
・コーティング弦を試す
Gibson Les Paul Juniorの弦交換が近づいてきたので、これまで使用していたエリクサー以外のコーティング弦を試してみる事にしました。バーブリッジの際の弦の交換方法と共にボディや指板のクリーニングについても書いていきます。
・D’Addario EXP110
今回購入したのD’Addario EXP110、ゲージは010-046とGibson Les Paul系用にはスタンダードな太さの弦です。
・エリクサーのコーティング弦
コーティング弦と言えばエリクサーでこれまで使用していたコーティング弦はエリクサーNanowebでゲージも10-52と巻弦が太いヘビーボトムにしていました。始めは驚くほどのヌルヌル感ですが、慣れると戻れなくなるのとまさに1年張り替えなくても使える長持ちな弦です。他にはGHS、ERNIE BALL、DRなどを使用しましたが、結局どれもほとんど長持ちせず毎回エリクサーに戻るのを繰り返していて現在は同じElixirでもOptiwebを使用しています。
・アースが取れない?
これはエリクサーなどコーティング弦でよく言われる事ですが、当たっているようで間違ってもいます。通常のストアで売ってる状態のギターはピックアップやポット周りなどキャビティ内も含めてきちんとアース処理がされているので、まずエリクサーを普通に使ってアースが取れないと言う状態にはなりません。ただ、テレキャスターの直列ターボ化改造で特に出力の高いピックアップ(特にシングルピックアップ)などを取り付けてノイズ自体が増える状態にした場合はエリクサーだとアースが取りづらくなります。ノイズ自体が多い状態のギターだとアンプに繋ぐと絶えず弦をミュートして手を触れてないとずっとジーやブーなどとハムノイズが出続ける事がありますので、機材とのバランスと使いようだと思います。
・DR NEON
カラフルな蛍光カラーのコーティング弦と言えばDRです。見た目は最高でDR NEONはZo-3に張っていますが、コーティングと言うよりは弦にペイントしてる感じで弾いているとボロボロと落ちてきます。完全に見た目重視と言うことでギグや学園祭の時だけ使うなどにした方がよいでしょう。日本だとDRをそのままディーアールと呼んでますが、英語圏のミュージシャンは特にベース弦が人気だけにベーシストはDR(ドクター)と呼んでる事が多いです。
・弦交換に必要な工具
弦の交換に必要なのは弦を切り取るカッター(ニッパー)とストリングワインダーです。カッターは100均のニッパーなど(刃が欠けます)はやめて専用のものを用意しましょう。ストリングワインダーにはカッター機能がついているものもあるので1つでまとめてしまうのもよいでしょう。
・Gibson Les Paul Junior
使用するギターはギブソンレスポールジュニアです。2019年のほぼビンテージ仕様になって再販された素晴らしいギターです。これまで張っていた弦はダダリオXLです。
・弦は切ってはずすか
これまで使用していた弦を捨てるのが決まっていれれば弦を(必ず)緩めてから真ん中あたりで弦を切ってしまった方が取り外しやすいです。弦のスペアやストックがいくつもあれば別ですが、仮に弦が錆びてたり不良品の場合、もしくは間違って切ってしまった時などに元に戻せるように弦はそのままはずす方が安心です。ストラトやテレキャスなどのボディーを通す場合は先端が丸まっているとかなり再利用は難しくなりますが、Les Paul系であれば弦を通すのも楽なので問題ないでしょう。
・ブリッジを磨く
バーブリッジは弦を上に通してミュート時にもよく触るのもありどうしても汚れてくすんできてしまいます。メタルなのでピカールなどで磨きたくなりますが、研磨剤は傷をつけているのと同じなのでアルコール系で磨くだけにします。無水エタノールでレンズクリーニングペーパーなどで磨くだけにするのがよいですが、手持ちがない場合は除菌ウェットティッシュで代用出来ます。除菌ウェットティッシュは普通のティッシュと違い表面を傷つけづらい素材かつエタノールが含まれている事が多いです。除菌ウェットティッシュは加水分解のプラスチックを綺麗にするのにも使えるので1つは用意しておきましょう。
・使用済み弦を保管する
