【レビュー】オリンパスOMマウント用のマクロアダプターをSONY α7Cで使うとあり得ないほどに寄れまくります

・マウントアダプターを使用する

ミラーレスデジタルカメラで最新のオートフォーカスレンズも使っていて面白いですが、古いマニュアルレンズを使ってみるのも新しい発見があります。手持ちにあるオリンパスOMマウントのレンズをSONY a7Cで使用出来るようにヘリコイド付きのマウントアダプターを取り付けてみたので使用感なども含めて書いていきます。

・Pixco ヘリコイド付きE-OMマウントアダプター

今回購入したのはPixco(ハシュポ)のE-OMマウントアダプターでレンズを前後させるヘリコイド付きで、マウントはカメラ側がソニーEマウント、レンズ側がオリンパスOMマウントになります。フルサイズ用なのでOM用の各クラシックレンズが同じ画角で使用する事が出来て、かつより寄れるようになる優れものです。


パッケージ

・格安ブランド

ハシュポは格安のマウントアダプターやカメラ用品を扱っているメーカーで、ヘリコイド付きのマウントアダプターはここしか出してなかったりするマウントもあります。


パッケージ裏側

・中国からの輸入

メーカーからの直販だったためか海外からの発送で1ヶ月以上経ってから到着しました。到着予定を大きく遅れて届きましたが、梱包が小さすぎて空港の税関でほぼ行方不明になっていたようです。


梱包が小さすぎです

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・ソニーのミラーレス用

ソニーのEマウントのミラーレスデジタルカメラであればAPSなどセンサーのサイズを問わず使用する事が出来ます。a6600などAPS機だと使用するOMレンズの焦点が1.5倍となり、50mmレンズを使用すると75mmとなります。


レンズマウント側


カメラマウント側

・ヘリコイド機能付き

ヘリコイドでレンズの全長が伸びるため最短撮影距離が短くなります。フィルムカメラでよく使用されたマクロリングと同じ効果がレンズをつけたまま調整しながら使用可能になり、ミラーレスカメラが出る前では考えられなかった夢のような商品です。ヘリコイドを伸ばした状態だと無限でのフォーカス(ピント)は合わなくなるので、マクロ撮影が終了したらヘリコイドを元の状態に戻しておきましょう。


ヘリコイドを縮めている状態


かなり伸びます

・作りはいまひとつ

はっきり言うと作りはそれほど良いとは言えず、ヘリコイドの動きも通常のレンズの様なスムーズさはなく金属同士が擦れているような使用感です。そしてヘリコイドの伸びる部分にはいつもオイルが染み出てています。それでもレンズ取り付けが斜めになっていたりもしませんし普通に撮影は可能なので、ここは格安品だし便利な機能付きで遊べるくらいのつもりで使用しましょう。オイル染みがレンズに付くと面倒なので使用する前にオイルは拭き取っておき、マウントアダプターをカメラ本体に取り付けた状態で車で移動などは揺れてオイルがセンサー部分に付く可能性があるのでやめておきましょう。


レンズ側マウントから

・キャップを取り付ける

格安品と言ってもカメラのセンサーとレンズの近くに装着するパーツなのでホコリは大敵です。通常の保管時や移動時には前後にキャップを付けておいた方がよいでしょう。焦点工房など比較的高価なマウントアダプターだと前後のキャップが最初から付属していたりします。


OMマウントボディキャップとEマウントレンズリアキャップ


レンズ側のキャップ


ボディ側のキャップ



・他のOMマウントアダプターと比べてみる

K&F Conceptのマウントアダプターは価格の割に作りがよく何種類か使用いています。ヘリコイドが付いてなく作りが単純なのもありますが、マクロ撮影をしない方はK&Fのマウントアダプター(現在新型が出ています)をおすすめします。EOS RFマウント用のヘリコイド付きOMマウントアダプターと比べるとソニーのEマウント(18mm)はフランジバックがキャノンRF(20mm)より2mm短い分ソニー用の方がレンズ繰り出し部分が長くなり、より寄って撮影が可能になります。


右がK&F ConceptのOMマウントアダプター


レンズ側マウント


カメラ側マウント


ヘリコイドを伸ばすとかなり違います

【レビュー】SONY α7Cにマウントアダプターを取り付けてオリンパスOMレンズで撮影をする

・計量してみる

ヘリコイドのパーツがある分ハシュポのマウントアダプターの方が少しK&Fの物より重たくなっています。


ハシュポのヘリコイド付きマウントアダプター


K&Fの方はヘリコイドが無い分軽量です

・カメラに取り付けてみる

SONY a7Cで使用するのでレンズをはずしてマウントアダプターを取り付けます。特に精度的には問題なくきちんと取り付ける事が出来ました。レンズを取り付ける前に一度マウントアダプターがきちんとはずす事が出来るかもレンズ取り付け前に確認しておきましょう。

