしてみました。リングが最短の状態でもかなり最短撮影距離は短くなりながらも全長は押さえられ、手持ちでの撮影には実用的な組み合わせです。
・フードを取り付ける
最短状態でもかなり撮影対象物に近づけるのでフードを取り付けて撮影する事にしました。
・撮影してみる
実際にISO100のフィルムを入れて撮影すると、晴天で最短の組み合わであればなんとか手持ちで撮れる組み合わせです。さすがにこれ以上リングを延長すると手持ちでは撮影出来ずですが、三脚を使用すると普通のレンズとは思えないほど接写が出来て面白い写真が撮れるようになります。マクロレンズを手に入れるのもよいですが、お気に入りのレンズをエクステンションチューブでマクロレンズ化するのもおすすめです。