これまで使用していた弦は新しい弦のパッケージに戻します。捨てる場合は自治体のルールに則って廃棄をしましょう。新しい弦も気に入らなかったり切れたりする可能性がゼロではないので、新しい弦を張ってから数日は元に戻せるように保管しておくとよいでしょう。保管する場合は使用した期間を記載しておくと、どれくらいで錆びたかなど前回の使用した期間がわかり管理がしやすくなります。
・クリーニングする
弦が張ってあるとギターのボディや指板のクリーニングが大変なので、弦交換の際はギターボディのすべてを綺麗にしてしまう最高の機会です。
・指板をクリーニング
フィンガーボードの清掃と言えばレモンオイルです。ジムダンロップのレモンオイルのボトルは先端が生地になっていますが、直接磨くと汚れてしまうので、コットンパフを使用するのが最適です。レモンオイルはボトルを握ってもなかなか出てこないので焦らずコットンパフに染み込ませましょう。レモンオイルのボトルは絶対にギターの上で強く握ると最悪キャップがはずれてギターがオイルまみれになるので気をつけましょう。レモンオイルは潤いを与える意味もありますが、塗り過ぎもよくないので塗った後にクロスなどで乾拭きをしましょう。
・ボディをクリーニング
ギブソンレスポールジュニアのボディはラッカー塗装なのもありボディのケアには気を使います。タートルワックスなどもよいですが、ギブソン系のラッカーボディにはギブソン純正のポンプポリッシュが最適です。塗ると滑りがよくなるので塗装の種類、ベースやギター問わずネック裏にも使用すると弾きやすくなります。
・弦を張る
Fender系だとトップローディングのブリッジは別として基本的に弦をボディの裏側から通す裏通しですが、Gibson系はボディではなくブリッジから弦を通します。年代にもよりますが、ブリッジやTOMのサドルなど弦を張るまで固定されなかったりと少しコツが必要だったりします。このメンテナンス性のよさも含めてFenderはコンシューマ製品としてよく考えられています。
・ブリッジの調整
レスポールジュニアはバーブリッジなので、6つのサドルでイントネーション(オクターブチューニング)などが出来ない作りになっていますが、ブリッジの取り付け角度と高さを調整が可能になっています。弦のゲージも出荷時に張られている10-46だとほぼぴったりイントネーションを合わせる事が出来ると言うか合うように作られています。
・余った弦を切る
チューナー側の弦の余りをそのままに残すロックな感じも時代遅れ感があるのとやはり目などに刺さると危ないのでストリングカッターで切り落とします。あまりのワイヤー部分はペットボトルなどに入れておいてまとめて捨てるなどするとよいでしょう。工作などが好きな人はちょうどよい太さの針金はなかなか手に入らないので残しておくと便利に使えます。
・ダダリオのコーティング弦で弾いてみて
ダダリオのEXPコーティング弦で弾いてみるとこれは本当にコーティング弦なのかと思わせる手触りでエリクサーのようにヌルヌルしておらず何度も確認してしまいます。音も通常のXLと大差ないですし不思議な感覚の弦です。ただ長持ちなのかと言われると微妙でエリクサーのように張りたての状態が長く続く感覚ではありません。現在はこのEXPより新しいコーティング弦のXTが出て、更に新しいコーティング弦のXSが販売されています。XSはやっと巻弦のスチールを巻いてから全体をコーティングするエリクサー方式になりましたが、これはエリクサーが取得した特許などの期限が切れたからでしょう。
・ダダリオでのおすすめの弦NYXL
ダダリオの弦だとどこにでもあるXL(EXL)がスタンダードで頻繁に張り替える場合コストの面でもよいでしょう。同じダダリオでも新しい素材のNYXLはコーティング弦ではないのにヌルっとした感覚でなぜか錆びるのも遅く長持ちするのでおすすめです。ただ、エリクサーのコーティング弦などと価格はほぼ同じなのでそれならエリクサーでよいのではとも思います。弾き心地と音がよい方で選ぶのもよいと思わせつつ、ダダリオにはバランスドテンションと各弦のテンションを合わせた素晴らしいゲージのセットがあるのでNYXLを選ぶなら型番にBTとあるもの(特に09のゲージなら)を選ぶとよいでしょう。