カメラのレンズとボディをクリーニングと動作確認をした後の正しい保管方法

– カメラをクリーニングすると同時に動作確認をする

カメラや機械物は車や時計と一緒で使わないと不調になりやすくなります。カメラの台数が増えてくるとどうしても放置気味になりますが、カメラの調子を保つためにも機材のチェックは怠らないようにしましょう。カメラやレンズの保管方法と共にクリーニングなどについて書いていきます。

– クリーニンググッズを揃えよう


レンズを息を吹いてティッシュで擦るような事はせず、専用の道具を揃えましょう。それほど高い物ではないですし、数台のカメラに使うのであればかなり長持ちします。


エツミのレンズクリーニングペーパーは中身はサラサラした薄い紙でレンズに傷を付けづらいです


最初に揃えるのであれば携帯用のセットなどが便利です(ブロアとペーパーは別に揃えました)

– 頻度はどれくらい

カメラを一台だけ所有していて使うたびにクリーニングしている方は特に今以上に必要ないと思いますが、台数が増え使用頻度が低いカメラがある場合は季節に一度くらいは防湿庫などから出してクリーニングと共に動作確認をしましょう。

– ボディのクリーニング方法

・ブロアでホコリを飛ばす
外へ持ち出した時と同じで、まずはブロアでホコリを吹き飛ばします。ブロアを吹く時は吹く面を下にしてホコリやゴミが詰まらないようにしましょう。
・クロスでボディを拭く
ここでレンズを拭かないようするためレンズキャップなどはつけたまま、ボディに付いた手垢や汗などを拭き取ります。一眼レフであればレンズは取り外してボディキャップをはめておきましょう。普通に使用しただけなのであれば特にクリーナーなどを使用せず専用のクロスなどで軽く拭くだけでよいです。
・フィルムボックスをあける
フィルムのカスやホコリなどがないかを確認して大きいゴミがある場合はピンセットなどで取り除き、必要であればホコリなどはブロアで飛ばしましょう。この時コンパクトカメラであればレンズ部分、一眼レフであればシャッター幕には絶対触らないようにしましょう。


今回クリーニングしたコンパクトカメラ達

・ローライ35
・ミノックス35
・リコー GR1
・リコー R1
・ロモ LC-A+

どれも素晴らしいカメラですが、各カメラの紹介はまた別の機会に

– レンズののクリーニング方法

・綺麗なレンズは触らない
レンズに汚れが付いてなく綺麗であれば触るのはよしましょう。レンズクリーニング専用のペーパーとは言え磨くと傷がつく場合があります。特にクラシックカメラのレンズなどはコーティングなど最近のレンズとは違って弱く傷がつきやすいので気をつけましょう。屋外に持ち出してホコリが気になるようであればブロアで飛ばす程度にしましょう。
・ブロアでホコリを飛ばす
指紋や脂などがついてしまった場合にのみレンズをクリーングしましょう。まずはボディと同様にブロアで吹く面を下にむけブロアでホコリを飛ばします。
・レンズ用クリーニングペーパーで拭く
一度使ったペーパーはホコリやゴミなどがついていて再利用するとレンズを傷つける事になるので、乾拭きとクリーニングで共用などせずにすぐに捨てましょう。クリーニングペーパーにクリーニング剤を少量つけ、レンズの中心から円を書くようにして外周の方へ拭きます。プロの方はピンセットなどにクリーニングペーパーを巻いてから拭いたりしますが、金属を使うと慣れていないとレンズを傷つける場合があるので綿棒にクリーニングペーパーを巻きつける方法がおすすめです。綿棒ですと付けすぎたクリーニング剤も吸い取ってくれますし当たりがやわらかくなるので安心です。
・乾拭きをする
乾拭きするかしないかは好みですが同じようにレンズ中心から円を書くように外周まで乾いたクリーニングペーパーで拭きます
・おすすめクリーニング剤
いろいろと試して今はフジフィルムのクリーニング剤に落ち着いています。汚れや整備でカビを落とすのにも使えます。

– 動作確認で大切な事

カメラがきちんと動くかどうか見るだけでなく、中の空気を入れ替える事が重要です。特にコンパクトカメラはレンズシャッターと言われるレンズとシャッターが一体型になっているので、そこにたまる空気を入れ替える事でカビるのを防ぎます。シャッターが切れると言う動作確認だけでなく、なるべくスローシャッターを切りましょう。
・電池ボックスの液漏れはないか:最近の電池は液漏れしづらいですが、長期使わない場合は電池を抜きましょう
・電池は正しく入っているか;電池の向きが違うと動きません
・シャッターはスローから高速まで切れているか:AEカメラなどであればライトを当てたり、布をかぶせたりすればシャッタースピードが変化します
・各機能は動作するか:オートフォーカスやフラッシュ内蔵であればフラッシュが光るかや液晶の表示などを確認する
・フィルムボックス内の各部:テスト用のフィルムを入れてみて巻取り具合などをみる
・モルト(遮光材)の劣化具合:腐食するとボディ自体が傷むのでベトベトになる前に交換しましょう

