【レビュー】ピークデザインのスライドライトストラップにストラップリングガードを自作してSONY α7Cに取り付ける【レザークラフト】

・Zeiss Batis 85mm用のストラップを探す

SONY a7C用の単焦点レンズとしてZeiss Batis 85mm F1.8を選んだものの、カメラ本体のコンパクトに比べレンズの大きさがあるため持ち運び時にレンズ側が下がるのが気になっていました。そこでピークデザインの人気ストラップのスライドが斜めがけをしつつレンズを下に向けてカメラを縦吊りに出来ると言うので試してみる事にしました。付属のストラップリング用のリングガードも自作してみたのでカメラへの取り付けへの工夫などを含めて書いていきます。

・peak design slide lite

今回選んだのはpeak design slide lite(ピークデザインスライドライト)でカラーはアッシュになります。スライドライトは通常の横吊りだけでなく斜めがけやカメラの縦吊りに対応してそのスタイル変更をスピーディに出来る面白いシステムのストラップです。ストラップの取り付けもアンカーリンクスと言う独自の形状でストラップの取り付け取り外しがとても簡単になっています。スライドライトは細めのタイプでスライドとより大きめのカメラとレンズ用のストラップも出ています。よりコンパクトなAPS-C機器やコンパクトデジカメ用にはリーシュと言う細いタイプのストラップもあります。


数種類のストラップスタイルへ変更可能です

・なぜピークデザインに

普段は自作ストラップのみを斜めがけで使用していて手持ちのフィルムカメラがどれも軽かったので一切問題はなかったのですが、ソニーa7CにZeiss Batis 85mmを組み合わせたらレンズが大きいのもあり持ち運びの時にレンズが下がり快適とは言えなくなってきました。ストラップリングを三脚穴に取り付けて縦吊りにして少し改善はしましたが、重量の部分と長さの変更が必要になりここは1本ストラップを揃えようとなりました。かなりいろいろなメーカーを比べたものの、斜めがけ可能なストラップ自体がそもそもそれほどなく、あっても調整部分のパーツが大きいとか見た目もよくなく決定的ではありませんでした。最後まで悩んだのはOP/TECHのパーツをバラバラに揃えてカスタムする事でしたが、以前からあるストラップですし最終的には機能的にも問題なさそうでより新しく面白そうと言うのもありピークデザインのスライドライトを選びました。

Zeiss Batis 85mmに フィルターと短いメタルフードを取り付けてストラップを縦吊りにして取り回しをよくしました


斜めがけでカメラを縦吊りも可能です


スライドライトは細めです

・開封する

ストラップ本体とカメラとの取付パーツのアンカーリンクスやスライド機能になる調整部など主要な部分が見えるパッケージなので店舗での商品の色味などの確認がしやすくなっています。海外製品なのでこう見えてかなりガッチリと固定されているので、開ける時はゆっくりとワイヤーなどをはずしていきましょう。


本体が見えるパッケージです


説明書を読みましょう


ポーチが付いてきます

・付属品や付属する工具

ストラップ本体とポーチに細かいパーツが入っています。アンカーは2つ付属で1つは三脚に取り付けるアンカーマウントに2つが元からストラップ側に取り付けられています。


本体とポーチ


全ての付属品を出しました


取り付け用パーツと工具が付属

・ホーチ付属

pdマーク入りのポーチが付属していてスライドライトストラップがちょうど入ります。ストラップを入れると言うよりは出先でアンカーマウントを取り外したりするための工具や予備のアンカーを入れておくポーチなのでしょう。マイクロファイバー製なので緊急時にはカメラを拭くのに使えるかもしれません。


pdのロゴ付きポーチ


後ろ側


ストラップ本体を入れてみました

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・ストラップ本体

ストラップ本体は生地も全体の作りがよく金具部分のクオリティもとても高いです。ストラップの首と肩にかかる部分は面白いアイデアで通常はスライドさせるために滑る素材の方が下に来ますが、両釣りやストラップを短くした時などにストラップを固定したい場合は裏返すと滑り止め側が下を向くようになっています。


ストラップとアンカーが2つ最初から付いています


右側は滑り止め加工されています

・楽に長さ調節

スライドライトと言うくらいでストラップの長さを素早くスライドして調節が可能になっています。金具部分を上に上げるとストラップがフリーになり簡単に長さ調節が出来ます。


