・シューカバーが無いカメラ
中古のフィルムカメラを購入するとシューズカバーが付いていたりなかったりします。フラッシュを使う機会も減っている状態でホットシューの端子をむき出しのままなのもどうかと思い、まずはコンパクトカメラからシューカバーを取り付ける事にしました。
・ホットシューカバー
今回使用するのはニコンアクセサリーシューカバー BS-1です。プラスチック製で価格も安価ですし、少し加工すればほぼ全てのカメラに使用が出来ます。
・Nikon BS-1
Nikonはいまでもフィルム時代のアクセサリー類、フォーカシングスクリーンやアイカップなどを販売していて助かります。Nikon BS-1はCanon EOS RPやFujifilm X-T30 IIに無加工で取り付けられます。
Canon EOS RPのアクセサリーに関する記事はこちらです
・MINOX 35GT前期型
まずはMINOX 35の中でも台数が多いMINOX 35GTです。MINOX 35GTも2種類ありISO 800まで対応の前期型で底面を見るとわかります。MINOX 35GTには購入時からホットシューカバーが取り付けられていました。
・専用シューカバーの意味
まずはなぜカメラによって専用のホットシューカバーが必要かはホットシューカバーとホットシューをを見るとわかります。MINOX 35GT前期型の場合はホットシューカバーの左側に切り欠きがあり、そこがホットシューにあるスイッチを避けるようになっています。この特殊な形状なおかげでホットシューカバーを取り付けてもカメラ側がストロボを取り付けていると勘違いしない、もしくは自社の純正ストロボ以外が取り付けられたか認識ようになっています。
ホットシュー左側にスイッチがありここを避けるようになっています
・古いカメラとデジタルカメラ
ホットシューというのは電子接点があるタイプで何もないのはコールドシューです。古い一眼レフカメラのミノルタSR-T101などはコールドシューなので接点もスイッチもなくBS-1などシューカバーを取り付ける場合もスイッチ部分を削る必要はありません。フィルムカメラでもAFのEOSなどになるとホットシューにスイッチがあるのでよく見てみましょう。そして面白い事に最新のデジタルカメラではホットシューで直接ストロボとやりとりするようになり、スイッチがまた消えているのでホットシューカバーをそのまま取り付けられたりします。(機種を調べてから取り付けましょう)
・Nikon BS-1を取り付けてみる
試しにMINOX 35GTにNikon BS-1を取り付けてみました。フラッシュは取り付けていないのにカメラ側はフラッシュが取り付けられたと勘違いするので、シンクロするシャッタースピードに固定されてしまいます。他のカメラでもファインダーの表示が変わったりシャッタースピードが1/125に固定されたらホットシューの形状を確認してみましょう。
BS-1を取り付けてみました(このままでは使用出来ません)
・フィルム時代のストロボの注意
フィルムカメラを販売するストアに行くとストロボの中古やジャンクがとても安いのに気が付きます。これはフィルム用のフラッシュなどに価値がなくなったのではなく、フィルム時代のものはプレートなどに流れる電圧などが高過ぎてデジタルカメラで使えないからです。時代物のストロボは安いからとデジタルカメラ用に使用するのはやめておきましょう。(日本のメーカーは全く対策していない事はないと思いますが、古いストロボは使用しない方が安全です)
・MINOX 35GT-E
MINOX 35GT-EはMINOX 35の中でもレンズが進化してスカイライトフィルターが内蔵され移りが1段上の素晴らしいコンパクトカメラです。MINOX 35GT-EはMINOX 35GTからの進化型だけにMINOX 35GTとホットシューカバーの切り欠きが少し違います。もし中古で購入してホットシューカバーが付属していない場合は左右の切り欠き部分を削って取り付けましょう
・MINOX 35EL 初期型
MINOX 35ELはMINOX 35の初期型で基本部分は洗練されていますが、シャッターチャージがレバー式ではなくダイヤル式だったりと細かいところが違います。MINOX 35ELは購入時にホットシューカバーが付属していなかったので、BS-1を削って取り付けます。初期型だけにフラッシュ装着のスイッチがホットシューの横ではなく奥に設置されています。これはストロボを奥まで入れず認識されないエラーがあり新型では横へ移動したのがわかります。
・ホットシューカバーの削り方
Nikon BS-1はプラスチック製で素材も硬くないのでヤスリ等で簡単に削れます。表側にヤスリの傷が付かないようにマスキングして、削る時もシューカバーの裏側から削るようにすると綺麗に仕上がります。
・必ず動作確認をする
ホットシューカバーを取り付けたらカメラ側がフラッシュが装着されていると誤認識していないか確認します。明るいところか暗いところ、室内であればISOを変更してシャッタースピードに変化があるかを確認しましょう。ずっと同じ1/125などでシャッタースピードの変化が無い時はカメラ側が誤認識している可能性があります。
・MINOX 35GT 1600
MINOX 35GTでもこちらはISO 1600まで対応している後期型です。スペックは同じに見えてレンズも少し違うのか前期型より良く写りMINOX 35GT-Eと同等です。MINOX 35GT-Eの見た目がどうもと言う方はMINOX 35GT後期型がおすすめです。MINOX 35GT後期型も購入時にホットシューカバーが付いていなかったのでNikon BS-1を削って取り付けてます。スイッチの部分はMINOX 35GTの前期型と同じなので、右側の切り欠きと手前部分を切り落として完成です。
MINOX 35GT後期型にホットシューカバーを取り付けました
・LOMO LC-A+
LOMO LC-A+のかなり前の型でロシア製レンズのモデルです。LOMO LC-Aはトイカメラなどと呼ばれますが、レンズ性能は高く自動露出の性能もよく立派なカメラです。特にモノクロフィルムとの相性がよくシャープに素晴らしい写真が撮れるおすすめのカメラの1つです。
LOMO LC-A+(自作オレンジフィルターを貼り付けています)
・LC−A+に合わせて削る
LC−A+の弱点はフラッシュの接触がいまいちなところです。そのためフラッシュをほとんど使用しないので、こちらもホットシューカバーを取り付けてしまいます。Nikon BS-1をそのままはめる事も出来ますが、手前部分がやはり邪魔になるので削ってしまいます。
・Rollei 35
Rollei 35と言えばコンパクトカメラの代表で元祖高級コンパクトカメラです。レンズはCarl Zeiss Tessarの初期型(最初期型ではないです)ドイツ製で素晴らしいカメラです。Rollei 35は面白い作りでホットシューが本体下(後に出たClassicなどでは上になっています)にあり、こちらにもホットシューカバーを取り付けます。
・Rollei 35に合わせて削る
Nikon BS-1をRollei 35に取り付けると奥まで入らないので、当たる部分を削っていきます。少しずつけずってちょうどよいサイズにしていきます。Nikonに限らずシルバーでメタル製などもあるので根気よく削ってみたり、最近であれば3Dプリンターでオリジナルシューカバーを作るのも面白いと思います。
・シューカバーを取り付けて
ホットシューがむき出しだからと言ってトラブルが増える事はそうないですが、新品カメラに最初から取り付けられてないとメーカーの手抜きっぽく見えますし、中古であれば欠品ぽく見えて気になります。古いカメラだとホットシューカバー自体がもう販売されていませんし、新品アクセサリーとしてカメラに合わせてシューカバーを作ってみるのはどうでしょうか。
全てのコンパクトカメラにシューカバーを取り付けました