【カメラ修理】ミノルタXE-1のプリズムの腐食防止処理と各部の整備クリーニングをしたら長く使える完動品となりました

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ページ1:ミラーボックスの清掃
ページ2:ISOダイヤル基盤の分解(このページ)
ページ3:シャッターレバー周りの分解
ページ4:モルト交換と底カバー分解
ページ5:プリズム清掃と露出調整

目次

・ミノルタXE-1の持病

ミノルタXE系のカメラの持病として絞り優先のAEの不調からシャッター速度などが不安定になる事があります。これはISO(ASA)ダイヤルの下にある基盤(抵抗)の回転部分の劣化や汚れからくるものでXE系のカメラではよくある修理箇所になります。このミノルタXE-1はどのモードでもシャッタースピードは安定していますが、より長く使えるようにISOダイヤル部分の清掃をしてしまいます。


左側巻き戻しクランクの下にあるISOダイヤルの接点を清掃します

・分割式トップカバー

ミノルタXE-1(XE)のトップカバーは左右と中央に3分割されておりメンテナンスや整備性が高くなっています。ISO(ASA)のダイヤルの基盤の接点をクリーニングするには左側のトップカバーをはずす必要があります。

ミノルタXE-1にエクステンションチューブを取り付けてマクロ撮影を可能にしました

・巻き戻しクランクをはずす

巻き戻しクランクはそのままだとグルグルと回り続けてしまうので、フィルム室を開けてクランクの先に割り箸などを挟んで固定すると簡単に巻き戻しクランクをはずす事が出来ます。古いカメラなので巻き戻しクランクのハンドルを持って回すと金属疲労などで根本から折れてしまう事があるので、クランク全体を持って回すようにしましょう。


巻き戻しクランクをはずしました

・ISOの値を決める

フィルムカメラに限らずダイヤル類を取り外す時は必ずどの値の状態ではずしたかメモしておきましょう。基本的には最大値か最小値にしておくと確実で、ISO 3200で露出補正ゼロに設定してからダイヤルを取り外します。シャッタースピードも同様でXE系の場合はAUTOに合わせておくと取り外しも組み立ても楽になります。


ISO 3200で露出補正0に合わせました

・パーツを取り外す

巻き戻しクランクをはずしたらクランクの中心を上から順番にパーツを取り外していきます。この時取り外したパーツの裏表や前後の向きはそのままにトレーなどに並べてきます。ワッシャーなどは裏表がある事が多いので清掃する際も裏表がわからなくならないように注意しながら進めます。


上から順にパーツを取り外していきます


パーツはかなり簡単にはずせます


パーツを取り外した順番にトレーに並べてきます

・左カバーを取り外す

巻き戻しクランク下のパーツを全てはずしたら、ファイダー左にある左トップカバーを固定している小さいネジをはずします。ファイダーシャッターのレバーに隠れているネジは取り外す必要はありません。(真ん中のペンタプリズムカバーを外す際にネジカバーも含めて取り外す必要があります)カメラ整備で使用するのはプラスドライバーはベッセルのドライバーNo.910(+0x75)です。ベッセルのドライバーは日本製ネジへの噛みが違うので、この1本でほぼ全てのネジに対応出来ます。


カメラのネジにはベッセルのドライバーNo.910(+0x75)で決まりです


ネジを取り外しました


カバーもトレーに並べます

・内部のパーツを取り外す

巻き戻しクランク側のカバーを外すと配線や基盤が見えてきます。続けてクランクの軸に取り付けてあるパーツを更に順番に外していくとISOダイヤルの基盤に到達します。ステーは小さい3つのネジで止まっているので、カメラ内にネジを落としたりしないように気をつけながら外しましょう。


ワッシャーやステーなどが増えてきます


小さいネジをなくさないようにしましょう


左にあるのがISOダイヤルの基盤です

・基盤を清掃する

固定しているパーツをはずすと円形の基盤を持ち上げられるようになります。配線が繋がっているのでゆっくりと持ち上げて基盤の金属部分(ブラシ抵抗)を無水エタノールでクリーニングします。


左にある丸い基盤をクリーニングします


基盤をクリーニングしました

・パーツを取り付ける

ISOダイヤルの基盤を清掃したらパーツを取り外したのと逆の順番で取り付けていきます。金属ではなくプラスチックや樹脂製のパーツがあるので、パーツ破損を防ぐためにもネジを強く回し過ぎないようにしましょう。


基盤を元の位置に戻しました


ネジの取り付けトルクに気をつけましょう

・動作確認を忘れずに

全てのパーツを取り付けてカバーを戻したらレンズを取り付けて電源を入れ絞り優先オートとマニュアルの時の露出とシャッターを切った時のスピードが正しいか必ず確認しましょう。パーツの取り付け順や斜めについていたりすると正しく動作しないので、1つ終わらせたら必ず動作確認する癖を付けておきましょう。

次のページではシャッターレバー周りを分解していきます








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