・フィルムカメラを選ぶ
機材はもう増やさないつもりと思っても増えていくのがフィルムカメラです。クラシックカメラではなく新しいRETOと言うカメラが面白く画期的な作りをしているので紹介します。
・RETO Ultra Wide & Slim
今回購入したのはRETO(レト)ウルトラワイドアンドスリム(UWS)でカラーはマーキーブルーです。RETO UWSは22mmの超ワイドレンズを搭載していてフラッシュはなく使い捨てではなくフィルムを入れ替えて繰り返し使えます。カラーはマーキーブルー、チャコール、パステルピンク、マッディイエロー、クリームの5色がありカラフルなラインナップです。
【フィルムカメラの使い方】RETO SUPER WIDE and SLIMがあまりに革新的な作りなので詳しい使い方をまとめてみました
・カメラを見てみる
カメラはマットな質感でトイカメラの部類のなかではかなり作りがよいです。フィルムケース側に親指を載せるサムレスト部をへこませていたり、左手でフィルムをチャージしてそのまま右手でシャッターが押せる使い勝手にもアイデアが詰まった作りになっています。
シャッターボタンはストロークがありフィルムカウンターも付いています
底面はフィルム巻き上げクランクとフィルム巻き上げ用のボタンがあります
カメラ左側下にフィルムチャージ用のダイヤルがありこれがアイデアものです
・超広角22mmレンズ
レンズは超広角の22mmなので風景やパースを活かした迫力のある写真が撮れます。撮影距離はは1m~無限、レンズの明るさはF11でシャッター速度は1/125秒で固定されているいわゆるパンフォーカスカメラです。フィルムカメラのRicoh GR1などにあったストリートフォト用のスナップモードに固定されているカメラと言う事です。
・ストラップ付属
カバンやポケットに気軽に入れて撮るようにストラップはなくてもよかったと思いますが、カメラ右側にストラップ取り付けのスリットがあります。
・ポーチ付属
付属のポーチはさらさら素材でファイバー製のクロスになっていると思われます。プラスチックレンズでポケットに入れたりと気軽に扱うのも面白いと思いますが、綺麗に使用したい方はポーチに入れてレンズなどを保護するとよいでしょう。
・MINOX 35と比べてみる
コンパクトフィルムカメラの中でも露出計と絞り搭載では最小ではないかと思われるMINOX 35 GT-Eと比べてみます。サイズはほぼ同じでMINOXの方が若干厚みがあります。これを考えるとMINOXは恐ろしいほど小型化していると言う事がわかります。(MINOX 35の使用時はレンズカバーを開けてレンズを引き出します)
・フィルムケースを開ける
フィルムケースの右側にあるレバーを下げるとフィルムケースが開きますが、間違って開かないように少し開けづらくしてあります。フィルムを入れないとシャッターは切れない
右側にあるレバーを下げるとフィルムケースが開きます(撮影中は絶対に開けないように)
・フィルムは右側へ
フィルムのパトローネ(ケース)をカメラの右手側に入れて左側に巻き取るように作られています。これで全体がスリムになっているのですが、ここで気づいた方は相当なフィルムカメラ好きです。そうですこの方式はRicoh R1からGR1でも続いたフィルムパトローネの出っ張る部分をグリップにした画期的なアイデアで、このRETOも同様にグリップ部分を厚くしています。もっと古くだとRollei 35も右側にフィルムを装填します。
・シャッターは切れない
シャッターを試してみようとフィルムを巻き取ってもシャッターはチャージされません。カメラにフィルムが装填されてフィルムのギアが送り込まれないとシャッターはチャージされずシャッターを切る事は出来ないようになっています。これで勘違いして壊れてると思わないようにしましょう。
・こだわりの作り
通常のフィルムカメラだと右手の親指でシャッターをチャージして、また右手を使ってシャッターを押しますが、RETOはフィルムの巻き上げが左手の下側にあるので、シャッターチャージとシャッターを押す動作が非常にスムーズに行えます。これが本当によく考えられていて非常にテンポよく撮影する事が出来ます。RETOの発案者や作り手は相当な写真好きだと思われます。
・ファインダーが凄い
技術の進化かファインダーがクリアでとても見やすいです。プラスチックの素材が良くなって薄く作れるようになったのでしょうが、ガラスと言われても信じるレベルです。
・Lomography越え
トイカメラと言えばロモグラフィーのFisheye 2(魚眼写真が撮れるフィッシュアイ2)やSuper Sampler(4コマのアニメが撮れるスーパーサンプラー)などをを壊れるまで使って各色揃えたりしていましたが、このRETOは機能的にも作りも含めてLomography越えをしているのを感じました。
・おすすめのフィルム
RETOの露出はF11の1/125で固定で、写ルンですのF10の1/140と似たような露出になるので、晴天の昼でも少し暗くなった夕暮れでも使用するのはISO400のフィルムが良いでしょう。昼では露出オーバーではないかと思われるかもしれませんが、ネガフィルムは露出オーバーに強いのでオーバー目に撮るのが正解です。太陽が出て暑いくらいの晴天だったらISO100でも十分写ります。
・増感に挑戦してみる
夜や室内でどうしても撮りたい方はISO1600のフィルムにするか、ISO400のフィルムで撮って2段増感(特にモノクロで)すると明暗がよりはっきりして面白い写真になります。大手のカメラ屋の現像コーナーでも現像を出す時に増感2段と伝えるかISO400のフィルムをISO1600の露出で撮ったと言えば理解してもらえます。もちろんISO100のフィルムで昼に撮ってISO400に2段増感する事も出来ますが、ISO400のフィルムを増感するほどの効果的ではないです。ポジフィルム(スライド、リバーサル)を使用してクロスプロセス現像をするのも面白いですが、受け付けてくれるラボが少ないので現像出来るところを確保してからトライしましょう。
ストックしているFOMAPAN 100を使用する事にしました
・フラッシュがない
RETOにはフラッシュがなくその分軽量になっていますが、室内で撮る場合は今では誰でも持っているスマホのLEDライトを当てながら撮るとか、スタンドライトを被写体に向けるとかアイデア次第で面白い写真が撮れます。
・優れたカメラ
RETOは非常に機能的に作られていて写真を撮るのが好きな方が作ったのが伝わってくる優れたカメラです。22mmのワイドレンズで周辺減光などエフェクトを楽しむのもよいですし全カラー揃えてしまいたくなるほどよく考えられて作られたカメラです。
・追記(2022年7月)コダックのハーフカメラ
コダックよりハーフカメラH35が発売されました。作りを見てみるとRETOと同じような巻取り機構です。フィルムの枚数も2倍撮れてSNS向きに縦型写真も撮れるのでRETOと一緒に揃えてみるのもありでしょう。