【カメラ】ヤシカ Electro 35GXに市販と自作の電池アダプターを比べてみる【Yashica】

– Yashica Electro 35GXの電池

電子式シャッターのカメラで必要になる電池ですが、古いカメラですともう指定電池自体が販売されていない事がほとんどです。今回のカメラも同様に市販の電池アダプターを使用するかアダプターを自作するしかありません。元々同じ電池を使用するカメラを所有しておりそれ用の自作アダプターと市販のアダプターを比べてみたので、使い勝手などを含めて書いていきます。

– バッテリーアダプターが必要

Yashica Electro 35GX(エレクトロ35GX)は1975年に今はなきヤシカより発売されたレンズ固定式レンジファインダーフィルムカメラで指定の電池は水銀電池のHM-N(NR52)でした。このHM-Nはミノルタ ハイマチックEなどにも使われている電池と同様の型となります。水銀電池は環境問題から既に販売されていないので、この様な古いクラシックカメラを使用する場合には、量販店などで手に入るLR44などのアルカリ電池などをアダプターを介して使用する必要があります。

ミノルタハイマチックEの記事はこちらです


電池ボックスは底蓋についています

– 電池を入れる前に

古いカメラを手に入れたらまず電池ボックス内に液漏れ後がないか、端子が錆びたり腐食してないかなどをよく確認しましょう。腐食などがあると通電しなくなるので、テスターで事前に通電チェックをするのも重要です。この頃のカメラに付いている電池の端子はプラスとマイナスで端子の形状が共通化されてないので、電池の極性と向きに注意しましょう。他のカメラもそうですが、それほどスプリングが強く作られていないのでアダプターによっては接触不良をおこします。

格安電池と大手メーカーの電池の違いとおすすめアナログテスターの記事はこちらです


なんと今ではレアなHM-Nが入っていました


電池ボックスの端子を確認します

– 底蓋を開ける

配線の状態と共に機関を確認するために底蓋を開けてみました。ミノルタハイマチックEに似た作りで当時参考にしたのでしょうが、電池蓋の取り付け方などはハイマチックEよりも洗練されていて組み立てやすいです。底蓋をはずすとフィルム巻き戻し用のボタンがはずれるので組み立て時に忘れないようにしましょう。


電池ボックスの蓋の仕組みはミノルタハイマチックEより洗練されています


配線腐食もないようです

– 注油する

このエレクトロ35GXは手に入れた時にシャッターチャージの巻き上げが渋かったので各部に注油しました。これは後ほどファインダーの清掃の時にレバー付近にも注油して直しました。

エレクトロ35GXの詳細や手に入れる際の注意などの記事ははこちらです


必要であれば各部に注油します

– パーツ脱落

この頃のカメラで1番困るのがパーツ不良ではなく、パーツの取り付けに接着剤が使用されている事で、その接着剤がさすがにこの40年んで劣化してパーツが脱落してしまう事です。脱落の仕方によってはどこについてたパーツかわからなくなりますし、ギア部分などに噛んでしまったらカメラが故障してしまいますので、接着剤が使われてると気がついたら現状付いていたとしても付け直しするのが正解です。今回ですと底蓋にある三脚取り付けネジの軸用のワッシャーの接着剤が劣化してパーツがはずれてしまいました。接着自体は簡単なのでGクリアーなどを使用して接着します。Gクリアーは接着力が強すぎず失敗した時などに取りはずせるので、この手の修理やメンテナンスに向いています。


リングがはずれています


接着します


リングを接着し底蓋が直りました

– 自作バッテリーアダプター

ミノルタハイマチックEでも使用しているのと同じ電池なので、そのまま自作電池アダプターを移植してみました。この自作電池アダプターはバネの力を利用しているので、端子にガッチリと接触し今まで撮影や移動をしてもトラブルがあった事はありません。実際にこのエレクトロ35GXで撮影してみて露出のずれ等もなく全ての機能は快調でした。LR44は安いので動作確認用としてはよいですが、カメラ用に使用する場合は特性もよい酸化銀電池のSR44、特にカメラ用にはマクセルの金メッキのSR44をおすすめします。

自作バッテリーアダプターの記事はこちらです


自作バッテリーアダプター


カメラ用に最適なマクセルの金メッキ仕様のSR44


カメラも無事動き出しました

– 市販のバッテリーアダプター

カメラ電池用のアダプターにもいろいろと種類があり、金属を削りだしただけの形状を変えるアダプターと、当時販売されていた水銀電池と同等の電圧を1.5Vから1.35Vに変換してくれるアダプターがあります。今回はネットなどで販売されている格安の金属の削りだしの電池アダプターを使ってみる事にしました。ボタン電池は周囲リング部分が全てプラスの端子になっているので、金属を削り出したアダプターを使用する際はボタン電池の出っ張りのあるマイナス側(通常の単3電池などとは逆です)を下にして取り付けるとショートしてしまいまので注意が必要です。


市販の電池アダプター


LR44と電池アダプター


必ずボタン電池をこの向きではめる事

– 電池を入れる

カメラの底にある電池蓋を開けて電池を入れます。この時に左右で極性の向きが違うのでよく確認してから入れます。よくある電子機器のようにプラスとマイナスで端子が共通化されていないので注意が必要です。カメラによってはこの電池の極性を間違っただけで壊れてしまうので注意しましょう。


電池蓋です


電池蓋を開け電池を入れます

– 動きました

無事に市販の電池アダプターでも動きました。スプリング部分が弱いので端子が腐食により削れていたりバネ部分が長年の使用で平らになっていたりすると接触不良を起こす可能性もあると思います。


電池アダプター使用でも無事に動きました

– まとめ

エレクトロ35GXは電池形状が特殊で電池アダプターが必要になります。カメラを手に入れたら確実に動くかどうか電池アダプターと市販の電池を使用して動作確認をしましょう。電池アダプターを自作するにしてもジャンクカメラなどの故障箇所を見つけるには電池アダプターを数種類用意しておく方が原因発見には近道になりますので、市販の電池アダプターも1セット持っておいて損のない商品です。格安電池のLR44などで動作確認が出来たら、電池はSR44を使用してより安定した露出で撮影する事をおすすめします。





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