【カメラ修理】100均商品で作った自作フォーカシングスクリーンと高倍率ルーペでフォーカス調整を高効率化する【Konica】

– フォーカスの再調整

レンズのクリーニングをするとフォーカスの再調整が必要になります。効率よくフォーカス調整を行えるように100円ショップの商品でフォーカシングスクリーンを自作しました。必要な物や手順などを含めて書いていきます。

– フォーカシングスクリーン

フォーカシングスクリーンとはピントグラスとも呼ばれる一眼レフカメラに入っているミラーに反射した画像を映し出すフォーカス(ピント)合わせに使用される薄白いスクリーンの事です。一眼レフカメラの前面のマウント部から上部のファインダーの方を見ると付いているのがフォーカシングスクリーンです。一眼レフカメラではフォーカスを合わせやすいようにスプリット部分などがありますが、ここではマット面だけあればフォーカス調整をする事が出来るので作り自体は非常にシンプルです。

ミノルタハイマチックEのフォーカス調整の記事はこちらです

– 用意する物

透明なプラ版とメンディングテープでフォーカシングスクリーンを作成します。100円ショップで探すと電子レンジで縮ませてアクセサリーを作る透明な板が硬さも薄さもちょうどよさそうでした。今回は電子レンジは使用せずそのままプラ版として使用します。


アクセサリー用の透明な板です


フォーカシングスクリーンを作る用意が出来ました

– フォーカシングスクリーンを作る

作成は非常に簡単で透明な板にメンディングテープを貼り適切な大きさに切り取るだけです。35mmフィルム用であれば縦をフィルムサイズにして横を長めにしておけば様々なカメラで使いまわせるようになります。この時にフィルムが乗るレール部分に乗る幅に作る事が重要です。ここではKonica C35 Flashmatic(C35フラッシュマチック)の前期型を使用してフォーカス調整をすすめます。

C35フラッシュマチック前期型の記事はこちらです


フォーカシングスクリーンを切り抜きました

– 被写体に向ける

フォーカシングスクリーンには明るい被写体の方がわかりやすく映りますので、ライトなど点光源を映すと近距離でのフォーカス調整はしやすくなります。カメラの基本ですがフィルムに写る画像は上下左右が逆になります。自作フォーカシングスクリーンの裏表はメンディングテープを貼った面をレンズ側にします。


明るい被写体だとわかりやすいです

– ルーペを用意しよう

フォーカシングスクリーンに画像が写るのが見えてもさすがにこのサイズですと肉眼でフォーカスをきちんと合わせる事は難しいのでルーペを用意しましょう。フィルム面に置ける大きさでないとフォーカス調整に使えないのでここでは小型な物を選びます。倍率は10倍以上がフォーカス調整がしやすく、画質の面でも10倍の物がバランスがよいです。安価なルーペですとPEAK(ピーク)のルーペが明るくフィルムのチェックなどにも使える画質でおすすめです。今時なんでもある100円ショップにもルーペがあると思いますが、ガラスレンズではないでしょうし光学製品はガラス製で比較的よい物を使用した方がよいと思います。


ピークの10倍ルーペのパッケージ


ピークの10倍ルーペ


日本製と書いてあります

– 10倍ルーペの比較

ちょうど手持ちであったフィルムチェック用の10倍のルーペと比べてみます。同じ10倍の倍率ですがかないり大きさが違います。大きい方は定規がついていましたが、邪魔なのではずしてあります。画質自体もピークのルーペの方が明るく見やすいです。


ピークの10倍ルーペ


2つの10倍ルーペを比較

– 15倍ルーペ

フォーカス調整のみにしか使わない方は15倍の方がフォーカス調整自体はやりやすくなります。ピークの10倍と同じ小型サイズで15倍までいくと倍率は高いもののレンズの収差等で中心以外の画質自体はかなり劣化します。今回用意したのはエツミの15倍ルーペです。視界が狭く周辺の画質が劣化するのでフィルムの確認などには使用せずフォーカス調整専用にするならおすすめです。


エツミの15倍ルーペ、クリーニングクロス付きです


15倍のルーペの方が小型です

– フォーカス調整キット

無限大は屋外を見る事で合わせられますが、近くのフォーカスを合わせるためにフォーカス調整キットを用意します。これはデジカメなどのオートフォーカスの精度を測るために使用するもので、製品を用意すると値がはるのでここでも自作します。ネットをさがすとプリント用の画像が見つかるので、それをプリントしてダンボールに貼り付けます。実際は35mmフィルムサイズですと点光源の方がみやすいので、このフォーカス調整キット作成は余裕があれば程度で大丈夫です。


どこかで見たことがあるAmazonの箱に入っている謎のダンボール板です


切り抜いて完成です

– フォーカス調整

フォーカス調整はフォーカシングスクリーンをルーペでのぞきながら行います。裏蓋を開けたファインダーの下の穴の中にある小さいマイナスネジを回すとフォーカスが変化するので、レンズにある距離と合わせます。まず無限大で合わせたら、最短でも確認して微調整の後に再度無限大で確認すると比較的早くフォーカス調整が完了します。

ミノックス35GT-Eのフォーカス調整の記事はこちらです



– ファインダー清掃をする

フォーカス調整も無事終わりましたので、ついでにファインダーをクリーニングしてしまいます。ファインダーのクリーニング方法は別の記事にあるのでそちらおw参考にして下さい。

C35フラッシュマチックのファインダークリーニングの記事こちらです


上部のケースをはずします


ファインダーを綺麗にしました

– まとめ

自作のフォーカシングスクリーンで十分に35mmカメラのフォーカス調整に使用出来ます。ジャンク一眼レフカメラのフォーカシングスクリーンを抜き出す方法もありますが、100円ショップで必要な物も揃うので、この機会に自作フォーカシングスクリーンを作ってみてはどうでしょうか。





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