スライドさせるロック部分


ロックの金具を横から

・アンカーリンクス

ピークデザインのストラップの最大の特徴はこのアンカーリンクスでしょう。アンカーコネクター(丸と紐が付いたパーツ)をカメラ側に取り付けしてアンカーにストラップの先端を取り付けるとストラップが固定されます。金属のストラップリングを使用しないのでカメラ側に傷がつきづらくよく考えられています。このアンカーリンクスのシステムを通常のストラップに取り付けるパーツも販売されています。アンカーと記載しますが、海外のオフィシャルサイトによると紐の付いたパーツはアンカーコネクターと表記されています。


アンカーは最初から取り付けられた状態です


アンカーとの接続部


取付部の裏側


アンカーは合計4つ付属しています

・アンカーを取り付ける

Zeiss Batis 85mm F1.8を取り付けているソニーa7Cにアンカーを取り付けたいと思います。カメラはコンパクトですがBatis 85mmは大きさがあるので両吊りストラップだとレンズ側が下がってしまうので、今回のピークデザインのスライドライトで斜めがけのカメラを縦吊りにする予定です。カメラにレンズが取り付けてありますが、実際にアンカーやストラップを取り付ける時はレンズを外した状態で行った方が安全です。

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SONY a7CにZeiss Batis 85mmを取り付けました


右のストラップ取り付けの金具にアンカーを取り付けます

・なんと取り付け不可能

なんとアンカー(V4です)はソニーa7Cには取り付けが出来ません。デンタルフロスなどを使用してみましたがa7C側の穴が小さすぎて入りませんでした。まさかこれだけ人気のストラップの取り付けテストもせずにa7Cの発売してるとは思ってもみませんでした。この穴で何gが軽量化されたのかわかりませんが、ユーザービリティを下げてまでする事ではないでしょう。


アンカーが通る穴の大きさではないです


フロスを利用する


どうやっても穴を通りません

・アンカー V4

今回のスライドライトに付属しているアンカーはV4(第4世代)で以前のものより強度を上げたため太くなっています。以前のV3の紐部分は細いのでa7Cでも取り付けられるとは思いますが、メーカーが強度不足で無償交換にした品なので無理にV3を使うのはおすすめしません。



・さすがの海外製

さすが海外のブランドだけにアンカーを直接取り付けられない時のために専用のストラップリングが付属しています。ストラップリングは移動時にカメラボディを傷つけるのでストラップリングガードの必要が出てきました。ここは自作ストラップ同様にレザークラフトで自作する事にします。


付属のストラップリング

・即席ストラップリングガードを自作する

ストラップリングガードはいくつも制作しましたが、今回のピークデザインのストラップリングは小型なのでそれに合わせて小さめの物を作る事にしました。細めのストラップを作った時に余った革の切れ端を切り抜く事にしました。大量に作るわけでもないので型紙も起こさず目分量で切り抜きました。道具を用意してから10分前後であっさりと完成したのでこれでストラップの取り付けの用意が完了しました。

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革の切れ端を使用します


型紙無しで切り抜きました


トコノールで毛羽立つ革とエッジを処理します


あっさりと完成しました

・ストラップリングガードとアンカーを取り付ける

出来上がった即席ストラップリングガードをまずa7Cの左側に取り付けます。ストラップ取り付けのピンにストラップリングガードを取り付けてリング、アンカーの順で取り付けますが、アンカーの紐を通しにく場合は釣り糸などを使用すると楽に紐を通せます。カメラにレンズが付いていますが、ストラップリングを取り付ける場合はレンズを外した状態の方が安全です。


ストラップリングガードを取り付ける


付属のストラップリングを取り付ける


アンカーを取り付けました

・両側に取り付ける

左側と同様に右側にもストラップリングガードとアンカーを取り付けます。最初から斜めがけで縦吊りと決めている方は右側にアンカーの必要はありません。両側にアンカーを取り付けたので、これで通常の両吊りのストラップとして使用する事が出来るようになりました。


カメラの右側にもアンカーを取り付けます


ストラップリングガードとリングを取り付けました


フロスでアンカーを通します


右側にもアンカーを取り付けました


アンカーを左右2つ取り付けて両吊り可能になりました



・三脚穴用ストラップリング

ピークデザインがすすめるストラップの斜めがけでカメラを縦吊りにするためには三脚穴にもアンカーを取り付ける必要があります。本体に付属しているアンカーマウントと言う三脚穴へ取り付ける専用パーツを三脚穴にネジ止めします。パーツ自体は6.1gととてもコンパクト軽量になっています。ほぼ全ての三脚穴が1/2ですが、Rolleiflexなどクラシックカメラや古い機種で三脚穴が大きくてリングの取り付けネジが合わない場合は3/4を1/2に変換するアダプターを使用しましょう。三脚穴のサイズ変換アダプターはたいていどこの大手量販店でも扱っています。


