
- minolta Hi-Matic Eのトラブル
機能に問題はないと思っていたのですが、露出もイマイチ安定せず調べたら電池の消費が凄く内部で配線不良になっていました。シャッターは切れるのですが、完全に壊れてしまう前にきちんと修理する事にしました。今回はレンズボードをおろして内部の配線の修理の方法や注意点などを説明しながら書いていきます。
– 配線腐食を発見
minotlta Hi-Matic E(ハイマチックE)の今回のトラブルで1番最初に気づいたのが新品電池を入れて最初はきちんとつくバッテリーチェックのランプが数分でつかなくなってしまう事です。この後にシャッターは切れるのですが、電池を調べるととんでもない高温になっていて、テスターで調べると片減りしていました。どう考えても漏電していて、電池ボックスの奥を見てみると配線が腐食していました。
– 電池破裂
試写中だったので100均の電池を使用していて、高温になった電池をはずして放置していたら破裂していました。今時なかなか電池は破裂しないので、電池に相当な負荷がかかったようです。
100均と大手メーカーの電池の違いの記事はこちらです
– 原因
このハイマチックEを手に入れた時からシャッターが切れず電源が入らないトラブルがありました。アース側の配線不良を直し電源が入るようにはなったのですが、長い期間アルミホイルを電池のアダプター代わりに使っていたようで、それによってガスと熱が発生し電池の液漏れなどで配線が腐食したと考えられます。よく裏ワザ的に書いてありますが、アルミホイルは電子機器に使うための物ではないので、アダプターとして使用するのはやめましょう。
ハイマチックE用の格安バッテリーアダプター作成の記事はこちらです
– トップカバーをはずす
配線部分にアクセスするためにはレンズボードをおろす必要があります。レンズボードをおろすにはトップカバー、底カバー、セルフタイマーのレバーをはずし、レザーをはがす必要があります。トップカバーの詳しいはずし方はハイマチックEシルバーのレンズボードをおろした時の記事に詳しく書いてあります。はずす前にレンズに傷がつかないようにレンズキャップを取り付けましょう。
ハイマチックEシルバーのレンズボードをおろしてレンズ清掃した記事はこちらです
– ついでにファインダー清掃
レンズボードをおろすとフォーカス(ピント)がずれファインダーの二重像の調整が必要になりますので、ついでに清掃もしてしまうためにファインダーのカバーもはずしました。これは修理をして最後で構いません。
ハイマチックEのファインダー清掃と調整の記事はこちらです。
– パーツが脱落
ミノルタのカメラに限らずこの頃のカメラはスペースを確保するためにネジではなく多くのパーツが接着剤によって取り付けてあります。さすがに発売後に40年以上経ってるカメラですので、接着剤が完全に劣化してパーツが脱落してくる事がよくあります。今回は小さなミラーが落ちてきました。これはファインダー表示用の反射ミラーですが、取り付けは簡単です。
– パーツを接着する
もし仮に今くっついているとしてもいずれ脱落すると思いますので、トップカバーを開けた際に事前にきちんと付け直しておくのもよいと思います。ミラーの位置がシャッター機構の場所に近いのでシャッターなどのギアと噛むと壊れてしまう可能性が高いです。
– 底カバーをはずす
底カバーはプラスネジが2本だけなので簡単にはずれます。バッテリーの蓋を動かす板バネと巻き戻しボタンの根元にあるプラスチックのパーツは背着やネジ止めされていないので紛失に気をつけましょう。はずしたパーツは後でわらかなくならないようにアルミのトレーなどに順番に並べておきましょう。デジカメを使って1ステップずつメモを”撮る”のも重要です。
– セルフタイマーレバーをはずす
次はセルフタイマーのレバーをはずします。セルフタイマーレバーの付け根に黒いパーツがありそれは接着されてるだけなのではがします。はがすとプラスネジが出てくるのでレバーをはずします。ワッシャーと共にパーツをなくさないようにしましょう。
– レザーをはがすには
多くのクラシックカメラのボディにはレザーが貼ってあるかと思いますが、これをはがすには無水エタノールを使用します。100均のコスメ用注射器を用意すると、少しずつ無水エタノールをかけられるので便利です。
– パーツの洗浄には
金属パーツにはオイルやグリスが塗られています。これが硬化するとカメラの動きや調子が下がります。金属のパーツ類の洗浄にはベンジンを使用しましょう。パーツ自体をはずした後であればバイクや車用などのパーツクリーナー等も使用出来ますが、直接スプレーをカメラにかけるのは避けましょう。
– レザーをはがす
無水エタノールをはじから少しずつたらしてレザーをはがします。この時少量でも十分効果があるので無水エタノールをかけすぎないようにしましょう。
次のページでは半田をはがしてレンズボードをおろします。次のページへのリンクはこちらです。