【カメラ修理】ミノルタSR-T101のCdSを交換して露出計を安定させました

・露出測光用CdSを交換する

ミノルタSR-T101をシルバーとブラックの2台体制にして撮影してみると、シルバーの方の露出計の反応がブラックに比べて遅いことに気が付きました。SR-T101の露出計の動きと反応を改善させるために、測光用のCdSを交換することにしました

・minolta SR-T101

使用するのはミノルタの機械式一眼レフカメラSR-T101のシルバーです。ミノルタSR-T101シルバーはジャンクで手に入れた後に清掃整備と共にシャッタースピードの調整も済ませ撮影は問題なく出来るようになっています。レンズマウントはSRマウント(MC、MDマウント)でシリーズ機の中では初期型にあたりこの後にSR-T Super、SR505、SR101などが発売されました。


トップカバーを外しました


赤い線の先にあるのが測光用のCdSセルです

【カメラ修理】ジャンクカメラのミノルタSR-T101を使用可能にするためにクリーニングする

・テスターを用意する

電気系を触りCdSの通電と抵抗などを測るためにテスターを使用します。テスターは低価格なもので十分なので1台用意しておくと、カメラの電池の残量チェックなどにも使えて便利です。デジタルとアナログ式がありますが、針の動きはアナログの方が見やすいのでアナログテスターを使用しています。


アナログテスターを使用します

・SR-T101ブラックと比べてみる

ちょうどSR-T101ブラックの整備もしていたのでシルバーと比べてみます。SR-T101の色違い2台を比べてみると、各パーツは同形状なものの真鍮とシルバーで色が違うパーツが多くあります。修理するカメラからパーツを取り外したりする場合は、配線やパーツの向きなどがわかるのでもう一台同じカメラ(ジャンクカメラ)を用意しておくと安心です。


奥がSR-T101ブラックでパーツの色が違います

・CdSセルが2つ

ミノルタSR-T101の発売された1966年前後はフィルム一眼レフカメラに限らずカメラが電気じかけになり露出計搭載だけでなくTTL測光から自動絞りなど様々な進化をした時代です。とは言え電子シャッターになりマルチ測光などが出来るようになるのはまだ先で、当時の限られた技術の中でミノルタは差別化をするために測光用のCdSセルを2つ使用して分割測光であるCLCを搭載しました。


プリズムの前後にCdSが取り付けられています

・分割測光CLC

CLCによる分割測光は単純でプリズムの前後にCdSを取り付けてファインダー内の上下を別に測光して平均値を割り出しています。これによって空が明るく地面が暗い時などに露出が引っ張られることがなく露出を測れて、今で言うスポット測光ではなく平均測光を機械式カメラ時代に載せてきたのが面白いです。ただ、CdSセルが横位置の時に上下に2つだけなので、縦位置で撮影する時は左右別の測光になって意味がなく、しかも結局平均値ならCdSが1つでも変わらないだろうと実際新型のミノルタXEなどのCdSは1つに戻っています。


上下を分割して露出を測ります

【カメラ修理】コニカ C35のCdSを交換したら完全復活しました【Konica】

・CdSを用意する

コニカC35のCdS交換にも使用しましたが、ミノルタSR-T101のCdSセルのサイズは大きいのでなるべき大きめのサイズのCdSを探しました。SR-T101はさすがに古く全く同じ型のCdSは見つかりませんでした、使えそうなCdSを3種類用意しました。CdSセルは抵抗値の違いで各種ありますが、カメラ用に実際取り替えてみると500kΩでも2Ωでも大差ありません。


揃えた各CdSセル

・CdSを取り外す

ミノルタSR-T101のCdSから出ている線はプリズム上部にある端子にハンダ付けされているので、半田ごてを使用してラインごとはずします。半田の端子は大きめなので取り外しやすいですが、他のパーツに影響が出ないように熱をあまりかけ過ぎず短時間で取り外すようにしましょう。


端子からCdSを取り外しました

・測光部分は小さい

ミノルタSR-T101からCdSを取り外してみるとプリズムから光が差し込む部分がかなり小さくなっているのがわかります。測光用の窓はCdSのサイズからかなり小さいので用意したサイズのCdSで問題なく動きそうです。


手前のガラス部分で測光します

・CdSを比べてみる

ミノルタSR-T101から外したCdSセルはカバー付きで大型のものになっています。用意したCdSも大きめなものの、ミノルタSR-T101のCdSと比べるとかなり小さいです。取り外したCdSと入れ替えるCdSはどちらも通電と抵抗をテスターで測り比較しました。


右のSR-T101のCdSはかなり大きいです

・CdSを取り付ける

まずは用意したCdSで露出計が動作するかを確かめるために絶縁チューブは使わずCdSセルをミノルタSR-T101に半田付けします。CdSを交換して電源を入れるとあっさりと露出計が動き出しました。トップカバーを外した状態だとプリズムの上からも光が差し込んでしまうので、露出の調整は全てのパーツを組み立ててからになります。


リア側のCdSを交換しました

・前側のCdSを取り外す

後ろのCdSは動いているようなので、前側のCdSセルも取り外して用意したCdSと交換します。前後のCdSを交換して電源を入れると無事露出計が動き出しました。


前のCdSを取り外しました

・組み立てる

CdSを交換して露出計の動作を確認出来たので、CdSのワイヤー部分に熱収縮チューブを取り付けて絶縁して、CdSの上からも絶縁テープを貼ってプリズムから光が漏れないようにしました。CdSを絶縁と遮光してからトップカバーを取り付けて、底面の抵抗で露出調整をしてミノルタSR-T101のCdS交換は完成です。








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