【レザークラフト】斜めがけが出来て一眼レフカメラにも使えるレザーストラップを作りました【フィルムカメラ】

        

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– 革の処理の用意

革の裏面(トコ)を処理するにはトコノールなどの仕上げ剤を使用します。トコノールで仕上げの処理をすると最初の色より濃くなるので、それを見越した上で革の色を選ぶとよいでしょう。トコノールを塗り伸ばすためにはヘラなどを使用し、伸ばすにはガラス板などが便利ですが、手に入らない場合はコップなどでも問題ありません。


ガラス、ヘラ、トコノール、もんじゃ用のへら、千枚通し、スリッカーです

– 裏面を処理する

革はそのままでは裏面(トコ)が毛羽立ったままになります。これを抑えるためにトコノールの様な仕上げ剤をヘラで薄く塗り、乾く前にガラス板などで伸ばす事で革の状態を固定させます。おしゃれ系のカメラストラップではこの処理をわざと省いて毛羽立たせた状態にしてあるのもあります。トコノールによる処理をしないと革もより柔らかいままになるので、どのようなストラップにするかでこの工程を行うかを決めるとよいでしょう。


元の革の色と比べると仕上げの部分はかなり濃くなります

– 断面を処理する

革の断面(コバ)は同様にトコノールを使いますが、スリッカー(コーンスリッカー)と言われる棒上の木の道具を使って擦ります。


断面(コバ)も仕上げをしました

– 断面にワックスをかける

今回は断面(コバ)をトコノールで処理するだけではなく、コバワックスと言う専用のワックスをアイロンのように焼き付けて色味をより濃くすると共に防水効果などを高めます。コバワックスを溶かすには熱くしすぎてない半田ごてを使用し、そのまま断面(コバ)を焼き付けていきます。この時の半田ごての温度はコバワックスを付けて煙が出るか出ないかくらいがちょうどよいです。温度調節が出来ない半田ごてであれば適温の時にコンセントを抜いて温度が上がらないようにしながら進めましょう。これは最終的な色味の好みもありますが、今回は焼き付けを全周で2周ほどしました。

コバワックス焼付用に使う半田ごての小手先の記事はこちらです


コバワックスとアイロンをかけるための半田ごてです


断面(コバ)にコバワックスを焼き付けました


色がより濃くなり高級感があがりました

– パーツを取り付ける

ストラップ本体にリングとストラップリングガードを取り付けます。この時に特にストラップリングガードの表裏とリングを入れる順番を間違えないように仮組み状態でカメラに取り付けて確認します。リングはカメラストラップ用にちょうどよい12mmの物を使用します。


リング、ストラップリングガードを取り付けます


仮止めで向きを合わせます

– 接着する

ストラップリングガードとリングの向きを確認したらパーツをはずさずに、そのまま接着します。接着にはGクリヤーを使用します。Gクリヤーは接着力が強すぎず完成時に透明になるのでレザークラフトやカメラ修理に向いています。接着する面もトコノールで処理がされているので、接着剤を塗る部分を目打ちや千枚通しを使って削り革を毛羽立たせます。


接着面を千枚通しで削りました


パーツの向きをそのままに接着します

– クランプをかける

接着した場所をそのままですと平面が出ず剥がれやすくなるので、あて布をした上でクランプをかけます。あて布には革を切り出す時に出た切れ端などを使うと、クランプの痕が付きづらくなります。


クランプをかけました

– 糸を通す穴をあける用意

接着剤が乾き折り返した面の接着が確認出来たら、縫うための用意をします。レザークラフトでは普通の布のように直接針を刺す事はせず、事前に針を通す穴をあけておきます。この革に糸を通す穴をあけるのに菱目打ちと言う道具を使用します。レザークラフトではこの穴あけと縫うのが本当に難しいので、切れ端などで練習するとよいでしょう。

縫わずに簡単に作れてクラシックカメラに似合うハンドストラップ製作の記事はこちらです


プラスチックハンマー、プラスチック板、サイズの違う菱目打ち

– 糸を通す穴をあける

革をプラスチック板の上などに置いて、この菱目打ちをプラスチックハンマーなどで叩く事で縫うための穴をあける事が出来ます。この時菱目打ちを真っ直ぐ打ち込むのが難しいので、革の切れ端などで練習するとよいでしょう。あとは打ち込み時に大きい音がするので集合住宅の場合は騒音にも注意しましょう。


菱目打ちを使用します


真っ直ぐに穴があきました

– 細かい穴をあける

今回のストラップなど縫う面が細い場合菱目打ちが入らない場所が出てきます。その場合は菱目打ちの刃が1つだけついていて、1つずつ革に穴をあける事が出来る菱ギリを使用します。これはハンマーで打たず直接差し込む事で穴をあける事が出来ます。


