– Olympus 35DC
手に入れたカメラは機能に全く問題がなく撮影出来る状態ですが、せっかくなので当分メンテナンスの必要がなくなるようにモルト交換をしてしまう事にしました。交換の手順などを含めて書いていきます。
– モルト交換
オリンパス35DC(35DC)に限らず国産のほとんどのカメラにはモルト(遮光材)が使用されています。このモルトが劣化する事により内部にある裏蓋の金属部分などが傷んでいきます。最近のモルトは品質もあがり腐食する可能性は減りましたが、45年以上前のカメラでモルトを一度も交換していないカメラなどは開けるのも怖くなるほどになっている場合もあります。ただ、一度綺麗に内部を清掃しモルトを交換してしまえば、当分交換の必要もなくりますし、何より整備の行き届いたカメラを使うのは気持ちがよいものなので、この35DCのモルトも交換する事にしました。
カメラの後ろにあるのはモルト交換に用意した清掃用の無水エタノールが入ったコスメ用の注射器とモルトを切り出すロータリーカッターです
– 養生をする
モルト交換で最初にするのは裏蓋を開けた状態でのレンズ部分の養生をです。大きいゴミやホコリをブロアで飛ばした後に、マスキングテープなどで養生をします。
– モルトの場所を確認
カメラによってモルトが貼られている場所が違いますので、貼ってある(あった)部分を確認します。モルトが古く劣化してほとんどついてない状態の場合でもモルトが触れていた金属部分の劣化でモルトの位置がわかります。この35DCは元々そのままでも撮影が出来るくらいの状態で、元のモルトが残っていました。
– モルト清掃には無水エタノールが便利
モルトは裏蓋のレール部分に多く貼られているので、清掃するには100円ショップの商品であるコスメ用の注射器に入れた無水エタノールを使うのが便利です。
– 古いモルトをはがす
モルト交換で1番大変なのが古いモルトをはがして綺麗にする事です。モルト自体がそれほど古くなく以前のユーザーが接着剤などを使ってないと比較的に剥がすのは楽ですが、モルトがベトベトに腐食していたりすると時間がかかります。コニカC35はとにかくこのモルトを綺麗にするのが大変ですが、35DCはそれほど大量にモルトが使われてなくクリーニングも楽でした。他の部分のメンテナンスもある方は裏蓋をはずすとより楽になります。
コニカC35フラッシュマチックのモルト交換の記事はこちらです
– 各部を清掃
裏蓋のモルトをはがしたらモルトを貼る準備のために、各部をクリーニングします。35DCのモルトは裏蓋に集中しているので、裏蓋のレールやヒンジ部分などを中心に綺麗にします。
– フィルムボックスを清掃
フィルムボックスやモルトがあたっていた部分は金属や塗装部分が劣化してしている事が多いので綺麗にします。この部分はモルトが触れる部分なので多少ざらつきがあっても光線漏れする事はありません。
– 底蓋を確認
カメラによっては裏蓋やフィルムボックス以外にもモルトが貼られている事があるので確認します。コニカC35は底蓋に小さなモルトがあり、他のレンジファインダーカメラですとトップカバー内にモルトがあったりしますが、この35DCの底蓋にはモルトは使用されていません。底蓋を開けたついでに清掃と各部の確認もしましたが、特に問題もありませんでした。
– 準備完了
綺麗に清掃して今一度ブロアで細かいホコリやゴミを取り除いたら準備完了です。無水エタノールを使用した場合は各部が完全に乾いているかも確認しましょう。
– モルトを張り替える
35DCのモルトは量は多くないのですが、細い部分に使用されているのと、太さが変わる部分があるので細かくモルトを切り取る必要があります。今回のモルトは代替え品のフエルトを使用しました。フエルトは腐食する事なく金属への影響も少ないでが、細く切るのが難しいのでロータリーカッターなどを用意しましょう。
– 完成
蓋を閉め各部の機能がきちんと動作するかを確認して完成です。フエルトは最初きつくても蓋を閉めているうちにちょうどよくなるので、少し閉めづらい程度であれば問題ありません。
– まとめ
オリンパス35DCはモルトの量も少ないので、モルト交換で1番大変な古いモルトの清掃の手間が省けます。細い部分にモルトが使われているので切り出すのにコツが必要なもののモルト交換自体は難しくないので、この機会にご自分でモルト交換をしてみてはどうでしょうか。