【フィルムカメラの使い方】RETO SUPER WIDE and SLIMがあまりに革新的な作りなので詳しい使い方をまとめてみました

・機能的なカメラ

RETO ULTRA WIDE & SLIMは22mmの超広角レンズを搭載していて撮れる写真が面白いだけでなく、機能部分が非常によく考えられていて初めてのフィルムカメラにもおすすめです。そこでフィルムの入れ方から現像に出すまでを含めてRETOの使用方法をまとめました。

・RETOでフィルム写真を撮る

RETOはコンパクトで軽量で写ルンですのようですが、使い捨てではなくフィルムを入れ替えて繰り返し使えます。フラッシュは搭載されていないのでお日様専用カメラで使うのが失敗しない第一歩です。その代わりに電池を必要としないので、フィルムさえきちんと入っていればまず写真が写らないと言う事はありません。


マーキーブルーです

【レビュー】RETO ULTRA WIDE & SLIMは機能的な作りのフィルムカメラで感動しました

・フィルムを用意する

まずはフィルムカメラなのでフィルムがないと始まりません。35mmや135と言われるいわゆる普通のフィルムでどこのカメラ屋や家電量販店でも売っています。もし1本だけ試してみたい場合はISO400のカラーネガフィルムを選ぶと失敗も少ないです。


Rolleiのフィルムケース、右奥は中判カメラに使用する120フィルムケースです

・シャッターは切れない

RETOは構造上フィルムをカメラ入れてシャッターをチャージしないとシャッターが切れないようになってるので、カメラが動くがどうかを確認して使い方に慣れるにはフィルムを用意する必要があります。新品でフィルムを入れずにダイヤルが回り続けるのは正常です。

・練習用フィルム

間違って撮影中にフタを開けて感光してしまったり、もう使えないフィルムがあれば捨てずに練習用フィルムにしましょう。練習用フィルムがあるとフィルムカメラの動作確認に使えたり、初めて使うカメラの操作方法に慣れる事が出来ます。最近はフィルムの価格も上がっているので新品フィルムを練習用にするのはおすすめしません。クラシックカメラ専門店などだと感光済のフィルムをくれる事があるので、馴染みの店に聞いてみるのもよいでしょう。ジャンクカメラなどを買うとフィルムが入りっぱなしのもよく見かけるのでそこから取り出すのもありです。


間違えて撮影に使用しないように練習用にはXマークを入れてあります

・フィルムピッカー

フィルムのパトローネ(ケース)からベロを取り出すフィルムピッカーです。まず必要にはなりませんが、あると便利なのであとで説明します。


フィルムピッカー


使用方法が書いてあります

・裏蓋を開ける

フィルムを入れる側の右側に縦長のレバーを下げるとフィルムを入れる部分の蓋が開きます。このレバーは撮影中にレバーが指に触れただけで蓋が開いてしまわないように少し開けづらなくなっています。


レバーを下げるとフィルム室のフタが開きます

・まずは綺麗に

カメラのを開けたらまずフィルム室内を綺麗にしましょう。これはフィルムの切れ端があるとギアに絡んだりして動作不良を起こす可能性があるためで、撮影後もフィルムを入れる前もかならず清掃を行いましょう。清掃にはブロワーとできればブラシもあると便利なので1つは揃えておきましょう。


ハクバのブロワーです


ハイパワーブロワーの方が強力です

・ワインダーを下げる

カメラ底面の右側にあるワインダー(巻き上げクランク)を下げます。この時に巻き上げのクランク(レバー部分)を引っ張ると負荷がかかって折れてしまう可能性があるので、フィルム室内から押し出す方がよいでしょう。くれぐれもレンズの後ろ側を指で触らないように気をつけましょう。


ワインダーを下げました

・フィルムを入れる

フィルムをカメラに装着してワインダーを押して元に戻します。ここでカメラ左下にあるフィルム巻き上げ(シャッターチャージ)ダイヤルを左に巻いて、左にある巻き上げの軸に長細く開いているスリットを前面に向けます。練習用の富士フィルム業務用36枚撮りを使用します。


巻き上げ軸のスリットを前面に向けます

・フィルムを巻き上げる

フィルムの先端をフィルム巻き上げ軸のスリットに差し込みます。この時フィルムの先端を曲げてから入れるとより引っかかりがよくなります。ここでレンズの後ろ側にあるギアにフィルムのコマがきちんとはまっている事を確認しましょう。ギアがきちんと動いていればこれまでずっと巻けていたフィルムの巻き上げダイヤルが止まりシャッターがチャージされるようになるので、ダイヤル止まったらシャッターボタンを押してみましょう。(蓋が開いているので写真は写りません)一回シャッターがチャージされる程度の巻取りでもよいですが、慣れるまでは2回ほど巻いて確実にフィルムが巻き取られているのを確認するのもありです。