菱ギリを使用します


菱ギリで全周の穴をつなげました

– 縫う準備をする

前回作ったコンパクトカメラ用のショルダーストラップの縫い糸が太めだったので、細い糸を試してみることにしました。糸にはその太さにあった針が必要なので、針とセットで揃えます。糸は自分でロウを塗る方法もありますが、特殊な糸を使用しない限りロウ付きの糸を使用するのが楽です。

糸のサイズと道具についての記事はこちらです


細めの糸と針のセットです


左が前回使用した糸でかなり太さが違います

– 針を糸に通す

通常の裁縫とは違いレザークラフトの場合は”糸を針に通す”のではなく”針を糸に通します”。革の厚さにもよりますが、縫う距離の3倍ほどの糸を使用します。ただ、このカメラストラップの場合は縫う場所が狭いので長めに糸を用意した方が縫いやすいです。針を糸にセットするには5cmほど糸の先端を余らせて0.5cm間隔に針を糸に通し、余りの糸を針穴に入れます。この状態で針を引っ張り糸の両端をに針を2本用意したら縫う工程に入れます。糸に針を通しづらい場合は菱ギリなどで糸を平らにほぐすと針を糸に通しやすくなります。


針を糸に通します


縫う準備が出来ました

– 革を縫う

革を縫うには革にあけた穴に交互に左右の針を通していきます。縫い目が揃うように毎回針を糸の上に通るように通していきます。最後の3目の穴まで縫ったら片側だけで縫い進め最後の縫い目で逆の糸で丸をつくり結ぶように縫い終えると糸が固定出来ます。実は今回の細い糸は細すぎたので、この後に元々の太い糸を使用しました。このサイズのストラップだとこの2つの糸の中間がちょうどよさそうなので、また別途糸を用意しました。


針を交互に通して縫い付けていきます

– 完成

糸を縫い付け接着面が乾燥し強度が確認出来たら完成です。革に付いた細かいコバワックスのカスなどを取り除いてより綺麗に仕上げましょう。革にはクリーム等を縫っていないので自然な風合いですが、お好みによってミンクオイルなどを塗るのもよいと思います。私はストラップに限らず革製品には英国靴メーカーのクラークスのオイルを使用していますが、ほとんど液状なのでとても柔らかく塗りやすいです。

– カメラに取り付けてみる

完成したら実際にかけ心地がよいかをカメラに取り付けて確認します。今回は縦吊り仕様に改造したレンジファインダーフィルムカメラのミノルタ ハイマチックEに取り付けました。このハイマチックEは比較的大きめなカメラですが、首にあたる部分の幅が広いのもあり、非常にかけやすく金具等もないので軽量です。そしてもちろん革の色も相まって格好がよいです。

ミノルタ ハイマチックEの縦吊りストラップの記事はこちらです


ミノルタ ハイマチックEに取り付けました


縦吊り仕様にしてあります

– 一眼レフに取り付けてみる

一眼レフ対応の幅広のストラップにしたので、一眼レフに取り付けて使い心地を確認します。一眼レフの中でもサイズが比較的大きく、ボディも金属製で重量のあるミノルタXEをに取り付けてみました。これが専用かと思えるほどちょうどよく、ブラックのボディにグレート濃い赤の裏地が非常に似合います。ストラップリングガードも効果があり激しく動かしてもカメラボディにリングが当たる事なくボディを傷つける事なく撮影が出来ます。


ミノルタ XEに取り付けました

– おまけ:なぜ斜めがけ

おしゃれだから、ではなく斜めがけストラップにはきちんと意味があります。戦場カメラマンはみなストラップが斜めがけなのを知ってますでしょうか?これは攻撃され時や危険地域などで急に屈んだ時にストラップを首からかけているとカメラやレンズが地面にぶつかって壊れてしまうからです。斜めがけストラップだとカメラが背中側にいくので、屈んでもカメラが地面を打つ事はありません。では、斜めがけストラップが完璧かと言うとそうでもなく、玄関やドアを通る時に不意にレンズの先をぶつける事が多くあります。高価なレンズを使用している方で斜めがけストラップを使用する場合はレンズを守るためにもレンズフードを取り付けるとよいでしょう。


長さも十分で斜めがけで撮影にでかけられます

– まとめ

市販の長い斜めがけ出来るストラップは調整分の革が重なっていて調整用の金属パーツなどがあり重量が重くなりがちです。今回のようなシンプルなレザーストラップだとご自分の身長に合わせた長さに出来ますし、非常に軽量に作る事が可能です。革も糸も好きな色を選ぶ事が出来るのでより選択範囲も広まりますし、この機会に世界に1つのオリジナルカメラストラップを作ってみてはどうでしょうか。

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