ページ1:ISOダイヤルの清掃
ページ2:シャッターレバーの分解
ページ3:ペンタプリズムの分解
ページ4:プリズム修正とモルトの貼り替え
・プリズムを修正する
腐食したプリズムの部分を修正するには再蒸着が最適ですが、コストも時間もかかるのでここでは簡易的にアルミホイルを貼り付けます。一番よい方法はミラーフィルムを貼り付ける事なので、車の窓用のミラーフィルムの残りなどがある場合はカメラ用に残しておくとよいでしょう。プラスチックミラーも貼り付けられますが、使用する場合は表面反射鏡(スパッタリングミラー)にしましょう。(通常の透明部分の奥が反射するミラーだとファインダー象がズレてしまいます。)
アルミホイルのピカピカ側を貼り付けました(ファインダー自体は見えるようになります)
・ファインダー内を清掃する
プリズムを戻す前にファインダー内にホコリなどがないか確認して綺麗にします。プリズムも指紋が付かないようにレンズペーパーなどで包んでから動かすなどしましょう。どうやっても小さいチリやホコリ入り込むので、ファインダーを覗いて許せる範囲でプリズムを固定してしまいましょう。
・トップカバーのモルトを貼り替える
ペンタプリズムのカバー部分も遮光のためにモルトが使われています。こちらも古くなった剥がして清掃してからモルト(ハイミロン)で貼り替えます。ペンタプリズムカバー前面のminoltaロゴがあるパネルの内側にもモルトが使用されているので、清掃してモルトを貼り替えます。ハイミロンと両面テープだと若干分厚く取り付け時に少しきつくなりますが、遮光などには全く影響ありません。
・ミラーショックのモルトを貼り替える
レンズマウント側からミラーが上がった時に当たるサスペンション部分の先端にモルトは貼ります。消音効果を狙う場合はスポンジ系の素材にするとシャッターを切った時の音がより小さくなります。
・シャッターレバーのモルトを貼り替える
シャッターレバーの根本にあるパーツにはリング状のモルトが使用されていて、レバー部のオイルと共に非常に傷みやすいのでこの部分のモルトも忘れずに交換します。古いモルトは円形状でかなり腐食が進んでいますが、この形状に合わせてモルトを切り出して貼り替えます。
・レバー類を取り付ける
シャッター巻き上げレバー根本のパーツのモルトを貼り替えたら、これまで外した全てのパーツを順番通りに必要な部分には注油をして取り付けていきます。設定したシャッタースピード(今回はAUTO)を間違えないようにして組み上げます。パーツを取り付けたら必ず動作確認をして不具合などがあれば組み直します。
・快調になる
ISO側の端子を磨いてシャッターレバー側のパーツの清掃と注油をしたのもあり、手に入れた時より更にスムーズに素晴らしい巻き上げフィーリングとシャッタースピードも安定するようになりました。
・フィルム室のモルトを交換する
日本製のカメラで付いてまわるのがモルト交換です。ミノルタXEはコニカC35ほどゴミは出ませんが、細いモルトが使用されているので細かい作業になります。最初にモルトを剥がして綺麗にしていたので、モルトを切り出して貼るだけになります。モルトはGクリアなどの接着剤を使用する方もいますが、両面テープの方が剥がす時に楽なのとはみ出る事がないのでおすすめです。のり付きのモルトなどを使用するのもよいでしょう。
・整備と修理が終わって
ISOダイヤルの基盤の清掃と各部の調整やパーツ洗浄や注油をしてからモルトを貼り替えて、ジャンクカメラだったミノルタXEは完全復活して動作部分は完動品となりました。レンズのMC Rokkor 50mm F1.4も極上で撮影準備は整いました。ミノルタXEは持病部分もそれほど整備は大変ではないので、シャッターが切れる事さえ確認出来ているのであれば自分で修理してしまうのもよいでしょう。XEは筐体も大きくパーツ間も余裕があり整備しやすいので初めてのジャンクカメラ修理にもおすすめです。
*撮影した後にプリズムの再修復と露出とやシャッタースピードなどの調整をしました(別の記事)