*慣れたらここで蓋を閉めて撮影が出来るようになり撮影枚数も数枚増えます


スリットにフィルム先端を入れて巻き取ります

・フィルムの緩みを取る

フィルムは巻き取っただけで緩みがあり蓋を閉めても動作が安定しません。これは知らない方も多いですが、他のフィルムカメラでも同様でフィルムを入れた後の緩み必ず取りましょう。裏蓋を開けたままフィルムのパトローネを指で左側に抑えて、カメラ下の右側にあるフィルムの巻取りクランクを少し巻き取るとフィルム面がまっすぐになります。ここでもう一度フィルムのコマがギアにきちんとハマっているか確認しましょう。

*カメラに慣れたら緩みをとるのも裏蓋を閉じてから出来るようになります


フィルムが緩んでいます


フィルムが引っ張られて緩みが取れました

・裏蓋を閉める

フィルムが左側に巻き取られ、フィルム面の緩みもとれたら裏蓋を閉めましょう。この時にフィルムがきちんと巻けたか心配かもしれませんが、確認の方法があるので心配はいりません。


クランクを戻して裏蓋を締めます

・裏技

蓋が撮影中に開いてしまうとフィルムが駄目になってしまうので、レバーには絶対触らないようにしましょう。友達が不意に開けたりするのを含めて不安な場合は、レバー部分にテープなどを貼っておくのもよいでしょう。(慣れない人は平気で撮影中に触れる所は全部触りますし、実際にやられた事があります)

・シャッターをチャージする

裏蓋を閉めてシャッターがチャージされている場合はシャッターを切ってみましょう。(何も写らないので気にせずに)ここでシャッターが切れればカメラは正常と言う事がわかります。先程のケース内で巻き取った時にシャッターを押した場合はもう一度ダイヤルが止まりシャッターがチャージされるまで回してみましょう。実はここでもう写真が写る可能性があるので、何か試しに撮ってみましょう。半分に切れてる場合がほとんどなので、どうでもいいのを撮るのをおすすめします。

*現像時に切れた1枚めもスキャンするよう指定するのを忘れずに


フィルムカウンターがSを指しています

・フィルムカウンター

フィルムカメラのほとんどにはフィルムカウンターが付いているので、ここで何枚撮影したかがわかり、このカウンターが動いていればフィルムは巻き上げられているのがわかります。説明書などでは3回シャッターを切ってフィルムカウンターが1になったら撮影開始とありますが、シャッターチャージ1回目から何かしら写るので無駄撃ちせずに何かしら写真を撮ってみた方がよいでしょう。大事な写真はシャッターチャージ2回目以降に撮るのをおすすめします。


フィルムカウンターが1になりました

・フィルムが巻かれているかの確認方法

フィルムがここできちんと装着されて巻き取られているかの別でかつ確実な確認方法があります。まずはフィルムを入れた時のワインダー部分を軽く触るか見ながらフィルムを巻き上げてみてください。この時にワインダーがダイヤルと共に回っていたら確実にフィルムは巻き取られています。カメラによりますがシャッターチャージと関係なくフィルムカウンターが動くカメラがほとんどなので、ワインダーの動きで確認する方法をおすすめします。最初通常に動いているようでも、3枚めまで撮れてフィルムが緩んでいたり巻き上げがきちんとされてなくて、それ以上撮れなくなる事などまれにあるので、その時はフィルムを少し巻き戻して再度フィルムを装填し直しましょう。(それまで撮れた数枚は消えてしまうか多重露光されてしまいます)

*他のフィルムカメラでも同様なので撮影中にクランクが回っているか確認する癖をつけましょう


きちんとカウンターが動いています

・パンフォーカス

RETOの露出は絞りF11シャッタースピードは1/125でフォカースは1mに固定されていて、まさにストリートフォト仕様なので露出を気にせずフレーミングだけに集中して撮る事ができます。昼と夕方問わずフィルムはISO400を選ぶのがよいでしょう。快晴で太陽も出ている時間であればISO100でも撮れますが、少し暗くなると露出アンダーになっていまいます。室内など高感度フィルムのISO1600などで撮ってみるのも面白いかもしれません。

・フィルムを取り終えたら

写真を取り続けると36枚撮りではフィルムカウンターが36枚を越えたあたり、24枚撮りでは24枚を越えたあたりでダイヤルがそれ以上回らなくなります。この時にあと1枚撮りたいからと絶対に力いっぱいシャッターをチャージしないようにいましょう。力いっぱいに巻き取るとフィルムが根元から切れてパトローネに巻き取れなくなります。