– 新品電池を用意しよう

自動巻き上げのカメラやAEやEEのカメラなどは電池が無いとシャッターが切れません。(一眼レフなどで緊急用の機械式シャッターがあるカメラもあります) 出先で電池切れで撮影が出来ないほど悔しい事はありませんし、そう言う時に限って安い電池が売ってなかったりするものです。そこでおすすめが何度か使用した電池や今入っている電池は動作確認や試写用にしてしまう事です。久々に使用するカメラがある時は新品電池にする方が動作も安定するので、電池を最後まで絞りとるような使い方は避けましょう。古い電池やかなり使用した電池は電圧が下がっているので、古い機種だとより動作が不安定になりやすくなります。


カメラ用の電池はマクセルがおすすめです

– 絶対やってはいけない保管方法

カメラをケースに入れて押し入れに入れっぱなし、これがカメラやレンズにとって1番よくないです。たまにどうやって保管したらこんなにカビが生えるんだと言うカメラやレンズなどありますが、この保管方法が原因の事が多いようです。特に梅雨や夏の時期の湿気は本当にカメラに大敵なのできちんと保管しましょう。

100均ケースを使用した防湿ボックスの記事はこちらです

– 正しい保管方法

カメラやレンズは防湿庫や防湿ボックスに防湿剤などを入れて保管するのが1番よいですが、ただ放り込むだけではなく保管方法を守るとよりカメラが長持ちします。
・電池:よく使用するのであれば電池を入れたままでもよく最近の国内ブランドの電池であれば液漏れの心配はほとんどありません。
・スイッチ:必ずスイッチを切りましょう。
・EEカメラ:レンズシャッターのEEカメラなどでスイッチが無い場合は露出計が動作しないようにレンズキャップなどをつけましょう。
・CdS露出計:上にキャップをつけて露出計が動作しないようにと書きましたが、CdSは特性上暗いままの場所においておくと劣化する場合があります。CdSの劣化が気になる方で長期保管する場合は電池をはずし、レンズキャップをつけずにCdSに光が当たる機会をもうけましょう。
・シャッター:シャッターをチャージしたままは各部品が傷むので、シャッターを切った状態にしましょう。
・フィルムカウンター:フィルムボックスをあけてカウンターがSや0になるようにしましょう。
・絞り:絞りが付いてるカメラやレンズは絞りを開放(1番小さな数値)にしましょう。
・フォーカス(ピント):レンズが1番短くなるよう無限大に合わせておきましょう。
・マウントアダプター:M42レンズなどオート用のピンを押しっぱなしになるので、レンズはマウントアダプターからはずしましょう

– とにかく写真を撮ろう

カメラにとって1番良いのはとにかく普段使う事です。特にきちんと整備された機械式のカメラなど普段使っていればそう壊れるものではありません。どうしても台数が増えると全部のカメラを使用する事も難しくなりますが、大事なカメラですし出かける時にはなるべくカメラを持って出かけてまんべんなく使ってあげましょう。





カメラのレンズとボディをクリーニングと動作確認をした後の正しい保管方法」への2件のフィードバック

  1. 父の形見のローライ35を修理に出そうと某カメラのキ○ムラに持ち込んだら買い取りを打診されてしまいました。
    手放す気はないけど初心者でも失敗せずに修理って可能ですか?

    1. Rollei 35は世界最小で非常に特殊な作りのカメラなので、いきなり修理の練習に使用するのはおすすめ出来ませんが、フルメカニカルカメラのため今でもほとんどの箇所修理が可能でオーバーホールもしてもらえます。
      コメントにあるような大型の量販店だとクラシックカメラの修理は受け付けてくれても他所に出すだけで対応も期待出来ないので、クラシックカメラの専門店で特にRollei 35に強いショップに問い合わせるのが良いと思われます。
      東京御徒町にある喜久屋カメラさんはRollei 35のオーバーホール品を保証付きで扱っているショップで、郵送で整備やオーバーホールを行ってもらえるはずなので問い合わせてはどうでしょうか。
      https://kikuya-camera.shop-pro.jp/
      ほとんどのショップで露出計は修理不可と言われる場合が多いと思いますが、露出計は無くても写真は問題無く撮れますので気にしない方がよいです。
      それよりはRollei 35に限らずクラシックカメラには使い方が特殊でやってはいけない操作手順などがあるので、もしご使用の歳はユーザーズマニュアルを手に入れて熟読されるか、クラシックカメラ系のショップに一度操作方法を聞いてみる事を強くおすすめします。
      特にRollei 35はシャッターをチャージした状態でないと沈胴レンズが仕舞えないので気をつけてください。これでマウントを壊す修理が一番多いです。
      Rollei 35は素晴らしいカメラですしお父様の形見であれば尚更修理オーバーホールをして長く大事に使えるようになるといいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です