【カメラ修理】ミノルタSR-T101ブラックを分解清掃とモルトも張り替え完動品になりました【ジャンクカメラ】

目次

・フィルム一眼レフカメラの整備

これまで使用していたミノルタSR-T101シルバーに追加したブラックを安定して撮影に使用出来るように整備と清掃をする事にしました。SR-T101の修理と調整は慣れているので、シャッタースピードの調整からフィルム室だけでなくプリズム側のモルトなども交換して完動品に仕上げていきます。

ページ1:カバーの分解(このページ)
ページ2:プリズム周りの清掃
ページ3:文字のリペイント
ページ4:モルトの貼り替え
ページ5:通電確認とM42改造え

・minolta SR-T101

今回使用するのはジャンクカメラだったミノルタSR-T101ブラックです。これまで機械式一眼レフカメラのSR-T101シルバーをマニュアル撮影のカメラとして気に入って使っているのもありブラックも整備して黒銀のセットにします。


ミノルタSR-T101ブラック

フィルムカメラの修理やメンテに必要な工具や液体と電池類などをまとめました

・カメラの現状

ミノルタSR-T101ブラックの現状としてはシャッターは切れるが、露出計の針は電池を入れても動かずと言った具合です。ミノルタSR-T101は機械式カメラなので、露出計が壊れていたとしても単体露出計やスマホのアプリを使えば問題なく撮影出来てしまうので、もう撮影自体は出来る事はわかっています。(開放測光と自動絞りは動かないです)

・ジャンクカメラを入手するなら

もし機械式一眼レフカメラのジャンクを手に入れる時はシャッターだけ切れるか確認しておけば全く撮影出来ない事はないので、見た目が格好いいとかくらいの理由で手に入れてしまってよいと思います。どのみち古いカメラで露出測光用のCdSもヘタっている事が多いので露出計はおまけくらいに思っておけばよいです。電子シャッター式のカメラ(ミノルタXE、XDなど)は露出計が動かないとシャッターが連動しないので、手を出さない方がよいでしょう。

・フィルム室を開ける

フィルム室を開けてみるとジャンクカメラの割には綺麗でモルトのカスが落ちてきたりせずそれほど酷い環境で放置されていなかったと思われます。あまりにフィルム室が汚れている場合はゴミなどがシャッター幕やギアなどに入ってしまうため先に清掃した方がよいですが、今回はモルトを貼り替えの時に清掃する事にします。


カバーを開けました


シャッターも綺麗です


ゴミが落ちてくるほど傷んではいません

・底のカバーを取り外す

底カバーはカメラ底面のネジを外すだけで簡単にはずせます。底カバーをはずしたら各パーツが固着していないかシャッターをチャージして切って問題なく動いているかを確認します。カメラ整備のネジを外すにはベッセルの細軸ドライバー(ねじ回し)が1つあればほぼ全てに対応が可能です。


底カバーを取り外しました


パーツに不備がないか確認します

・電池ボックスを外す

古いカメラでよくあるのがボタン電池の液漏れによる電池ボックスの端子の腐食ですが、このSR-T101の電池ボックスは綺麗でした。念の為電池ボックスも取り外して見えなかったパーツ部分の腐食などがないかを確認します。


電池ボックスの腐食などはありません


電池ボックスを外しました

・注油とグリスを塗る

底のカバーを外すとクランクのグリスが乾いているのでギアも含めてパーツを無水エタノールで清掃していきます。パーツ清掃とともに必要な部分に注油をしますが、カメラへの注油は最低限より少なくてもいいくらいに留めます。オイルも専用がよいですが、なければミシンオイルやベアリングオイルなどをベンジンで10倍以上に薄めて1滴だけ垂らすとかにしておくとよいでしょう。グリスもミニ四駆用のシリコングリスなどでもよいですが、古いシリコングリスの中では乾くとカスが出るものもあります。モリブデングリスは黒く汚れているように見えますが、グリスアップした部分がわかりやすいのと乾きづらくカスが出ないのが特徴です。


左のクランクのグリスが乾いています


パーツを清掃してから注油とグリスアップをします

・シャッタースピードを調整する

底面にあるマイナスネジになっている真鍮(金色)のギアはシャッター幕の調整用ネジになります。このネジを回転するとシャッタースピードを調整出来るので、シャッター幕が緩んでいたりあまりにシャッタースピードがおかしい場合には調整をしましょう。調整の仕方なども含めてカメラの整備用マニュアル(サービスマニュアル)を手に入れておくとよいでしょう。

ミノルタSR-T101のシャッタースピード調整方法の記事はこちらです

・巻き戻しクランクを外す

トップカバーを外すためにまずは巻き戻しクランクレバーを取り外します。フィルム室を開けてクランク根本の二股部分に割り箸などを挟んでクランク全体を回すとクランクパーツ自体を取り外せます。クランクのレバーをつまんで回すと負荷がかかってレバーが折れてしまう事があるので、クランク全体を回すようにしましょう。フィルム室側のパーツも金属疲労で折れてしまう事があるのでパーツを最初に外す場合はパーツ破損に気をつけましょう。何より多くのクラシックカメラが40年以上経っていてパーツがヘタっていたり金属疲労がある事を忘れないようにしましょう。


割り箸を挟むと簡単に巻き戻しクランクが取れます

・シャッタースピードダイヤルを外す

このSR-T101に限らずシャッタースピードやASA(ISO)ダイヤルを取り外す場合は取り外す時のシャッタースピードとISOの数値のメモをしておきましょう。基本的には最大の数値にしておく癖をつけておくとよいでしょう。ミノルタSR-T101であればシャッタースピード1/1000、ISO6400に設定してからパーツの取り外しをします。


シャッタースピード1/1000、ASA(ISO)6400に固定しました


シャッタースピードダイヤルを外しました

・シャッターレバーを外す

トップカバー右側のシャッター巻き上げレバーを取り外すにはパーツに傷がつかないように吸盤オープナーを使います。吸盤オープナーが無い場合はゴムなどを巻いてからプライヤーなどで回すとパーツに傷が付きづらいです。パーツが硬い場合は無理に回すとプライヤーなどがはずれてボディに傷が付いてしまうので、ゆっくりと確実に進めましょう。


ゴムなどを巻いてプライヤーで回すと傷つけずにパーツを回せます


レバー周りのパーツを外しました

・トップカバーのパーツを外す

巻き戻しクランクを外すと下から円盤状のパーツが出てきます。このパーツを外すには中心にある部分をカニ目レンチで回す必要があります。ペンチなどで取り外せない事はありませんが、カメラやレンズ整備でカニ目レンチは必要になってくるので1つ安価なものでよいので揃えておくとカメラ修理が捗るようになります。


カニ目レンチで外します


トップカバーに付いていたパーツが外れました

・ペンタプリズムカバーを外す

トップカバーを外すにはペンタプリズムカバーを固定しているネジを外す必要があります。赤いマークはカバーになっていて取り外すと下からマイナスネジが出てきます。このマイナスネジを回しても取り外せますが、シャッターチャージレバーを取り外すのと同じ方法でゴムなどを巻きつけてからプライヤーで回して外す事も出来ます。


マイナスネジが出てきます


赤いキャップを外さず回す方法もあります

・トップカバーを外す

トップカバーに付いていたパーツとペンタプリズムカバーのネジを外すとトップカバー全体を取り外す事が出来ます。トップカバーを取り外したら内部の各パーツに問題がなく糸が切れていないかを確認します。


トップカバーが外れました


ギア部分も必要であれば清掃してから注油します

この次のページではプリズム周りを綺麗にしていきます







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