36枚撮りのフィルムを撮り終えました

・フィルムが切れてしまったら

もし仮にフィルムが切れたかもしくは切れたかもと不安があったら、絶対にフィルムをカメラから取り出したり裏蓋を開けたりせずに現像するカメラ屋や家電量販店へカメラごと持ち込みましょう。その時に担当者にフィルムを巻きすぎて切れてしまったと伝えると、ダークバッグと言う感光しない袋にカメラを入れてフィルムだけを安全に取り出してくれます。



・フィルムを巻き取る前に

フィルムを撮り終えたらカメラ底面の左側(シャッターダイヤル側)にある小さなボタンを押します。これは他のフィルムカメラも同様のRなど表示されていたりするフィルムの巻取り(リバース)スイッチです。このスイッチを押さないとフィルムをパトローネに巻取り直す事が出来ません。


黒い小さなボタンを押します


巻取り用のボタンを押したので下がっています

・フィルムを巻き取る

スイッチを押すとフィルムを入れた時のクランクでフィルムを巻き取れるようになるので、カメラ底右側からクランクを取り出してフィルムを巻き取ります。この時に途中で引っかかる感じになってその後に急に軽くなるので、そこで少し巻取り続けたらフィルムの巻取りは完了です。初めてで心配な場合はとにかく長めに巻き取りをしておけば確実です。


クランクでフィルムを巻き上げます

・裏蓋を開ける

フィルムを巻き上げたら裏蓋右側のスイッチを下に下げて蓋を開けます。この時にフィルムのパトローネからフィルム部分が出ていないか確認しましょう。もし練習用フィルムでやっている場合は全部巻き取らずに、クランクが軽くなった状態で裏蓋を開けてしまった方がフィルムを再度練習に使用出来ます。もしフィルムピッカーを持っていない場合は練習用フィルムを全部巻き上げないようにしましょう。


フィルムが巻き取られています

・フィルムを取り出す

巻取りクランク部を下げるとフィルムのロックがはずれてフィルムを取り出せるようになります。この際にレンズの後ろ側などに触らないようにしましょう。撮影したフィルムを取り出したらそのままカメラ屋に持ち込んで現像をしてもらいましょう。フィルムは特にISO400など高感度フィルムなどは感光しやすいので、そのまま晴天時に持ち運んだりせず購入時に付いていたケースに戻した状態でカバンなどに入れて持ち運びましょう。


クランク部を下げます


フィルムを取り出しました

・巻き取ったフィルムを復活させたい

最後まで巻き取ってしまった練習用フィルムはそのままにするのは惜しいので、再度練習に使用出来るように復活させます。くれぐれも撮影したフィルムで試さないようにしましょう。


練習用フィルムも今では貴重

・フィルムピッカーを使用する

パトローネに完全に巻き取ったフィルムのベロを取り出す専用のツールのフィルムピッカーを使用します。フィルムピッカーはフィルムのパトローネ内に薄いフィルムのようなものを2枚差し込んでフィルムを引き出す便利な専用工具です。フィルムカメラを使用しているといずれ必要になりますし、販売中止を何度か繰り返してプレミア価格になっていた事があるので見つけたら買ってしまうとよいでしょう。


スライド1を動かした状態


スライド2を途中まで動かした状態



・フィルムピッカーを差し込む

フィルムピッカーのスライドを両方とも戻した状態でフィルムケースに先端を差し込みます。挿し込んだ状態でスライド1を押し込むとフィルムピッカーのベロの部分がパトローネの中へ入っていきます。スライド1を挿し込んだ状態でパトローネにある軸を回転させて次にスライド2を差し込みます。


フィルムピッカーを使用します(スライドを両方戻してから)


スライド1を押し込んでフィルムの軸を回転させます


スライド2を差し込みます

・フィルムを抜き出す

スライドの両方を元に戻すとフィルムの先端がフィルムピッカーに挟まれて出てきます。はっきり言って初めてではまず成功しないので、何度かやって慣れましょう。


フィルムの先端が出てきました


練習用フィルムとして再利用出来ます

・フィルムはケースに入れましょう

練習用フィルムとは言え部屋に放置するとホコリ等がついて練習用としてまた使用したらそのホコリがカメラの中に入る事になりますので、フィルムは必ずケースに入れるようにしましょう。撮影用のフィルムと混じってしまわないようにラベルを付けたりするとよいでしょう。


フィルムはケースで保管しましょう


Rolleiのフィルムケースに入れました

・RETOを使ってみて

フィルムカメラのRETOは最近動かしてみたカメラの中で一番機能的で関心する作りです。本格的なフィルムカメラもフィルムの装填の仕方や巻取りなどの基本はRETOと同じで、全て学べてかつ22mm超広角レンズで面白い写真が撮れてしまいます。面倒な露出やフォーカスなども考える必要がなく写真を撮ることだけを楽しめる素晴らしカメラです。





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