・28mmレンズを追加する
ミノルタのフィルム一眼レフカメラ用にMD Rokkor 28mm F3.5を使用していてるところに同じ画角のMC Rokkor 28mm F2.8を追加する事にしました。レンズが少しカビていた事もあり分解してレンズ内部のクリーニングもしていきます。
・minolta MC W.Rokkor 28mm F2.8
今回手に入れたのはミノルタ MC W.Rokkor 28mm F2.8で、SRマウント(MCマウント、MDマウント)のレンズです。自動絞りに対応したミノルタのフィルム一眼レフカメラに取り付けて使用する事が可能です。
・純正メタルフード
ミノルタやオールドレンズに似合うのはやはりメタルフードです。ミノルタは各レンズ用に専用メタルフードを用意していたので、レンズを手に入れたら純正フードも揃えてしまいましょう。各メーカーのメタルフード(Leica以外)も以前はジャンク箱で比較的低価格でしたが、最近はかなり価格が上がってきているのでフード付属のレンズを購入する方がお得な事も多いです。
・MC Rokkor 50mm F1.4と比べてみる
同じMCシリーズのMC Rokkor 50mm F1.4と比べてみると、同じMC名義だけに同じデザインでレタリングの文字のカラーなどが同じです。ミノルタのレンズは作りもよく質感が高いですが、フォーカスリングのゴム部分が剥がれている事が多いので確認してから購入するとよいでしょう。
・カメラに取り付ける
ミノルタのフィルム一眼レフカメラXE-1にレンズを取り付けてみます。ミノルタXE-1はXEの欧州版で違いは名前のみで機能などはミノルタXEと同じです。
・MD Rokkor 28mm F3.5との違い
MC Rokkor 28mm F2.8はこれまで使用していたMD Rokkor 28mm F3.5はF値が半段明るいのでサイズはほぼ同一なものの先端が少し太くなっています。写りがこれがびっくりするほど違い、MD Rokkor 28mm F3.5はコントラスがありより現代的であるのとは対照的にMC Rokkor 28mm F2.8は出てくる画がフラットで癖がないのにつまらない画にならない不思議な感覚になるレンズです。カラーももちろんよいですが、レンズの個性が出すぎず撮影者(現像者)側で結果が大きく変わるでモノクロの自家現像や増感したりするのに面白く使えるレンズだと思います。しかもMC Rokkor 28mm F2.8はそれほど人気もなく安価です。
右はminolta XEとMD Rokkor 28mm F3.5
・レンズを見てみる
MC Rokkor 28mm F2.8はフォーカスリングも自動絞りの爪の動きも問題なく絞りの油染みなども一切なく機能的にはそのまま撮影してもよさそうです。レンズ内部にホコリとチリが見えるのでクリーニングはした方が良さそうです。
・カビを発見
LEDライトで照らしてみると後玉側に点になっているカビが数個見つかりました。カビも湿度が高い時に出るカビもあれば乾燥でも出るカビなど種類が数多くあります。見た目が濡れた感じのカビだと液体系クリーナーでクリーニングすれば大体取れますが、点になっているカビは分解して清掃してみないとわかりません。
・まずはブロワー
レンズもカメラも分解する前にホコリを飛ばします。大きなゴミなどが付いていると分解時にカスがパーツの奥に入ったりとトラブルを起こす可能性があるので、まずはレンズの外装を綺麗にしてから分解を始めましょう。
・後玉をはずす
レンズの分解にまず必要になるのがカニ目レンチです。これがない事にはレンズの清掃修理は始まらないので、安いものでよいので1つ用意しておきましょう。OMマウントのレンズなどど違いマウント側にカバーなどが付いてないので、あっさりと後玉が取り外す事が出来ました。
・レンズ銘板はずす
カニ目レンチがあればレンズ前面にあるレンズ名が記載されている銘板を外すことができるのですが、力を入れて滑った時などに銘板そのものやレンズのガラス面を傷つけてしまうのでゴム製の吸盤オープナーを使用するのをおすすめします。こちらも固着などはなくあっさりと銘板を取り外す事が出来ました。
・前玉をはずす
銘板を外すと前側レンズが出てきてあっさりと外す事が出来ました。MC Rokkor 28mm F2.8はかなりシンプルな作りで、前後のレンズを外すのに精密ドライバーを使用してネジを取り外す必要はないので前後のホコリとチリを清掃するのはかなり楽です。前玉は傷もなく綺麗で前側は内部のホコリとチリなどを丁寧に取っていきます。
・レンズをクリーニング
レンズのガラス面を清掃するにはフジフィルムのレンズクリーニングペーパーとレンズクリーニングリキッドのセットを使用します。ペーパーは裏表がありツルツルの面(パッケージで表向きになっています)でレンズを磨きます。リキッドはレンズを綺麗にするだけでなく多くのカビを落とす事が出来ます。このセットを使用すればファインダーなども綺麗になります。
・カビを取り除く
後玉には点になったカビが数点ありレンズクリーニングリキッドで清掃すると気にならない程度にはなりました。ホコリやチリは全て取り除いて組立時にレンズ内に入らないように気をつけます。レンズのカビや汚れは前側より後ろ側の方が画質への影響が大きくなるので、後玉が大きくカビたり汚れているレンズは避けておいた方がよいでそう。後玉のカビ跡に関しては実際に撮影して全く問題はありませんでした。
・レンズサッカーを使用する
せっかくガラス面を綺麗にしたレンズに指で摘んで指紋をつけてしまわないようにレンズを取り付けるのにはレンズサッカーが便利です。MC Rokkor 28mm F2.8はガラス単体になっておらずカバーがついているので、手で持っても指紋が付きづらいですがレンズサッカーは用意しておくとより快適にレンズを組み立てる事が出来ます。
・レンズを組み立てる
レンズを組み立てる際は意外とレンズ銘板がきっちりと取り付けられてない事があります。レンズの銘板が緩んでいると撮影中に脱落し最悪の場合はガラスパーツが地面に落ちて傷が付いてします可能性があるので、銘板が斜めに取り付けられてないか確認しながらきっちりと取り付けましょう。レンズの組み立てに限らすですが、車やバイクのパーツも途中ま指でネジパーツが回らない場合はうまく取り付けられてないと思った方がよいでしょう。
・撮影してみて
清掃したMC Rokkor 28mm F2.8をミノルタの機械式一眼レフカメラSR-T101に取り付けて撮影してみました。フォーカス合わせも自動絞りも快適でF2.8と少し明るくなったのもありファインダーがMD Rokkor 28mm F3.5より見やすくなりました。まさに見たままが撮れる画角の28mmだけにストリートフォトグラフィーには最適なセットになりました。