・ピックガードを取り外す
まず最初にピックガードの取り付けビスを取り外します。弦は緩めるか外した方が楽ですが、そのままでも配線やはんだ付けは出来ます。Fenderのギターやベースは工場での組み立てやメンテナンスがしやすいとても優れた設計になっています。
ピックガードを取り外しました(All Parts製のFender Japanサイズ)
・元の回路を確認する
ピックガードを裏返すと現在使用している回路を確認する事が出来るようになります。ピックガードの裏にはノイズ対策としてアルミテープを貼っています。回路はキャパシター(コンデンサー)がトーンポットの1番端子とトーン本体で半田づけされているので、ビンテージのアレンジ仕様でフェンダージャパンの配線とも違います。回路自体は単純ですが、元に戻す事も考えてメモ代わりにステップごとに写真を撮っておいた方がよいでしょう。
キャパシターがトーンポットの1番端子とトーン本体に結線されています
・回路を取り外す
ピックガードの表にあるポットとジャックを固定しているナットを取り外しピックガードを完全に取り外します。ポットにはボリュームとトーンの目盛りがわかりやすくなるポインターワッシャーを取り付けてあります。ピックアップは現在のものをそのまま使用するので、ピックアップから回路に半田づけされているケーブルをはずして回路ごと取り外します。
ピックガードを取り外しました(元々US仕様のインチサイズのポットです)
・ポットを取り付ける
アースラグをベースに取り付けてボリュームとトーン用のポットを取り付けます。ボリュームとトーンのポットの種類が違い今後の修理などで間違えて入れ替えてしまわないようにボリューム用にV、トーン用にTと記載しました。回路の半田付け後にもポインターワッシャーは取り付けられるので、ここではポットがピックガードに取り付けてあれば問題ありません。
・通電を確認する
トラブルを見つけるのを早くするため、電装系パーツ類を取り付けたら必ず通電の確認をします。まずは別途取り付けたポットのアースのラグ同士の通電を確認します。このアースラグ同士が通電していれば、ポットに半田づけをして熱をかけずに配線を済ませる事が出来ます。
アースラグ同士の通電を確認しました(アルミテープが通電していると言う事です)
・配線をする
まずは基本の大きい配線から済ませてしまいます。まずは大きいパーツからキャパシターは細かい部分になるので最後に取り付けます。手持ちのケーブルで黒線がなかったのでブルーをアース(コールド)線としました。回路は本人がわかっていればよいかもしれませんが、配線の基本はアースが黒線で、ホット側が赤(もしくは白)です。配線を赤黒か白黒にしておけば他の人が見たり、ストアに持ち込んだ時などにわかりやすくなります。
・コンデンサー交換式
ソケットを利用すると簡単にコンデンサーを入れ替えて音の違いなどを楽しむ事が出来ます。ただ、今回は回路も単純で取り外しもそれほど大変ではないので、オレンジドロップのコンデンサーは直接回路に半田づけをする事にしました。
・コンデンサーを取り付ける
オレンジドロップのコンデンサーを回路に取り付けます。フェンダープレシジョンベース用ビンテージ回路で組むので、ボリュームとトーンポットの各1番端子を繋ぐようにコンデンサーを半田付けします。ポットの端子の番号はピックガードの裏から見て端子を下にした時の右側から1番になります。
・音出しをする
回路を組んだらピックガードをネジ止めする前に断線などなくアンプから音が出るかを確認します。機材を守るためにベースもアンプ側もボリュームを一番下げた状態にした状態でベースをアンプに接続しましょう。ボリュームを上げて音が出てノイズなどが大きくなければ問題ありませんが、ブーなどと大きい音がする場合はアースがきちんと取れていないので、半田づけにミスがないか各配線同士が接触していないかなどを確認します。
・ピックガードを取り付ける
今回は全く問題なく1発で配線が決まりノイズも少なく音も良いのでこのままピックガードを取り付ける事にします。これまで唯一ピックガードの取り付けビスだけシルバーだったので、この機会にブラックのネジで取り付けて黒化計画も終わらせる事にしました。
・弾いてみて
音出しをテストしてありますがピックガードを取り付けて再度チューニングしてから弾いてみると音が以前よりクリアでガリも一切なくなりました。トーンポットがNo-Loadのためスカスカと言っていいほどトルクがないので慣れが必要ですが、それ以外は完璧と言っていいほどの出来栄えです。プレベ(最近のPB配列ではなく)は回路も単純でパーツ数も少なく初級向きでもあるので、ガリの修理も含めてパーツや回路のアップグレードを是非試してみてください。
・完成
回路も全て新品となり音質が向上されて、各パーツもブラックで決まり見た目も格好良くなりました。かなり長期間かけて少しづつ黒化計画を進めながら最後に(予定外の)回路までビンテージ配線で新しくなり素晴らしい出来となりました。これにて長く続いたプレシジョンベースの黒化計画は終了になります。