*通常使用する場合はレンズをマウントアダプターに取り付けてからカメラボディに取り付けます


キットレンズが付いています


レンズを取り外しました


ボディの白いマークとマウントアダプターの赤いマークを合わせて取り付けます


マウントアダプターを取り付けました



・OM 85mm F2

OMのレンズで一番好きなのはOM Zuiko 85mm F2です。85mmの焦点距離は中望遠のポートレートレンズと言われる画角のレンズで非常に素晴らしいレンズで、同じ名前のレンズでも大きく分けるとレンズの先端が銀縁のシングルコーティング(SC)とマルチコーティング(MC)の物に分かれます。厳密には3つですがMC以降のレンズ名の表記が違う程度です。(MCの記載が無しでもマルチコーティング)このレンズは複数本所有して程度の良い物に入れ替えを重ね今は極上の物だけが手元にあります。デジタルカメラで使用するとMCの方が色乗りがよいですが、個人的には使用感やレンズの見た目も含めてSCの方が好みです。SCとMCではコーティングだけの違いだけではなくレンズの構成が大きく変更されていてMCの方はレンズ自体が若干大きく重たくなっています。どちらも素晴らしいレンズなのでOM-1、OM-2などを使用している方やデジタルで使ってみたい方にもおすすめしたいレンズです。


シングルコーティング(SC)


SCは少し軽いです


マルチコーティング(MC)


MCは若干重たいです

・OM用レンズを取り付ける

マウントアダプターにレンズを取り付け撮影が出来るようになりました。ミラーレスに一眼レフカメラ用のレンズを取り付けるとミラーの部分だけレンズが前に出てしまいますが、レンズ自体が軽量なので撮影するには問題ありません。


レンズの赤いマークを合わせて取り付けます


OM 85mmを取り付けました

・ヘリコイドを使用して撮影

撮影会があったのでa7CとOMレンズの組み合わせで参加してみました。通常でも良い写りですが、いつもより寄れるようになる事で撮影の幅が広がります。最短距離が通常の0.85mからかなり短くなりハーフマクロ前後にはなっているので、かなり面白い写真が撮れるようなりました。a7Cはボディ内手ブレ補正機能が付いているので手持ちでもかなり寄って撮影が出来ます。撮影時は手ぶれ補正の設定を85mmに設定するのを忘れない様にしましょう。この後面白かったのもありライカMマウント用のヘリコイド付きマウントアダプターも揃えました。


ヘリコイドは縮めた状態


全長がかなり伸びます

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・OM 50mm F3.5 Macro

OM用で1本だけレンズを選んでくれと言われたらOM Zuiko F3.5 Macroをおすすめします。こちらもSCとMCのモデルがありますが、MCの方をおすすめします。実際に取り付けて撮影してみるとわかりますが、色の良さは現在のレンズと大差ないほどカラフルに映るので驚く事間違いなしです。マクロの名が付いているだけにマクロリング無しでハーフマクロまで寄れるので何でも撮れる本当に優れたレンズです。そして価格も安値安定です。


OM 50mm F3.5 Macro


小型ですが85mmとそれほど重量は変わりません

・マクロレンズを取り付ける

こちらのOM 50mm F3.5 Macroも撮影で使用しました。マクロレンズなのもあり最短だとかなりレンズが飛び出しますが、色乗りの良さとヘリコイドを繰り出さなくても1/2マクロになるので気軽に何でも撮れてしまいます。ハーフマクロでも手持ち撮影には非常に厳しいですが、マウントアダプターのヘリコイドを伸ばして等倍もしくはそれ以上のマクロになるとあり得ないほどに対象物が大きく三脚がないと厳しくなってきます。ここまでのマクロは通常の撮影では必要ないでしょうが、それ以下で調整しながら撮影が出来るようになり便利になりました。


レンズは無限でヘリコイドを繰り出した状態


レンズは最短でかつヘリコイドを繰り出した状態

・ヘリコイド付きマウントアダプターを使用してみて

フィルムカメラのレンズの最短撮影距離は現在の最新のレンズと比べると長く撮影時に一歩下がる事が多かったですが、ヘリコイド付きマウントアダプターをミラーレスデジタルカメラで使用すると、調整可能なマクロリングを取り付けた状態になりリング交換の必要もなくより寄って撮影が可能になりとても撮影の幅が広がります。OMのレンズは低価格で写りの良いモデルもあり程度良好なもまだあるので、この機会にヘリコイド付きマウントアダプターにオールドレンズを取り付けて撮影をしてみてはどうでしょうか。




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