
– ハンドバッグのストラップを交換する
市販のハンドバッグなどのストラップは使う人によって長さが違うために金具などで長さが調節出来るようになっています。これは便利なのですが一度調節したらほとんど長さを変える事はありませんし、どうしてもパーツや調整出来る長さの分重くなってしまいます。既に使いやすい長さが決まっている場合はこの調整出来る機能を省くことでかなりの軽量化が可能です。ストラップを作る工程をを含めて書いていきます。
– ストラップを自作する
今回ストラップを交換するのはエメラルドグリーンの革のハンドバッグです。ストラップはかなりの長さに伸ばせるのですが、普段使う長さにするとストラップが2重になるくらいで金具も含めてかなり重量があります。これを長さをカスタムしたストラップを調整用の金具無しで取り付けて軽量化出来るようにします。
– 革を切り出す
実は既に切り出されています。なぜかと言うと元々真っ直ぐに切り出されていた革紐からカメラストラップを作る分を切り抜いてあり、このハンドバッグ用の分はその切れ端です。両端は折り返すので丸めました。
– 仕上げ処理をする
革の裏面(トコ)と端の切断面(コバ)の仕上げ処理をします。新聞紙などをひき革の裏面(トコ)にトコノールをヘラなどで薄く塗り乾く前にガラス板やコップなどで伸ばします。今回は短い物なので片側を伸ばしている間にトコノールが乾いてしまう事もないので全体を一度に済ませてしまいます。この時一方方向にガラス板などを滑らせましょう。側面(コバ)はスリッカー(コーンスリッカー)と言われる木を削った棒状の道具を使用します。これもトコノールを塗ってスリッカーで擦ります。これを2〜3度繰り返すと毛羽立ちなどがなくなり革の状態が安定します。
– 接着する
今回は縫う工程は省きカシメるのでまず革の両端を接着します。接着する面は仕上げ処理がされているので、まずそれを目打ちや千枚通しを使用して接着する面を削ります。接着剤は接着力が強すぎないGクリヤーを使用します。これはカメラの修理にも使用していますがちょうどよい接着力と色がクリアなので使いやすいです。
– クランプをかける
しっかりと接着するために接着部分にクランプをかけます。この時革の切れ端などであて布などをするとクランプの痕が付きづらいです。1時間もすれば接着剤は乾きますが、出来ればしっかり乾かすために24時間はかけたいところです。
– カシメの用意をする
今回は糸で縫わずカシメるのでカシメとカシメ打ち、穴をあけるためのハトメ抜きを用意します。カシメは様々なと種類があるので、革の幅と厚みに合わせてカシメのサイズを選択します。カシメ打ちもハトメ抜きにも選んだカシメに対して適切なサイズがあります。今回は色味的にもシルバーの方が合うのでそちらを使用します。ブラウンの方も良い色ですが、これはまた別のカメラストラップに使用しました。
– 穴をあける
ハトメ抜きを使用して穴をあけます。既に革を接着しているので、ハンドバッグごと移動して穴をあける事になります。
– カシメを取り付ける
革に穴をあけたらカシメの足がついてる方を取り付けます。この足は長すぎても短すぎてもきちんとはまらないので、適切な長さの物を用意しましょう。
– カシメを打つ
カシメを打つには革に縫い糸用の穴を開ける菱目打で使う板なども使えますが、平らだとカシメの頭が潰れてしまいます。そこでカシメ打ち専用の台(カシメ打ち台)を用意します。これはくぼみ部分が丸くなっているのでカシメを打ち込んでもカシメが潰れる事がありません。
– 完成
カシメを打って接着面も含めて強度がしっかりしているか確認して完成です。もし接着剤を付けて数時間しか経っていない場合はいきなりハンドバッグを使用せず接着剤が乾くよう計24時間は乾燥させましょう。
– まとめ
市販のハンドバッグのストラップなどは仕上げは綺麗ですが、長さが調節可能なためどうしても長めの革と金具で重くなりがちです。今回は自分で革を切り出しましたが、同じ幅で真っ直ぐに切り出されている革紐もあるので、それであれば革の仕上げとハトメ抜きだけで作れますので、この機会に自作のストラップでお気に入りのハンドバッグを飾り付けてみてはどうでしょうか。