三脚穴にアンカーを取り付けるための専用パーツ


三脚穴に取り付けるネジ側です


アンカーマウントは6.1gと軽量です

・アンカーマウントを三脚穴に取り付ける

三脚穴にアンカーマウントを取り付けるにはヘックスレンチ(六角レンチ)が必要になりこれはストラップに付属しています。三脚穴への取付はあまり力を入れすぎて回すとリング側が先に曲がる強度で設計しているとは思いますが、カメラ側が壊れてしまうので気をつけましょう。出先で取り外しなどがしたい時に工具がないとどうにもならなくなるので、撮影先でアルカスイスのプレートに入れ替えるなど頻繁にある方はヘックスレンチをカメラバッグに必ず入れておくか、以前のピークデザインのストラップに付属していたアルカスイス対応のアンカーマウントに変更するとよいでしょう。


取り付けようのヘックスレンチが付属します

・アンカーを先に取り付けておく

三脚穴にアンカー用のリングを取り付けてからアンカーの紐をくぐらすのは狭くてやりづらいので、先にアンカーをリングに通しておいた方が取り付けは楽になります。これで3つ全てのアンカーが取り付けられたので、ピークデザインのスライドで変更可能なスタイル全てに対応出来るようになりました。


三脚穴にリングを取り付けました



・ストラップを取り付ける

まずは普通にカメラ本体の左右にストラップを取り付けて両吊りにしてみます。カメラ自体がレンズを含めて重たくなく軽めのレンズの場合や撮影時や人混みの中でカメラを持って移動する場合などでもストラップを両吊りにしておいた方がよい時もあります。


ストラップにアンカーを入れてロックします


両吊りストラップになりました


スライドさせて長さ調節をします

・縦吊りにする

ソニーa7CにBatis 85mmを組み合わせるとレンズの重量があってレンズ側が下がるので両吊りだと厳しくなります。そこで逆にこのレンズが重たいのを利用してカメラを縦吊りにしてストラップを斜めがけにすると非常に移動が楽になります。空いている場所での移動はカメラを背中にまわしてしまえばより楽ですし、人混みではストラップの長さを短くカメラを前側に持ってきてしまえばレンズをぶつけてしまうのを防げます。スライドライトでは1.0kg前後対応で実際にa7CとBatis 85mm(合計で約1.0kg)の組み合わせで問題なく快適に使用出来ました。

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アンカーマウント側にストラップを取り付ける


シャッターボタンとは逆に取り付けます


縦吊りになりました


3つアンカーを取り付けてもスペアに1つ余ります

・アルカスイスプレートを使用する

三脚穴を塞いでしまうと三脚を使用する時にいちいち六角レンチでパーツを交換しないといけなくなり、出先で特に寒い時期などパーツ交換はなるべく避けたいので、アルカスイス対応のプレートに付け替えてみる事にしました。選んだのはherringbone(ヘリンボーン)のクイックリリースプレートのH100501でArca Swiss(アルカスイス)とManfrotto(マンフロット)の両方の三脚の雲台に対応するアイデア商品のプレートでちょうどピークデザインのアンカーが取り付けられそうな穴も開いています。


ヘリボーンのアルカスイスプレート


取り付けネジ側です


クイックリリースプレート本体で29.2gです

・クイックリリースプレートを取り付ける

アルカスイスのプレートなので三脚に合わせて向きを決めてプレートを取り付けます。プレートの穴にアンカーの紐を通して準備は完了です。


三脚穴にプレートを取り付けました


アンカーを穴に通します

・ストラップを取り付ける

スライドライトをアンカーに縦吊りの向きに取り付けてみたらプレートの穴が液晶画面側にずれているのでストラップを肩にかけた時にバランスがくずれたのでプレートを90度回転させました。一応使用は出来たのですが、少し重くなるのとそれほど三脚ばかりを使用しないので、元のアンカーマウントに戻しました。夜景に限らず三脚を頻繁に使用する方はアルカスイス対応のプレートにしておくと暗いところでのパーツ変更も減り便利だと思います。


ストラップを取り付けます


プレートの向きを変えました


元に戻しました

・スライドライトを使用してみて

撮影が好きなスタッフが自ら自分たちの欲しいストラップを作ったと言うだけに非常によく考えられて機能的なストラップです。長さ調整が簡単で斜めがけから一気に撮影用に短くしたり、しかもアンカーの取り外しやすさで両吊り縦吊りが楽に切り替えられるのは本当に素晴らしいです。色もよく黒だけで残念とかおしゃれじゃないのはどうもと思っている方には機能的にもふくめてこれしかないストラップと言っていいでしょう。





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