【カメラ修理】ミノルタ Hi-Matic Eのバッテリーアダプターを格安で自作して配線修理もしました【minolta】

– minolta Hi-Matic Eの電池と配線交換

手に入れたものの電池が無い事には動かない電子式カメラです。もう発売されていないタイプの電池ですが、格安で簡単確実に通電する自作アダプターを作ったので、その制作方法などを説明します。ちょうど配線腐食もあったので配線の取替も含めて書いていきます。

– 電源が入らない

minolta Hi-Matic E(ハイマチックE)は電子式カメラで、シャッタースピード、絞りの制御とシャッターを電子制御で動かしているため、電池が入っていないとシャッターがおりません。電源が入ると聞いていたこのハイマチックEも手にれてみると電源は入らないし、端子も腐食している品だったので修理して直す事にします。

ハイマチックEの記事はこちらです


電池ボックスを開けるとアルミホイルの塊が入っていました

– 電池アダプター作成前に注意点

よくウェブなどに片側にLR44を2つ、もう片側に銀紙を入れて通電させると書いてありますが、これは絶対にやってはいけません。アルミホイルは電子回路用に作られたわけではなく熱と腐食性のガスを発生し、これが故障の原因になります。(単3電池の端子をアルミホイルで繋ぐと火が出ます)今回の電池アダプターは電子回路用のパーツを使用するので熱対策等もアルミホイルに比べて安全になっています。


元々入っていた間違った方法

– ハイマチックEの電池

ハイマチックEの指定電池はHM-Nと言うもう生産が中止された水銀電池です。よくあるLR44に比べるとサイズも大きく厚みもかなり違うので、H-D(MR9)のようにそのままLR44が使えたりしませんが、高いアダプターを購入するのは避けて接触が確実なアダプターを格安で製作する事にします。

– 用意するもの

まずは動作確認用に100円ショップで揃えられる物を中心に揃えました。いきなり高い物は揃えず、確実にカメラが動くのを確認したらパーツなどを入れ替えてきっちりと作るのが大事です。今回は100均の電池と単4電池を単3電池に変換するアダプター、スプリングがついている電池ボックスを使用して、2種類試してみる事にしました。どれも電源に使用する為の素材で作られているので、回路的にも熱対策的にも安心です。


100均の4つ100円のLR44電池


単4電池を単3電池にするアダプター、これも100均で手に入れました


スプリング端子付きの電池ボックスは秋葉原などで30〜40円で手に入ります

– 単3電池アダプターから試してみる

まずは単4電池を単3電池に変換するアダプターの端子部分を切り出して、LR44電池を入れてハイマチックEの電池ボックスに入れてみます。電池ボックスの端子にスプリング機能があるタイプではなく、電池の端子を確実に押してくれないので接触に不安があります。そしてまだシャッターが切れません。Yashica Electro 35GX(エレクトロ35GX)の電池は同型のを使用しつつも、電池ボックスの端子が電池を押す形状になっているのでこのアダプターでも使えます。


電池ボックスの端子の形状に合わず、今回この方法は見送ります

– スプリング式端子を試す

単4電池用の電池ボックスで端子がスプリングになっている物です。スプリング以外は必要ないのでスプリング部分だけをカットして取りだします。そのスプリングの太い側をLR44の端子に接触させるようにして周りをテープで巻きます。ボタン電池は周り全体が+端子になっているので、電池ボックスの端子に触れる部分以外は全体的にテープで隠す方が安全かつ確実です。この時に注意が必要でハイマチックEの電池ボックスは+と−の端子の形状が片側は+が細い端子、もう片側は−が細い端子になっているので、端子の細い方にスプリングの細い方が接触するようにするように電池の+側にスプリングが接触するのを1つ、−側にスプリングが接触するのを1つずつ作ります。今回テープは剥がしやすいようにマスキングテープを使用していますが、通電とカメラの動作の確認が出来たら絶縁テープなどを使用してきちんと絶縁して下さい。


電池ボックスからスプリングを取りだします


LR44の端子にスプリングの太い側が触れるようにする

– まだ電源が入らない

テスターで確認するとスプリングが電池を押すのもあり確実に電池は端子に接触しているようですが、まだ電源が入りません。と言うことで、配線を疑って修理する事にします。


今回は配線をチェックするので裏蓋を開けます


裏蓋を開けたところ、端子が腐食しているようです



– 通電テスト

アース側(マイナス、黒い線)の端子が少し腐食しているようなので、まずは故障原因を見極めるため修理の前にワニ口クリップを使用して通電するか確認します。そうするとシャッターが問題なく切れたので、この端子にきちんと電気が流れるように修理します。


裏蓋を開けた状態で電池を入れてみる


ワニ口クリップで通電を確認すると問題なし

– 配線修理に必要な道具

配線修理には当然半田が必要です。ハイマチックEは比較的配線などの空間に余裕もあり、配線も長いので修理はしやすいです。コニカ C35は良いカメラで修理を試すに向いてると言われていますが、実は配線が短くレンズも外すとフォーカス(ピント)調整が必要になり少しメンテナンスしづらいので、ハイマチックEは修理を試すにもよいカメラだと思います。

ハイマチックEのモルト交換の記事はこちらです


ハンダ付けセット



– 配線を取り替える

一度は半田づけだけで動いたのですが、配線を見ると配線自体の腐食も進んでいて長期利用に心配があったので、この配線だけ新品に入れ替える事にしました。配線を剥く時はカッターを使わず必ずワイヤーストリッパーを使いましょう。配線作業はワイヤーストリッパーがあるだけで効率が全然違います。もしワイヤーストリッパーを持っていないと言う方はベッセルの赤いのがおすすめですが、もし細い線が中心に使用するならベッセルの黄色い方にすると良いです。


古い配線と入れ替える新しい配線


配線をハンダ付けしました


ついでに底蓋のプラスチックのパーツが剥離していたので修正しました



– 完成

事前に通電を確認していたので、配線1本のハンダ付けで無事にハイマチックEが動き出しバッテリーチェックのランプも含めて全ての機能が動くようになりました。


無事に電源が入るようになったハイマチックE

– まとめ

ハイマチックEなどに使える電池アダプターなどはかなり高価な割に電池ボックスの形状によっては接触がよくありませんがが、この格安自作アダプターはスプリングで電池端子をしっかりと押さえるのでより端子の接触が安定して長期使用が出来ています。エレクトロ35GXなどHM-N電池を使用するカメラにもこの電池アダプターが使用出来ますし、パーツも数十円なのでまずは動作確認したい方は是非作ってみて下さい。





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