【カメラ修理】ミノルタ Hi-Matic-Eの配線腐食と漏電を直したら完動品になりました【minolta】

– 半田をはがす

レザーをはがすとレンズボードがおろせそうですが、カメラの上下に配線がつながっていておろす事が出来ません。上部の配線をはずす方法と底部にある電池ボックスの端子の半田をはずす2つの方法があります。今回は配線不良なので電池ボックスの半田をはがす事にします。もし端子が青サビのようになっていたりすると、直しても接触不良が起こりやすくなるので、この時に端子を綺麗に清掃しておきましょう。


電池ボックスの手前の端子の半田をはがします


半田をはがしました

– 配線の長さを確保する

これですぐはすれるかと思わせてカメラ上部の配線の長さが足りず、レンズボードが前に出てきません。カメラに限らず修理などでパーツを無理に引っ張ったり回したりするのは避けましょう。何かが引っかかってる時はやり方が間違ってると思いましょう。


カメラ上部にある黒と緑の配線に注意します(製造時期によって配線の色が違います)


この麦球につながる配線が引っ張られています

– またパーツ脱落

レンズボードを前にずらすと毎度落ちてくる接着剤で接着されていたパーツです。配線をおさえてるためのパーツで無くても動きますが、接着しておきましょう。


脱落してきたパーツ

– 麦球をはずす

麦球の配線がひっぱられレンズボードが動かないので、この麦球を引き抜きます。そうすると配線が自由になるので、レンズボードの動きが大きくなります。外す時にシャッターのパーツで下の写真でみる長いパーツが引っかかって取りづらいので注意します。もし引っかかりがありレンズボードがはずしづらいようであればパーツごとはずしてしまっても構いません。


麦球をはずしました

– レンズボードをはずす

ここまできたらレンズボードがはずれるはずです。カメラの上部の配線はまだ繋がっているので、無理に引っ張ったりしないようにしましょう。


レンズボードが無事にはずれました

– レンズボードを確認する

取り外したレンズボードを確認します。配線腐食はやはり電池の液漏れやガス、高熱が原因だったようで、電池ボックスに近い部分だけが腐食していました。レンズ横にあるモルトもさすがに40年以上経っているので腐食しておりこれも交換する事にします。


レンズボード部分


真ん中に見える細い配線が1番影響をうけています(すでに端子から剥がれていました)



– レンズをはずす

後ろ側のレンズ(後玉)をはずします。この後玉はレンズボードをはずさないと清掃が出来ないのでこの機会に綺麗にしてしまいます。レンズ自体は元から綺麗でした。


レンズをはずしました

– モルトをはがす

レンズの取り付け部分の周りにあるモルト(遮光材)が完全に腐食しています。ゴミがカメラ内に落ちるとよい影響はないので、これも新品に交換してしまいます。この時にレンズを取り外している場合は絶対にシャッターに触らないようにして、シャッターの上にゴミなどが落ちないように注意しましょう。


モルトが腐食しています


モルトをはがしました

– モルトをはる

モルトにはフエルトではなくハイミロンと言うベルベットに似た生地を使用します。これはクラシックカメラ専門で修理しているショップなどが使用している物で毛羽立ちが少なく長持ちします。


古いモルトをはがしました


新しいモルトを貼りました

– レンズを取り付ける

モルトを貼ったらシャッターを保護するためにレンズを取り付けてしましょう。レンズも大事ですが、シャッターが壊れては元も子もありません。


レンズを取り付けました

– 養生する

レンズを取り付けたら半田が飛んだり傷がつかないように養生をしましょう。この時キッチンペーパーなどですとレンズに傷がつくので、レンズクリーニングペーパーを使用しましょう。ぴったりはまるゴムキャップがあればより良いですが、はずし忘れに注意しましょう。

次のページでは腐食した配線の修理をします。次のページへのリンクはこちらです。




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